教会の鐘/ギロック(こどものためのアルバム)の難易度は?演奏のポイントと弾き方を解説
「教会の鐘/ギロック」(『こどものためのアルバム』収録)のピアノ演奏のコツやおすすめの弾き方について解説します。
この記事でわかることは以下の通り。
- ギロック作曲「教会の鐘」の特徴
- 難易度レベル
- 演奏のポイント
- 弾き方
「教会の鐘」は鐘の音が周囲に響き渡る様子を表現したピアノ作品。発表会で演奏されることも多く、大人の学習者にもおすすめです。
本記事では、どうすれば「教会の鐘」をより効果的かつ魅力的に演奏できるか、その特徴と弾き方をご案内します!
ギロック「こどものためのアルバム」についての記事はこちら
「こどものためのアルバム/ギロック」の難易度は?初級〜中級者のピアノ発表会におすすめ!
目次
「教会の鐘/ギロック」 とは
概要と特徴
- 曲名:教会の鐘(Mission Bells)
- 作曲者:ギロック(W.Gillock/1917-1993)
- 収録:こどものためのアルバム
- 出版社:全音楽譜出版社
- 演奏時間:約2分
「教会の鐘」は、ギロックのピアノ作品集『こどものためのアルバム』の第12曲。
タイトルの通り教会の鐘の音が一定のリズムのもと様々に響き合う様子を音で描きだしています。
祈りの曲であり華やかさはありませんが、響きにボリューム感があり聴き映えするため、発表会曲としておすすめ。
ペダリングの練習にはとても良い教材となるでしょう。
難易度
「教会の鐘」の難易度は、初級の終わりから初中級に入ったあたり。
いわゆる「ブルグミュラー25の練習曲」前半くらいのレベルです。
ダンパーペダル必須で音域が広く聴き映えがする割にテンポが遅め。なので素早い指の動きや闊達なテクニックは必要ないという素敵な曲。
幼児や小学校低学年でも弾くことはできますが、祈りの曲に特有の敬虔な雰囲気を伝えるには3年生以上になってから取り組む方が良いでしょう
特に大人のピアノ学習者の方におすすめします。
「教会の鐘/ギロック」の演奏のポイント

ヨーロッパの各都市では、街の中心部に大きな教会があることが多いものです。
パリやケルンのような大都市だけでなく、田舎の小さな町や村でも必ずと言って良いほど教会があり、日曜日ごとに人が集まってきます。
「教会の鐘/ギロック」は、まさにそんな石造りの街並みに教会の鐘の音が荘厳に響き渡る様子を描いた作品。
敬虔な「祈り」の曲であり、これはピアノ曲として鉄板のテーマでもあります。
鐘の音をピアノで表現するためには、芯のある硬質な音色で、空間の広がりを感じられるように演奏したいところ。
また教会の鐘の音は時計がわりに時刻を知らせるためのものです。よってこのタイプの曲では「気持ちをこめて」「歌って」弾く必要はありません。
むしろテンポを揺らしたり大げさな表現などは控えて、規則正しく正確に聞こえるように弾くのが一番のポイントです。
「教会の鐘/ギロック」の弾き方

- ハ長調・6/8拍子
- Moderately(中庸に)
- A-B-A-Coda
ゆったりとした6/8拍子。ModeratelyはModeratoと同じ。速くもなく遅くもなく、穏やかに寄り添うように。
イントロ無しのA(a-a’)-B-A(a-a’)、最後に8小節のコーダというわかりやすい構成です。
Aパート
「chime effect in L.H.」とあるように左手の付点二分音符がメロディであり鐘の音を表します。
芯のある音が欲しいので、一音一音アクセントを付けて③の指で確実に打鍵。この時強く弾きすぎないように、かつ弱々しくならないように。
その左手の豊かな響きの中から、右手の分散和音が溶け込むにように聴こえるのが理想です。
左手は4小節が一つのフレーズ。
右手は1小節ずつスラーがかかっていますが、ブツ切りな印象にならないようペダルは2小節で踏み替えるよう指示があります。
‥んが、ベッタリ2小節踏みっぱなしだと音が濁るのですよね‥( ´∀`)
もし余裕があれば、1小節ごとに薄く踏み替えると濁りのない、それでいて微妙な響きを得ることができます。
Aパートの終わりは手の交差を伴うアルペジオ。左手の音一つひとつにアクセントをつけてハ長調のままいったん終止します。
休符をしっかりと感じて余韻を残しましょう。
Bパート
調性が変わりイ短調に転調。右手のトリルの動きの中、鐘の音は高く低く鳴り響きつつ高揚していきます。
ここで気をつけたいのは音が高くなるにつれてテンポが上がってしまいがちなこと。何やら慌ただしい雰囲気になってしまいます(笑)
そうならないためには八分休符をしっかりと取って、2小節ずつのフレーズを等速で刻んでいくのがコツ。
右手はレガートでクレシェンド、デクレシェンドを表現します。このパートのペダルは、2小節ずつしっかりと踏んでしまって大丈夫。
左手の和音は音をそろえて同じ響きに聴こえるように弾きましょう。
身体をしっかり使って全ての鐘の音にアクセントを付けて音を徐々に高いところへ引き上げるようなつもりで。
あちこちから鐘の音が重奏的に響き渡るように聴こえると素敵です。
コーダ
1オクターブ上のポジションでAに戻り、全ての音を高らかに響かせたのち元のポジションへ。コーダに向かいます。
この曲のコーダは全てin tempoで弾きます。ついついrit.したくなると思いますがグッとガマン。何しろ無機質な鐘の音なのですから。
一番最後の低いCの音に向かって、よどみなく流れ落ちるように弾くと良いでしょう。
なお楽譜にフェルマータの指示はありませんが、最後の小節だけペダルで長く音を保持して鐘の音が減衰し消えていく演出をするのはアリ。
というかむしろ推奨します。その方がいかにも鐘らしくて素敵ですから (^_−)−☆
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「教会の鐘/ギロック」まとめ

ギロック作曲『こどものためのアルバム』収録「教会の鐘」についてお伝えしました。
海外旅行でヨーロッパを訪れると、古い街では必ずといってよいほど教会を見かけます。
教会というものは、祈りの場であると同時に地域の人々の憩いの場であり拠り所ともいえるものなのでしょう。
なので「鐘の音」を表現したピアノ曲は多いもの。実はあの有名な「ラ・カンパネラ」も鐘の音を表した曲なのです。
「教会の鐘/ギロック」は、そんなピアノ曲として鉄板のテーマを扱った曲であり「ラ・カンパネラ」へと繋がる道の入り口ともいえる作品。
ぜひ人前での演奏にチャレンジしてみて下さいね。
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