”Fly Me To The Moon”でボサノバに挑戦

 

「ピアノの先生がジャズピアノに挑戦する話」、第8話の本記事。

第6話「ペンタトニック・スケール練習がらC Jam Bluesへ」でお伝えした通り、いよいよ本格的なジャズピアノのレッスンが始まりました。

記事はこちら↓

ペンタトニック・スケール練習からC Jam Bluesへ

 

”C Jam Blues”に合格すると、次に課題曲として与えられたのは”Fly Me To The Moon”。

そう、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のエンディング曲です。

実は、この曲は私から希望しました。

耳に馴染みがありますし、とにかく大好きな曲だからです。

 

万年ジャズ初心者の福耳。

この有名曲から何を学べたのでしょうか?

広告

”Fly Me To The Moon”はどんな曲?

概要

原曲は1954年にニューヨークのキャバレーで初演されたもので、3/4拍子。

ワルツのような雰囲気の曲で、今私たちが耳にするものとはずいぶん違っています。

題名も”In Other Words”(言い換えると・つまるところ)。

歌詞の中に何度も出てくるフレーズの一節ですね。

 

1956年に別の歌手によって収録されたアルバムで、初めて”Fly Me To The Moon”という題名が登場。

1962年に作曲・編曲家のジョー・ハーネルという人が4/4拍子のボサノバに編曲。

1964年、このボサノババージョンをフランク・シナトラが歌って大ヒットし、広く知られるようになりました。

 

この頃、アメリカは月面探査プロジェクト「アポロ計画」の真っ最中。

人類が本当に月面に到達したのだという高揚感も、ヒットの原因だったと言われています。

実際、シナトラの歌うテープは、本当にロケットに乗って月へ行くことになったのでした。

 

つまり。

この曲は、人類が宇宙へ持ち出した最初の音楽ということですね。

「エヴァンゲリオン」エンディング曲として

日本では、1995年放映のテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のエンディング曲として知られるようになりました。

庵野秀明監督の強い希望で採用されたとの事です。

我が家の子どもたちによると、劇中「月」が大いに関係してくるからなのだとか。

私自身はこの長大な作品を全部きちんと観たわけではないのですが、エンディング曲は大好きでした。

お恥ずかしいことに、当時私はこの曲がスタンダードナンバーだとは知らず、「最近のアニメのエンディングってオシャレだなあ」などと思っていたものです。

大きな月の前でなぜか逆さになってくるくる回るヒロインのシルエットが印象的で、よくエンディングだけ聞くためにテレビをつけたりしていました。

(物語が複雑で、ちゃんと観ていないと内容を理解できないので‥)

 

シナトラが歌ってからほぼ30年後。

この曲は日本のアニメによって再び息を吹き返したのでした。

宇多田ヒカルを含む多くの歌手がカバーし、今でもYouTubeは花盛り状態。

若い世代に最も愛されたスタンダード曲のひとつと言えるのではないでしょうか。

広告

ボサノバの練習方法

ボサノバとは?

私はこの曲を課題として学ぶにあたり、ボサノバのリズムでと希望を出しました。

もちろん、「エヴァンゲリオン」のエンディングがボサノババージョンだったからです。

 

ボサノバ(ボサノヴァ・Bossa Nova)はブラジル音楽の一種です。

元々は2ビートのサンバから派生したもので、1950年代の中期に創始され、主に当時の白人中産階級の若者によって支持され、発展していきました。

主な創始者はリオデジャネイロ在住のカルロス・ジョビンという作曲家・編曲家。

心地よく洗練された器楽曲として広まっていきました。

 

有名なスタンダード曲として「イパネマの娘」「ウェーブ(波)」などが挙げられます。

“Fly Me To The Moon”の練習課題

師匠が出した練習課題は以下の通りです。

コードの練習

・それぞれのコードの構成音を音出ししながら覚える(ノートに書いてもよい)

例えば、C7であれば構成音はド、ミ、ソ、シ♭。

片手または両手で、ドミソシ♭|ミソシ♭ド|ソシ♭ドミ|シ♭ドミソ|‥のように、基本形だけでなく展開型も練習します。

・音の順番変えて色々な高さで練習

構成音は同じで順番を変えます。

ドミシ♭ソ|ドソミシ♭|ドソシ♭ミ|ドシ♭ミソ|‥のように網羅して練習すると、さすがに構成音が少し覚えやすくなるようです。

これを曲中の各コードで練習。

時間がかかります。

スケール練習

ジャズ学習者はクラシックよりもさらに多くの種類のスケールを覚える必要があります。

関連記事↓

ジャズピアノのレッスン開始!

