カシュガル・東西文明の十字路〜シルクロード 個人旅行 ②
カシュガルは、タクラマカン砂漠の西の端、天山山脈のふもとに位置するオアシス都市です。
古くから多くの民族の行き交うシルクロード貿易の要衝でした。
現在のカシュガル市は新疆ウイグル自治区第2の都市で、人口は約70万人。
住民の80%をウイグル族などの少数民族が占めています。
市の中心部の大きな交差点(十字路)を中心に発展してきました。
街の北部にはウイグル族が、南部には漢族が主に居住しています。
カシュガルの名前の由来は、諸説ありますが、「緑のタイルの街(場所=ガル)」という意味だとガイドさんは言っていました。
カシュガル観光の注意点
タクラマカン砂漠西端に位置するオアシス都市で、〜中略〜天山山脈の麓に位置し、標高は1200メートル。
砂漠気候に属する。
年間降水量は64㎜にしかならず、一年を通して非常に乾燥している。
夏季は暑く7月の平均最高気温は25.6℃、日中は30度を越す。
(ウィキペディアより)
調節できる服装、帽子と水分は必携です。
乾燥しているせいかマスクをしている人も一定数いました。
日本との時差は1時間ですが、これは北京の時間に合わせたもの。
実際の生活時間(ローカルタイム)は、北京時間から3時間遅れて動いています。
9月は朝8時でもまだ真っ暗。
夜は9時過ぎまで明るいです。
学校やオフィスのスタート時間は朝10時、帰りの通学ラッシュは18時ごろになります。
前記事、シルクロード 個人旅行・5000キロの彼方より ①〜西域の入り口・成都からカシュガル入りまで
でもお伝えした通り、治安は良いですが検問・ボディチェックが非常に多く、移動に時間がかかります。
また、外国人は全ての観光施設に入るためにパスポートが必要です。
そして、ホテルなどを除き、英語はほぼ通じません。
治安が良いとはいえやはり外国。
十分な注意が必要です。
カシュガルの見どころ5選とウイグル料理ランチ・トイレ事情
小さな街なので、タクシーで移動しつつ自分たちだけで観光することも考えましたが、言葉に不安があり、「VELTRA」で日本語ガイドツアーを手配しました。
1人955元×2=1910元(円換算約30200円)。
なかなかのお値段ですが、私たち専用のガイドさんと運転手さんの2人体制なので納得。
ガイドさんは日本語の上手なウイグル族の方でした。
1.カシュガル老城(ウイグル人居住区)
街の北東部にウイグル族の住む旧市街があり、「カシュガル老城」と呼ばれています。
入り口で荷物検査とボディチェック。
人が群がっていて、写真を撮るのも大変です。
やっと隙間を見つけてパチリ。
街中はこんな感じ。
エキゾチックで、これぞイスラムという趣。
ステキですよね〜😍
細い路地や、曲がりくねった小道などが無数にありました。
ガイドさんによると、街の建築物はこの旧市街がおこったときのままで、道だけは政府が拡げて生活しやすくしたのだそうです。
時間が朝早く、閉まっている店舗が多かったのはちょっと残念。
また写真には撮れませんでしたが、この街のウイグル族の女性たちはとってもおしゃれ。
朝からキラキラ光るビーズなどのついた薄い生地のドレスを着て、カッチリしたジャケットを着こなして颯爽と歩いています。
なぜかみんな判で押したように白いジャケットなのは不思議でした。
まるでテーマパークとそこで働くキャスト達のように美しい絵になっていました。
2.エイティガル寺院
黄色いタイルの美しいエイティガル寺院。
アイキャッチの写真の建物です。
市の中心にある新疆最大のイスラム教モスク。
1422年に創建され、以後改修を重ねて現在の姿になりました。
1日に5回の礼拝があり、その間は観光客は入れません。
外国人の入場にはパスポートが必要です。
登録をしなければならないため、入場するにも一定の時間がかかります。
建物の内部。靴を脱いで入ります。
絨毯が隙間なく敷き詰められています。
ここでお祈りをするのでしょうか。
なお写真撮影は許可されていますがフラッシュは禁止。
宗教施設なので静かに見学させて頂くのが良さそうです。
中庭。
中央の高いところで「イマーム(導師)」が集団礼拝を指導します。
ほぼ同じ造りの広場がもう1箇所ありました。
3.カシュガル職人街と「百年老茶館」
エイティガル寺院のすぐ近くにカシュガル職人街があります。
昔、モスクにお参りに来た人々の多くが帽子を求めたため、職人街の入り口には帽子屋さんが並んでいるのだとのガイドさんの解説。
歩くうちに靴や衣料品、果物、野菜などがぎっしり並んだバザールのような趣に。
老城よりも雑多な感じで生活感があります。
元々はブリキ細工が盛んで、今でも盛大な音を立ててヤカンや鍋などを作る職人さん達の姿を見ることができます。
ガイドさんの案内で、百年老茶館という有名な茶店でお茶することができました。
外観はこれ。知っていないとやや入りづらいかも。
風流な弦楽器。
ラバプというそうです。
演奏が始まるのを待っていましたが時間切れで撤退。残念。
なお、この百年老茶館に観光客が使えるお手洗いはありません。
職人街でランチ・典型的なウイグル料理とは
ランチは当然ウイグル料理を希望。
職人街の中にあるこちらのお店に案内されました。
高級ではないけれど、着席してゆっくり食事ができる、日本人にも安心できるレストランでした。
まずはヨーグルトとラグメン。
ラグメンはうどんに似ています。
それほど辛くありません。
ポロといいます。羊の肉を使ったチャーハン。
ライスはココナッツミルクのような香りがします。
ケバブとスイカで締め。
現地のお客さんも多かったですが、味付けが日本人好みな気がします。
カシュガル職人街・とある劇場のトイレ事情
この後、中心部にある小さな劇場でウイグルダンスを観てから有名な香妃墓へ。
ところでこの劇場、なんという名前か忘れましたが、パフォーマンスはともかくトイレは私の人生での中で最悪でした。
・泣きたくなるほどキタナい
・当然紙がない
・荷物をかけるフックもない
・4つ全ての個室の鍵が壊れており、うち2つはドアそのものがはずれていた!
