ペンタトニック・スケール練習からC Jam Bluesへ
前記事、ブルースの学び方〜ピアノの先生がジャズピアノに挑戦する話⑤〜でお伝えした通り、いよいよジャズの師匠による本格的なジャズピアノのレッスンが始まりました。
決まったコード進行の上に「マイナーペンタトニック(ド、ミ♭、ファ、ソ、シ♭)」を乗せてひたすら弾く練習。
・楽譜を使わない
・何回弾くか決まっていない
・何が起こるかわからない
コレぞジャズ!というカンジですね。
もっとも、音は5つしか使っていませんが😅
それでも、アドリブはアドリブ。
ついに、福耳は殻を突破したのか??
あれほどできなかったアドリブができるようになったんでしょうか??
ジャズピアノ初心者向き・この時期の練習メニュー
そんなカンタンなわけがありません(笑)
とりあえず、楽譜を見ないで音を出すのに慣れるための練習。
それだって私にはすごく努力が必要なんですが。
さて、どうにかマイナーペンタトニックで音を出すのには慣れてきました。
何といっても5つしか音がないので、なんとかなるものです。
すると、師匠が指示する練習メニューが徐々にグレードアップしていきました。
もちろん、どれも楽譜を使わないで行う練習です。
・左手のリズムパターン練習
リズムパターンとは、ジャズ特有のリズムをパターン化してリズム譜に書き表したもの。
今までは、左手は全音符や二分音符などの長めの音をジャ〜ンと押さえていればよかったのが、色々なリズムでコードを弾かなければなりません。。
左手の動きが複雑になったぶん、右手は難しいことはできませんので、四分音符(♩)を並べたものにランクダウン。
でも左手って不器用なので、コレはコレで大変です。
・右手の音が増える
それにも少し慣れてくると、今度は右手の音が増えました。
マイナーではなく「メジャーペンタトニック(ド、レ、ミ、ソ、ラ)」にプラスして、以前の記事
体験レッスン再び〜ピアノの先生がジャズピアノに挑戦する話④〜
でお世話になった、「ブルーノートスケール(ド、ミ♭、ファ、ファ♯(ソ♭)、ソ、シ♭)」を組み合わせた音を使う。
つまり、音は全部で9個。
急に使いきれなくなってきました。
仕方なくまた八分音符(♪)で行ったり来たり。
あらら、またしてもただのスケール練習に(大汗)
しかも、左手は習ったリズムパターンで。
すごく‥大変です。(白目)
・右手は色々な音価の音を使う
音価とは、音符や休符の長さのことをいいます。
四分音符や八分音符の他に、十六分音符(♬)、三連符(3つで四分音符1つになる音符)などがあります。
つまり、右手も変化をつけるようにということですね。
また、同じ調子で音をズラズラ並べるよりも休符を効果的に使うなどの工夫が必要とのアドバイスを頂きました。
・たまには自分でソロを書いてみる
「ソロを書く」とは、本来アドリブで弾く自分のピアノのパートを楽譜に書いておくことです。
以下の記事のように私はコレをやりすぎてアドリブできない病にかかったのですが、
アドリブがどうしてもできない件〜ピアノの先生がジャズピアノに挑戦する話③
楽譜として可視化することで得られるものも多いとのことで、本当はとても有効な練習方法なのだそうです。
要は、何事もやり方次第ということですね。
やはり楽譜に自分の考えたメロディを書き留める作業は楽しく、もしかして将来は編曲や作曲も、などとあらぬ夢が膨らんできたものです(笑)。
・コードの勉強と練習
ついに来ました、クラシックピアノ教師の鬼門・コードの勉強。
前の教室でも習ったのに、すっかり忘れています。
ジャズのレッスン開始!〜ピアノの先生がジャズピアノに挑戦する話② 〜
何しろ、ベートーヴェンやショパンの楽譜にコードは書いてありませんので、私たち慣れていないんです(言い訳)。
でもやるしかありません。
まずはひたすら機械的な指の練習。
少し慣れたら左手のリズムパターンと組み合わせて練習です。
いや〜覚えられないことこの上ない(汗)。
クラシック出身者がジャズピアノを弾くときのクセ
それと同時に、今度は演奏面でもいくつか指摘を受けました。
私だけでなく、クラシックピアノ出身者にほぼ共通するポイントだそうです。
・頭にアクセントをつけて弾くクセが
つい、1、2、3、4、のように1拍目、3拍目にアクセントがくるように弾いてしまいます。
