ピアノは子供にとって無駄な習い事?Yes or No それぞれの理由と無駄にしないための3つのポイント
近年、子供の習い事としての「ピアノ」の地位が低下しているようです。
「無駄だった習い事」の上位には必ずピアノがあげられるだけでなく、企業のアンケートなどでも習い事としての地位が揺らいでいる模様。
小学校の学習指導要領に「ダンス」「プログラミング」が必修化され、親子の興味がそちらへ移った影響もありそうです。
確かに実感として、ピアノは景気が悪くなると真っ先に切られる習い事ではあります(笑)。
習うのにお金や時間がかかる割には実生活で役立つことが少なく思えるため、「ピアノは無駄」という評価につながっているようです。
ピアノを教える者としてはかなり残念。なんとかしなければ(`・∀・´)
そこで本項では、「ピアノは無駄な習い事」と考える声と「無駄ではない」と感じる人々の声を両方併記。
そして、ピアノが無駄にならないためにはどうすべきかしっかり考えてみることにしました。
お子さんにピアノを習わせようかどうしようかと迷っているあなたのお役に立てれば幸いです。
目次
「ピアノは無駄」と考える理由
各種アンケートやYahoo知恵袋、「発言小町」などのネット上で拾った「ピアノは無駄」と考える人々の声を集めてみました。
「ピアノは無駄」と考える理由としては、「お金がかかる」「練習が大変」「学校の成績に直接影響しないし」などなど、理由は様々。
探してみると出るわ出るわ(;´д`)。次のような意見が見られました。
「ピアニストになるような才能の持ち主なら良いけれど、そうでないなら不要では」
「お金と時間がかかる割に得られるものが少ない気がする」
「母である自分も習っていたがさっぱり上達しなかった。お金と時間の無駄だった」
「頭が良くなるとかいうけれど、学校の成績が上がるワケじゃないし受験にも役立たない」
「ピアノにかかるお金で投資でもした方がマシ」
「ウチの子は習わなくても両手で弾けるように。習っている子のママたちも驚くほど。わざわざお金かけて習う必要なし」
「練習を続けさせるのが大変すぎる。親子でバトルになる時間が無駄」
「ピアノは無駄」と考える人の意見をまとめると次のようになります。
- 学校の勉強や将来の役に立たない
- 苦労ばかりでなかなか上達しない
- お金や時間、労力を別のことに回した方が有益
ほぼこの3点に集約される印象。
特に「苦労して弾けるようになったからといって実生活の役には立たない」と考えている人が以前より増えているようです。
そうそうそこなのよ、とうなずく人も多いのではないでしょうか。
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「ピアノは無駄ではない」と考える理由
それでは、次に「ピアノは無駄な習い事ではない」「子供にとって有益」と考える人々の声を集めてみましょう。
「楽譜を見ながら弾くことによって脳の同時処理能力が養われる」
「集中力・記憶力を鍛えるのに有効らしい」
「音楽のペーパーテストでラクに良い点が取れる」
「うまくいけば一生の趣味・特技を手に入れることができる」
「合唱の伴奏者など晴れがましい舞台に立てることも」
「ピアノのような難しい楽器を弾けることで自信につながる」
「ピアノが弾けたらとにかくカッコいいし一生の財産と思う」
「コツコツと努力を続けるのが大切という感覚が養われる」
「注意を受けながらひとつひとつ曲を仕上げることで克己心が養われる」
まとめると次のようになります。
- ピアノを演奏することで脳に一定の負荷をかけ、集中力などを鍛えることができる
- 豊かな趣味・特技として一生の財産になり得る
- 地道な練習を続けることで克己心が養われる
「ピアノは無駄どころか有益」と考える保護者の意見には一定の法則があるようです。
それは、「学校の成績」や「内申書・入試に有利」などのような直接的なプラス面よりも、やや抽象的なメリットと子供の内面的な成長を願う傾向。
「集中力」「記憶力」「努力」「克己心」などはその代表です。
