ジャズピアノ初心者用教材おすすめ・クラシックピアノ経験者向け

相変わらずのたのた進む、この「ピアノの先生がジャズピアノに挑戦」しているカテゴリー。

前記事「ペンタトニック・スケールからC Jam Bluesへ」では、ついにアドリブらしきものに手が届きそうなところまでたどり着きました。

ペンタトニック・スケール練習からC Jam Bluesへ

 

ところで。

私がなぜいつまでたっても初心者のままジャズピアノが上達しないのか、ご興味はありませんか?

広告

ジャズピアノの楽譜を30冊購入してわかった、なかなか上達しないワケ

その前に、まずは上の写真をご覧下さい。

これ、ぜ〜んぶ私が買ったジャズピアノの楽譜教材なんです。

買いも買ったりざっと30冊

床に重ねると30cmありました。

 

1冊1000円としても全部で30000円?

1冊1500円とすると45000えん??

ひえ〜〜〜〜😱

 

「まあまあ。こんなに楽譜を用意して頑張ったんだから、さぞかし上達したのでは?」

ですと?

いやいやいやいや。

そんなわけないじゃありませんか。

 

ああでもない、こうでもないとページをめくってはちょこっと練習し、また楽譜売り場に行っては別の楽譜が気になって買い求める。

楽譜の数だけは増えて行きますが、練習内容は薄いままなので上達ははかばかしくない。

そうこうするうちにまた別の楽譜が気になり‥という、いわばノウハウコレクターならぬジャズピアノ楽譜コレクターになっていたのです。

 

これは、ピアノに限らず語学の勉強などでも一番やってはいけないパターンです。

上達したければ、どれか一つの教材に狙いをしぼり、何度も反復練習をして体に染み込ませるように習得するべきでした。

こんな基本的なことに気づくのに、私は2年半もかかってしまったのです。

どうりで、いつまで経っても初心者なワケですわ。

 

今更ですが結論を申し上げます。

ジャズピアノの楽譜をどれほど買い込んでも、練習しなければうまくはなりません。

本当にありがとうございました。(笑)

3年近い歳月と、50000円近い費用をかけてようやく上の結論に達した私は立派な人柱。😅

 

それでも、これだけ色々な教材を見てきていますと、なんとなく使いやすいものとそうでないものがわかってきます。

なにしろ、上の楽譜を全て自分で購入して実際に練習して試してみた私です。

 

以下、これは良書と私が思った楽譜教材をご紹介して参ります。

広告

ジャズに興味を持つクラシックピアノ経験者のための教材

国府弘子のエンジョイ・ジャズピアノ〜ジャズの魔法使い〜

著者 国府弘子

発売 株式会社ヤマハミュージックメディア

「この譜面集では、私がお薦めするジャズの名スタンダード曲を選んで、そのテーマ(メロディ)を素敵なサウンドで弾けるよう、いろいろな”ジャズの魔法”をかけています。」(著者)

ジャズピアニストであり作曲・編曲者でもある国府弘子氏が、ジャズに興味を持つピアノ愛好者のために出版した本書。

国府氏自身が国立音楽大学の出身ということもあってか、クラシックを中心に学んできた学習者を意識した編集になっています。

 

最初に、比較的易しくアレンジされたコード付き譜面によるスタンダード曲の紹介。

次の数ページでこの曲を題材に学ぶべきジャズの要素と解説。

それから重要なパートには複数の譜例が示されます。

最初のアレンジ譜→譜例1→譜例2、の順にジャズ度が増して、よりクールでジャジーな雰囲気に。

 

また、それぞれの曲にあった演奏のコツやジャズらしく弾くためのコツ、練習のやり方まで提案された親切設計。

集められた曲は、”C Jam Blues“、”Fly Me To The Moon“、”Blue Bossa“などの初心者の必須曲から、

Summer Time“、”On Green Dolphin Street” などのちょっとした憧れの曲まで網羅されています。

 

しかも難易度はホウキの数で示された分かりやすさ。

ホウキの数が増えるごとにジャズの魔法が深まるということですね。

 

また、著者独自の経験を記した楽しいコラムや、内外のオススメCDまで紹介してあって、これ1冊でジャズピアノの基本的な勉強ができるようになっています。

クラシックピアノの経験者がジャズピアノに興味を持った時、真っ先に手にとって頂きたいのが本書。

姉妹編

「国府弘子のもっとエンジョイ・ジャズピアノ」もオススメです。

 

