インヴェンション第4番の演奏のポイントは?おすすめの弾き方について解説【J.S.バッハ】
J.S.バッハ「インヴェンション」第4番の演奏のコツやおすすめの弾き方について解説します。
この記事でわかることは以下の通り。
- インヴェンション第4番の概要
- 演奏のポイント
- おすすめの弾き方
- 版による微妙な違い
一般的なピアノ学習者にとって無理のないテンポと弾き方、装飾音の入れ方などは、プロのピアニストの演奏とは違うハズ。
本記事の内容を、インヴェンションを学ぶ際のひとつの提案ととらえていただければ幸いです。
【J.S.バッハ】インヴェンションとは?難しい理由|必ず弾くべきor弾かなくて良い?その判定方法
目次
インヴェンション第4番とは
概要
- 曲名:インヴェンション第4番 BWV 775(Inventio 4.)
- 拍子:3/8
- 小節数:53小節
- 調性の変化:ニ短調→ヘ長調→イ短調→ニ短調
インヴェンション第4番は、活気のある舞曲的性格を持っています。
全15曲の中では演奏が比較的容易で、1番より先にこちらを練習させる指導者も珍しくありません。
インヴェンションの練習順序についてのおすすめはこちらの記事からどうぞ↓
2声のインヴェンション 曲ごとの難易度は?全曲の練習順序と取り組み方のコツ
演奏のコツ
かなり速いテンポで弾く演奏者が多いですが、学習者としてはあまりに速すぎると忙しない印象に。長いトリルもうまく入りにくくなります。
推奨テンポは、全音楽譜出版社『J.S.バッハ インヴェンション』解説者・市田儀一郎先生の提案通り八分音符=140前後がおすすめ。
動きをもって快活に弾きましょう。
楽譜
インヴェンションの楽譜は各社から出ていますが、当ブログでは全音楽譜出版社の市田義一郎氏解説のものをおすすめしています。
インヴェンンションのおすすめ楽譜についての記事はこちら↓
バッハ インヴェンションの楽譜はどれがおすすめ?5冊を厳選!特徴と選び方を解説/一般学習者向け
また比較対象として以下の版を参考にしています。
- バッハインヴェンション 分析と演奏の手引き(ハンナ社)
- バッハ・インヴェンションとシンフォニア(カワイ出版)
- バッハ インヴェンションとシンフォニア 高木幸三校訂・解説(全音楽譜出版社)
インヴェンション第4番の弾き方
インヴェンション第4番は大きく3つのパートに分けられます。
第1提示部(1〜17小節)
右手1拍目から始まる、冒頭2小節の16分音符がテーマ。はっきりとしたfの音色、弾き方で快活に。
16分音符はレガートで、8分音符はスタッカート気味に切って演奏すると両声部のバランスが取れます。
12、14小節1拍目の八分音符はフレーズの終わりなのでていねいに。
15小節2拍目のトリルはハンナ版、高木版には入っていませんが推奨。弱拍なので目立たないように入れると綺麗です。
16、17小節はハンナ版ではヘミオラとされていますが市田版では特に記載なし。
ただヘ長調に転調するので、しっかりとカデンツを意識して弾きます。
第2提示部(18〜37小節)
このパートでの問題は、19、29小節に現れる、複数の小節にまたがる長いトリルをどう弾くか。
市田版、高木版、カワイ出版では16分音符一つひとつに2音ずつ入れる弾き方を推奨していますが、この曲テンポが速めなのでちと厳しいはず。
そこでハンナ版の弾き方を推奨。16分音符×2、すなわち1拍に3音ずつ弾くやり方で、上の動画もこの弾き方で演奏しています。
この場合、トリルの終わり(21、33小節3拍目)には4音入れて次の小節の1拍目にタイで繋げます。
もちろん全体のテンポを落とし、頑張って2音ずつ入れるのもアリ。
あるいは、トリルのせいで演奏がぎこちなくなるなら数を減らしたり短いトリルに簡略化するのも一つの手です。
36、37小節はヘミオラ。イ短調に解決する強固なカデンツです。fにて、しっかりと段落の終結を表現しましょう。
第3提示部(38〜53小節)
38〜43小節までは、主題を使って様々な調に働きかけるかのようなパート。調性の変化を聴きながらmpで丁寧に弾くときれい。
44小節から、主題が主調であるニ短調に戻ってきます。左右ではっきりとそれを宣言。
48小節2拍目は、装飾音符の付いている版とない版があります。華やかにしたいので付けるのを推奨。
50、51小節はハンナ版ではヘミオラの指定あり。市田版にはありませんが最後なのでそれを意識した方が良いと思います。
51小節のトリルは、高木版には無し、カワイ出版とハンナ版には2拍目、市田版では3拍目に付いています。
動画では市田版に従って弾きました。ココは好きに変えて弾いても良いのでは‥
ちなみにラスト2小節、ハンナ版ではpocp rit.(徐々にゆっくり)、高木版ではわざわざnon rall.(遅くしない)と真逆の指示がσ(^_^;)
要は、やはり好みで良いということですね。フェルマータは共通なのでしっかり伸ばして終わりを表現。
緊張感をもって締めくくります。
インヴェンション第4番 まとめ
バッハインヴェンション第4番の概要と演奏のポイント、おすすめの弾き方を、パートごとに分けて具体的にお伝えしました。
インヴェンションの演奏の仕方については、実際のところ多くの先生方のおっしゃっていることが一致していません。
弾き方も解釈の仕方も諸説あり過ぎて、正直どうすれば良いのか途方に暮れる人も多いのが現状。
従って本記事でご案内したことは、読む人によっては必ずしも正しいとは感じられないかもしれません。
「私が習ったことと違う」「ココはむしろこう弾くべきなのでは?」「主題だけでなくこっちも大切なのでは?」など、色々なご意見があることでしょう。
本記事では、一般的なピアノ学習者の方々を念頭に、インヴェンションを演奏する際に弾きやすいテンポや装飾音の入れ方などをご案内する ことに留意。
少しでもわかりやすいと感じられるよう、特に大切と思われることだけに的を絞ってご案内することにしました。
本記事によって、少しでも多くの方がバッハのインヴェンション に親しむことができたなら、とても嬉しいです。
インヴェンション第1番の弾き方は?こちらからどうぞ↓
【J.S.バッハ】インヴェンション第1番の演奏のコツは?おすすめの弾き方を解説|版ごとの比較も
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