‥‥‥どうしろと。(呆)
早くも今回の旅行中最大の難所が。
かろうじてドアの機能している個室に入り、色々工夫しつつ働かない頭も使ってなんとか乗り切りました。
中国西域では、お手洗いの利用すらも身体能力と脳みそをフル回転させる必要があるのです。
ボケ防止にはとても効果がありそうです。
4.香妃墓
キレイでないお話になってしまったので、お口直しに香妃墓の写真を。
正式名称は「アバク・ホージャ墓」。
16世紀末のイスラム教の指導者アバク・ホージャとその家族の墓です。
香妃というのは清代皇帝の妃でウイグル人。
実際にここに埋葬されたのは彼女の衣類だけとも。
なんという美しさ。
まさに「緑のタイルの場所」、カシュガルにふさわしい建物といえるでしょう。
それにしても、これほどの素晴らしい建造物を創り出すことのできるイスラム教徒の皆さんが、
何故トイレにはあれほど無関心なのか??
どなたかに解説して頂きたいくらいです。
5.ユスフ・ハズ・ジャジェブ墓(超オススメ)
ここにはツアーでなく個人で行きました。
街の南東部、ラディソンブル からは徒歩20分ほどの場所にあります。
ユスフ・ハズ・ジャジェブは11世紀のウイグル人。
世界で初めてアラビア文字を用いてトルコ語の書物を著したことで有名になったそうです。
カシュガル市第十二小学校の敷地内にあり、普段入り口は閉まっているため、守衛の人に開けてもらう必要があります。
入場料は1人30元。当然パスポートが必要。
ここがオススメな理由は、何といっても人が少ないこと。
エイティガル寺院や香妃墓と違って写真は撮り放題。
荘厳な建物の素晴らしさを満喫することができます。
ブルーのタイルの外壁に、どこまでも続いているかのような回廊。
神秘的な雰囲気を感じます。
ラディソンブル カシュガルはサービスの割にやや割高
宿泊したホテル、ラディソンブル カシュガルについて簡単にレポします。
15階建ての、マッチ箱(死語)のような特徴的な形をした建物で、五つ星。
カシュガルでは唯一?の欧米系ホテルで、比較的英語は通じます。
入り口には検問があり、宿泊客を守ってくれていますが、ここのおまわりさん達はかなり無愛想でコワイ感じ。
出入りの度になんだか緊張しました。😅
ビジネスルームを予約していましたがラウンジが閉鎖されていたため、代わりに1階ロビーラウンジでハッピーアワーのサービスがありました。
が、たまたま英語の全くわからない従業員の当番だったようで、注文がなかなか理解してもらえずに難儀しました。
片言の中国語も通じず。
発音がまずかったのかな?
ただそれにしても、一応五つ星とされる欧米系ホテルの従業員なのだから、基本的な飲み物の名前くらい英語でやりとりできると良いのですが。
ただ部屋は清潔でエアコンの効きも良く快適。
タオルやアメニティも過不足なく補充され、このあたりはさすがラディソン系と思わせてくれました。
朝食はごく普通にビュッフェ。
野菜料理もオムレツサービスもあります。
ただし、コーヒーマシン2台のうちどちらか1台が必ず機能していませんでした。
宿泊料は2019年9月現在、大人2名2泊朝食付きで日本円換算47716円ナリ。
1泊だと23858円に。
‥‥う〜む。
成都のホテル(同条件で1泊11000円ほど)と比べると、割高な印象は否めません。
この料金設定とサービス内容で五つ星をうたうならもう少し頑張って頂きたいと思いました。
カシュガルでは、他にも濃い体験やユル失敗談がありました。
そのうちまとめられたらと思っています。
さて、明日4日目は天山山脈を超えてウルムチへ向かいます。
しっかりレポしていきたいと思います。
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