コレをやるともろにクラッシックぽくなってしまうので気をつけます。
・レガートで弾かないように
ジャズでは、あまり音をなめらかにつなげて弾くことはありません。
そういえばどのピアニストも、わざと音の粒がそろっていないかのようにカクカクした感じに弾いています。
キレイなスラーなどは不要ということですね。
・左手が重すぎる
ピアノは、ジャズの曲中ではドラムのような役割を担います。
確かに、ピアノは打楽器ですよね。
たまにドラムのない編成のバンドで演奏するときは、ピアノはまさにドラムの役をしなければならないそうです。
ということは、3〜4個の音を同時にジャ〜ンと弾くとかなりの音量が出てしまい、耳障りになります。
あくまでも軽く、ポンッ、とかパンと叩くように音を出さなければなりませんが。
コレが難しくて‥。
・音の使いすぎ
ついついたくさん音を弾こうとしていらない音がモリモリになってしまう。
コレだとかえって耳に残らない、カッコ悪い演奏になりがち。
音のバーゲンセール(笑)。
ガチャガチャたくさん音を出すより、むしろ「弾かない」ことを心がけると良いとのことです。
まだ色々あるのですが、キリがありませんのでとりあえずここまで。
現時点で、自分にできる範囲のことをじっくりやっていくしかありません。
C Jam Bluesに挑戦!
さて、上に書いたような地道な練習を、かれこれ3ヶ月も続けたでしょうか。
センスの良い人ならこんなに時間をかけずにもっと早くにそれらしく弾けてくるのでしょうが、私はガチガチの専門○カ。
生来の不器用さもあって、何もかもに時間がかかります。
ただ、普通のピアノの先生ならとっくに心折れているかもしれない、単調で地味〜〜なスケールやコードの練習も、アドリブをしてみたい一心でそれほどツラくなかったのは助かりました。
何しろ、一度失敗していますので、今度こそという気持ちが強かったのです。
そんなある日、「じゃあそろそろ曲やろうかー」と師匠。
へ?曲をやるとは?
「Cメジャーブルースの練習してるし、“C Jam Blues”でいいんじゃない」とのお言葉が。
そうそう、f先生のところでも、最初に習ったのはこの曲でした。
楽譜に謎の「自分ソロ」をシコシコ書きまくっていたっけか。
今度はそんなわけにはいきません。
例によって否応無く曲が始まり、私はウロ覚えのシンプルなメロディをよたよた弾き始めました。
ジャズファンならほぼ誰でも知っている、デューク・エリントンの名曲 “C Jam Blues”。
テーマのメロディは音が2個しか使われていません。
「ソソ・・・|ソソ・ソソ・|ソーード・・|・・・・」(・は四分休符)
これを3回繰り返してたものがテーマ(メロディ)です。
ジャズのブルースの場合はテーマが12小説と短いので、このテーマを通常2回繰り返して1コーラスとします。
そしてその後、いよいよアドリブパートの登場です。
この3ヶ月の練習の成果はいかがなものでしょうか?
。。。「うんまあ、いいんじゃない。
今後の課題は課題として、現状では問題なくやるべきことがやれているというか。
この曲だけならもうジャムセッションに出られるよ(笑)」
いやいやいやいや。そんなそんな。
多分冗談と思われます。
ちなみにジャムセッションというのは、
初対面の楽器奏者同士ががその場で適当に曲を決めて、いきなり人前で即興的に演奏することをいいます。
完全な一期一会。
同じメンバーで何度も練習を重ねるクラシック界の合奏曲と比べると全てが自由すぎ、とても自分ができるようになる気がしません。
でも、まさにジャズというのはこのジャムセッションが醍醐味と言われています。
今の私からは神業にしか見えませんが、ジャズの勉強を続けていればいつかできるようになっていくのでしょうか。
というか、できるようになりたい!と思うようになって来た自分を発見。
やっとアドリブもどきに慣れてきただけなのに、まだ1曲しか勉強していないのに、師匠の一言で舞い上がる自分が愛しい😅
とりあえずまた新たな目標ができました。
先は長いですが、自分のペースでゆっくりじっくり続けていこうと思っています。
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