決定版!ジャズ・ピアノ大全集 THE COMPLETE COLLECTED SONGS

編著・発行 ヤマハミュージックメディア

 

ジャズの名スタンダード曲ばかり51曲を集めた本書。

誰もが知っている「星に願いを」や「いつか王子様が」などのディズニー曲から、ジャズ愛好家のみぞ知る渋めの曲まで網羅されています。

解説も何もなく、ただひたすら譜面が並んでいるため、ジャズの「勉強」には向きません。

また、曲のアレンジはやや難しめ。

クラシックピアノの中級者くらいになっていないと厳しいかもしれません。

 

それでも本書をオススメしたい理由は3つ。

1、網羅性

とにかくこの中に入っている曲はジャズ学習者にとって知っておいた方が良いと思われる曲ばかり。

ジャズのコンサートステージやジャズ・バーなどで演奏される機会が多く、曲を知っていればより興味を持って聴くことができます。

 

2、テーマ(メロディ)部分の弾き方のヒント

初心者の私は、いつまで経ってもカッコよくテーマを弾くことができません。

が、この楽譜は音を重ねたり装飾音をつけたりしてテーマをカッコよく弾くためのヒントをくれます。

本書を参考にすれば、単調だったメロディがそれこそ魔法のようにサマになって聞こえるようになります。

 

3、アドリブ部分の編曲がわかりやすく、しかもカッコいい

ジャズのアドリブには、特有の音の並べ方があります。

通常はそれをフレーズ集などで12調に移調して練習するなどの手間がかかります。

過去記事「ジャズのアドリブがどうしてもできない件」をご参照下さい。↓

ジャズのアドリブがどうしてもできない件

 

本書では、一般的なジャズの常套句を使ったアドリブの例がコードと伴奏付きでバッチリ載せてあります

そうか、そういえば音をこういう風に並べるとカッコよく聴こえるよな〜という感じにわかりやすい音列ばかり。

手っ取り早く参考にするにはもってこい。

 

もちろん、このまま弾いているだけではジャズの力はつきません

それでも、ジャズの勉強において困ったときのお助け楽譜として重宝しています。

広告

ジャズ・ハノン、ジャズ・エチュードで土台作り

あきない!ハノン ジャズ、ポップスを弾くための☆ピアノトレーニング集


著者 宮前幸弘

発行 株式会社リットーミュージック

「あらためて、本家の『ハノン』はとても良くできたトレーニング・ブックだと言えます。しかしながら、書かれたのが19世紀と古いので、昨今のジャズやポピュラー音楽に則した作りになっていません。そこで、『そうした20世紀中盤以降の音楽に対応した、新しいハノンを作れないか?』というのが本書の試みです。」(「はじめに」より著者)

前半は、本家ハノンによく似たメカニカルな指のエクササイズ。

コードネームと進行が書いてあるところが本家と違います。

中盤も本家でお馴染みのスケール練習。

クラシック学習者が一度は通らねばならない例のアレです。

 

そして、60ページからはいよいよジャズ特有のアヴェイラブル・スケール(コード上でメロディーに使うことが可能な音を音階として表したもの・Wikipediaより)の紹介と練習

特に、65〜68ページの「『ツー・ファイブ・ワン』進行でさまざまなスケールに移行する練習」(練習方法について)

は、私にしては珍しく真面目に取り組んだ教材です。

 

ジャズの曲中に頻出するコード進行「ツー・ファイブ・ワン」。

本書では、どのスケールがどのように進行して解決するのかが一眼で分かるように図解され、具体的な練習方法まで示されています。

これほど目でみてわかりやすく解説してある教材は、ちょっと記憶にありません。

譜例もシンプルで、初心者にも取り組みやすく書かれています。

 

ただ、もしかすると人によっては「あきる」かも。(笑)

ゴリゴリと理屈抜きで訓練するのが苦にならない人に向いています。

ジャズ・ピアノ上達のための50のエチュード ジャズ・インヴェンション


著者 Bill Cunliffe

発行・発売 株式会社エー・ティー・エヌ

 

ゴリゴリ練習のさらに難易度の高いバージョンがこちら。

ハノンというよりエチュード。

インヴェンションという名前がついているのは、当然バッハのインヴェンションを意識しています。

「また、バッハの2声のインヴェンションにならい、右手で演奏されている多くのメロディは左手でも練習できるようになっています。〜中略〜作品が難しすぎると感じたら、メトロノームと一緒にゆっくりのテンポで片手ずつ練習しましょう。」(「はじめに」より著者)

