ジャズピアノのレッスン開始!
さて、前回「そーだジャズピアノ習おう!」と思い立った単純思考の私。
運よく、通える範囲で適当なお教室を見つけました。その後の経緯をお話しします。
いざジャズピアノ体験レッスンへ・初心者の立場で
さっそくくだんのお教室に体験レッスン申し込みのメールをしました。
すぐに返信が来て、日時の調整。
普段私が教師としてやっている事を、こちらでは全くの初心者として習う立場で行うわけです。何とも新鮮な気持ちになります。
指定された日時に遅れないように早めに家を出て、Googleマップを見ながら到着すると、そこは静かな住宅街にある一軒家でした。
門扉のところにグランドピアノをかたどった小さな看板が出ています。
こういうところも我が家と同じだな〜などと思いながらインターホンを押します。
感じの良い女性の先生が出迎えて下さり、簡単に挨拶を交わして自己紹介です。
一瞬、自分がピアノ教師をしている事を告げるべきか悩みました。どこかで習い事の同業者(特にピアノ)は警戒されることがあると読んだことがあったからです。
理由はよくわかりませんが、教室の数も先生の数も多いため、中にはスパイのごとくあちこちのピアノ教室の体験レッスンを受けまくる猛者がいるらしいのです。(私のところにはこういう方は来たことがありません笑)
結局、正直にお伝えすることにしました。
隠してもどのみちバレますし、そもそも私は全くの初心者なのです。
警戒なんてされるワケがありません。
先生によると、実はクラシックピアノの先生がジャズを習いに来ることは珍しくないのだそうです。
やはり私のような願望を抱くクラシックピアノの教師は一定数いるということですね。
それを聞いて安心している私に、先生は実にためになるお話をして下さいました。
「どれほど難しいクラシックの大曲が弾ける人であっても、すぐにジャズピアノが上手に弾けることはありません。
ご自分が普段出している音と、ジャズの初心者として出せる音とのギャップに苦しむかもしれませんがついてきて下さい。」
と。
何と信頼の置けるお言葉でしょうか。まさにこのように、真実を語ってくださる方に師事したいと思っていたのです。
私はその場で入会を決め、その日のうちに出された宿題を抱えて嬉々として帰途につきました。
せっせとジャズ理論の勉強と音階練習を頑張る私‥でも
それからというもの、毎回のレッスンで出された課題を次回までに勉強して、合格を頂けると先の項目に進むという日々の始まりです。
まさに普段自分が教師として行なっている指導を、生徒として練習する立場になったワケです。
実に新鮮で、楽しくてたまりませんでした。
ジャズピアノを習い始めたと実母に告げると、今更ピアノで何を習うのかと呆れられましたがとんでもない。
覚えなければならないこと、やらなければならないことは山ほどあります。
例えばコードネーム。
C7とかAmとかいうヤツです。
バッハやモーツァルトの楽譜にそんなものは書いてありませんので、学ぶ必要性を感じることなくこれまできてしまい、まっさらの状態です。
全く初歩的な説明から教えて頂く必要がありました。
また例えばスケール(音階・音を規則的に並べた音列)。
クラシックでは、12枚の鍵盤ひとつひとつの音を起点とした12の長調(メジャースケール・一般に明るい表情の音列)と、それぞれに3種類ずつ存在する36の短調(マイナースケール・一般に暗い色調の音列)と、全部で48種類覚えておけば事足ります。(まあそれでも結構な数ですが)
ジャズはそうはいきません。
上記の音階のほか、モードと呼ばれる教会旋法(チャーチモード)があります。
ひとつひとつの音を起点としてイオニアン、ドリアン、フリジアン、リディアン、ミクソリディアン、エオリアン、ロクリアンと7つずつ。
またⅤ度調で使われるスケールのオルタード、リディアンセブンス、ハーモニックマイナーパーフェクトフィフスビロウ‥はいすみません読むのイヤになりましたね。まだ他にもあるのですがやめます。
というようにほとんど無数かと思われる大量の音階またはモード群があるのです。
これらを徐々に頭に入れていかねばなりません。
幸い、コツコツと努力するのはそれほど辛く感じないタチでしたので、先生のおっしゃる通りに練習し、その都度マルを頂いてはまた次の項目へ。
当然曲の練習もあります。
「枯葉」や「Fly Me To The Moon」などのスタンダードナンバーは好きな曲ばかりです。
左手のヴォイシング(和音の押さえ方)を習うと、自分で右手のソロパートをせっせと作っては楽譜に書き、それを聴いて頂いていました。
何しろアドリブはできませんので、少しでもカッコよく曲を弾こうとするとあらかじめ書いておいたソロパートを弾くしかないのです。
そして、ここで問題が出てきました。
アドリブができない!
私は過去に色々な曲を聴いてきていますので、それらから適当なメロディをちょこっともらってきてそれっぽくまとめるのは得意でした。
‥それってパクリじゃね?
ハイそうです。ジャズではパクリが割と推奨されます。
過去の偉大なジャズミュージシャンの演奏を聴いてはパクって自分で考えたような顔をして弾くのはごく普通のことです。
問題は、本来それを瞬時に自分の頭の中の引き出しから出してきて演奏するものなのですが、私はどうしても「書きソロ」から離れられませんでした。
続きます。
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