 

また、アヴェイラブル・ノート・スケールという概念があります。

アヴェイラブル・ノート・スケール(Available Note Scale)とは、バークリーメソッドと俗に言われる音楽理論で用いられる概念である。〜中略〜 和声(コード)上でメロディーに使うことが可能な音を音階として表したものがアヴェイラブル・ノート・スケールである。(Wikipediaより)

例えば、”Fly Me”の最初の4のコ小節のコード進行は以下の通り。

Am7   |Dm7   |G7   |CM7 C7 |

これらのコードひとつひとつに対して使える音はある程度決まっており、それを音階として表したものがアヴェイラブル・スケールという訳です。

1小節目のAm7では普通の音階、ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ・ソを使います。

 

2小節目のDm7では「ドリアンスケール」というモードスケールを使います。

構成音はレ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド。

以下、3小節目は「ミクソリディアンスケール」、ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ。

‥のように、ある程度のルールに沿って決められた音を使ってアドリブをしていくことになるという訳です。

 

なぜこのように決められているのかは、今の私には説明能力がありませんのでご容赦を(汗)。

ともかくも、当然これらの音階練習を毎週の課題としてやっていかなくてはなりません。

ジャズの練習というのは、このように地味なものなのですね。

ボサノバのリズム

左手は、これもコードによってある程度決められた和音を弾いていきます。

ここでちょっと大変なのは左手を「ボサノバ」のリズムで練習し、右手のスケールやコードの練習課題と一緒に弾く練習です。

♩♩♪♩♪⏑|♪♩♪♩♩|〜

上がボサノバのリズム。(ちょっと強引‥)

 

コレを左手で弾きながら右手はテーマやスケールなどを弾いていく訳です。

体の右半分と左半分で違う事をやっているような違和感がありまくりでした。

なるべくペダルを踏まないように

“Fly Me” はとても雰囲気のある綺麗な曲なので、クラシック出身者としてはついついペダルを踏んで美しく流れるように弾きたくなります。

ですが、ジャズではコレはいまいち歓迎されません。

なぜなら、多くの場合ベースやドラムとのアンサンブルで演奏されるからです。

ピアニストがペダルをバンバン踏んで1人で気分良く弾いていても、ベースやドラムの音を邪魔していたのではなんにもなりません。

ましてボサノバは洗練された軽やかさが必要。

師匠は私に「ペダルに足を乗せないように」と指示。

それでも長年のクセというのは恐ろしいもので、気がつくとペダルに足が乗っかっているんですよね〜。

「もうさ、足をイスにくくりつけておいたら?」と叱られましたっけ(大汗)。

広告

YouTubeの中の”Fly Me To The Moon”

この曲を学ぶにあたり、私はYouTubeをフル活用しました。

とにかく有名な曲なので、それこそ星の数ほどの演奏がアップされているのです。

アニメのエンディングをそのまま乗せたようなものから、シナトラが歌っているもの、もっと古い歌手のもの。

あるいはつい最近アップされたアマチュアの演奏、どこかのジャズバーなどでのプロのミュージシャンの演奏。

 

そのうち、ある日本人女性ピアニストの演奏が気になって、何度も聴くようになりました。

ピアノトリオでボサノババージョンで演奏しているグループです。

参考にさせて頂くには演奏が高度すぎ、単に憧れて聴いていただけですが、とにかく素敵な演奏でした。

「お気に入り」に入れていたのですが、いつの間にか行方不明に‥(泣)残念。

 

ともあれ、大好きなこの曲の勉強、練習はとても楽しかったです。

ほどなく合格をもらいましたが、今でも時々練習がてら弾いています。

 

そうそう、ジャズはクラシック曲と違ってたくさんの曲を弾けるようにしておく必要があるんですね。

その事を知らなかった私は過去曲の練習をしていなくて、習った曲を片っ端から忘れていましたが、それではダメな模様。

まだまだ練習の種はつきません。

これからもゆっくりじっくり、できる事を少しずつ練習して、ジャズの勉強を続けていきたいと思っています。

 

お読み頂いてありがとうございます。

 

ポチッと応援して頂けると嬉しいです//↓

 

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

広告