はい、作品はとても難しいです。(笑)

そして何より、かなりシビアな移調練習が科されます。

この練習だけで頭が痺れそうになり、なおかつ左右どちらの手でも練習できるように編集されているため、まさに練習方法は無限大。

これ1冊やっておけば、かなり高度なジャズの技術が身につくのではないかと思われます。

 

‥そう、「思われます」としか申し上げられないのは、私が現在「インヴェンション10」あたりで止まっているからです。(泣)

移調が苦手な私。

少々課題を真面目に取り組みすぎたのかもと反省中。

 

コード進行や音の並びなど、移調以外にも学べる点はたくさんあります。

使われている音の響きはジャジーでカッコイイです。

やる気のあるクラシックピアノ中級者以上の方が、ジャズのエクササイズとして頑張って練習するなら是非オススメしたい本です。

‥また、チャレンジしてみようかな。

クラシックピアノ経験者向けのジャズピアノ初心者用教材を使う意義

「‥なんだか、どれもこれも難しいじゃありませんか。

ホントに初心者用の楽譜なの?」

 

はい。

この場合の初心者とは、あくまで「ジャズピアノの初心者」という意味で使っています。

私はクラシックピアノを専門に学び、音楽高校、音楽大学での計7年をピアノ漬けで過ごしました。

ピアノに関しては、とりあえず自分としてはこれ以上ないほどに深く学んだつもりです。

でもそんな私でも、ジャズピアノは初心者なのです。

 

クラシックピアノの経験者がジャズピアノに挑戦する時、一番のネックになるのは

「楽譜を見ないと弾けない」ことだと考えています。

以下の記事にその悩みについて書いています。↓

クラシックピアノの先生がジャズピアノに挑戦する話

 

そして、「楽譜を見ればそれなりに何かしら弾けてしまう」のもまた、混乱の原因に。

カッコよく聴こえるように書かれたジャズピアノソロ演奏用の楽譜は山ほど出版されているので、それらを弾いていればなんとなくジャズピアノが弾けているように錯覚してしまいそうです。

でもそれは、ジャズピアノとは違います。

なんとかして楽譜から自由にならねばならないのに、読譜力がかえってアダになっているかのよう。

 

私はこの状態を打破すべく、色々と試みてきました。

楽譜を30冊も買ったのもその表れです。

そこで得た結論は、

「ある程度の音数、ピアノ作品としての完成度、練習することでの達成感」が得られなければ、クラシック経験者のジャズピアノ学習は続かない

ということでした。

 

初心者なのだから、本来は地道にポツリポツリとコードとスケールの練習などをたくさんすべきなのだと思います。

いわゆる耳コピも、どんどんやるべきでしょう。

でも、それだけではやはりツラくなってくるのです。

 

傍にあるベートーヴェンやショパンの楽譜を開けば、すぐに彼らの豊潤な音の世界に戻ることができます。

かたや、自分で出せるアドリブの音たちの稚拙なことといったら。(当たり前)

何しろこのギャップを乗り越えなければジャズピアノの上達はあり得ません。

そして、挫折を避けるためには、「ある程度の音のボリュームを持つクラシック経験者用の楽譜を使い、音や特有のコード進行に慣れる」のが一つの選択肢となると考えるに至ったのです。

 

このやり方が本当に正しいかどうかはわかりません。

が、私と同じようにジャズに憧れるクラシックピアノ経験者にとって、一つの処方箋にはなると思っています。

 

まずは上のような楽譜を使ってたくさん弾いてみること。

その中から、自分で使えるものを徐々に取り入れて、自分のボキャブラリーを増やしていく。

耳コピや移調練習にこだわりすぎるとキツくなるので、できる範囲で取り組む。

そして、諦めずに長く続ける。

私なりに得た結論です。

 

私の失敗談が、同じようにジャズピアノに興味を持つピアノ学習者、あるいは指導者の方々の参考になれば幸いです。

それでこそ人柱になった甲斐もあろうというもの。

ジャズもまた長旅です。

ゆっくり進んでいこうではありませんか。

 

お読み頂いてありがとうございます。

 

ポチッと応援して頂けると嬉しいです//↓

にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ
にほんブログ村

広告