もちろん「ピアノが弾けると単にカッコ良い」「モテそう」などの意見も健在。
何よりも、「決して学校では習わないピアノという楽器を自在に操ることで自己肯定感が高まる」との意見には、なるほどと膝を打つものがありました。
ピアノを「無駄な習い事」にしないために
せっかく縁あって習い(習わせ)始めるピアノ。
無駄にならないために、どういった点に気を付けたら良いでしょうか。
私は、以下のように考えます。
- 毎日短時間で良いので必ずピアノの練習をする(させる)
- すぐに結果を求めない
- 音楽のテストでの好成績など、小さな成功体験を積み重ねる
1. 毎日必ず練習を
せっかく習い始めたピアノを無駄にしないためには練習するしかありません。
こればかりは避けて通れませんので、ここは踏ん張りどころです。
学校などから帰ってすぐ、手洗いとうがいを済ませたら即・練習するのが一番抵抗感が少ないようです。
テレビ視聴やスマホいじりが始まってしまうと、かえって練習に立ち上がるのが億劫に。
まずは習慣づけと割り切って短時間の練習を続けてみて下さい。
こちらの記事に詳しいです↓
お子さんがピアノの練習をしない時・できない時〜1日30分の練習でも上達する方法〜
2. すぐに結果を求めない
結果というのは、例えば「有名な曲が弾けるようになった」とか「テキストの進度がお友達より速い」などのような実に見える「成果」です。
ピアノの月謝というものは必ずしもお安くはありませんので、お子さんが音数の少ない地味な曲をいつまでもポツポツと弾いていると不安になるお母さんは多いようです。
そして「ウチの子いつまでも上手くならないわね」「もしかして才能ないんじゃ‥」「ピアノ習わせたのは無駄だったのかしら」という負のスパイラル思考に。
ピアノは時間のかかる習い事です。
そして、ある日突然飛躍的に伸びる子はいくらでもいます。
その時期がいつなのかは誰にもわかりません。気長に様子を見ましょう。
3. 成功体験を積み重ねる
例えば「学校の合唱コンクールの伴奏者に選ばれた」なら、それはお子さんにとって一世一代の晴れ舞台。
気合とともにピアノに向かう甲斐もあるというもの。
でも、そんな大舞台でなくとも、ピアノを習っていることで得られる成功体験はいくらでもあります。
学校の音楽のテストは良い例。
特に勉強しなくとも、きちんと楽典を教えて下さる先生のもとでピアノを習っていれば、ラクに高得点が取れるはずです。
また、お教室の発表会で普段より難しい曲を弾き切った、大好きな曲をみんなの前で演奏することができた、なども立派な成功体験。
このような、ピアノを習っていなければ決して得られなかった成功体験を、少しずつ積み上げていってみて下さい。
きっと、お子さんの自信、自己肯定感につながっていくはずです。
これこそがピアノの効果であり、「ピアノを習うことは決して無駄にならない」ことの証明なのです。
まとめ
以下、本項をまとめてみました。
- 「ピアノは子供にとって無駄」と考える保護者はピアノに直接的な利益を求める傾向
- 「ピアノは子供にとって無駄にならない」と考える保護者はピアノによる内面的な成長を求める傾向
- ピアノを無駄な習い事にしないためのポイントは3つ
- 「毎日の練習」「すぐに結果を求めない」「成功体験を積み重ねる」
ピアノは、演奏の容易な楽器ではありません。
そもそも、誰にでも簡単に弾ける楽器であるなら、「ピアノの先生」などという職業は存在しません(笑)。
「ピアノが弾ける」ようになるためには、毎日のたゆまぬ努力と長い時間が必要。
それだけの対価を支払って手に入れたピアノの演奏能力は、確かに学校の成績や日常生活の役には立ちません。
テストの点数や入試の合否、お金が儲かるかどうか、そういった直接的な利益とは無縁なところにこの楽器の魅力はあるのです。
「ピアノが弾けるとカッコいい」「ピアノは趣味として胸を張れるもの」という感覚は、多かれ少なかれ日本のように豊かな国では一般的なものです。
そういった意味で「ピアノを弾けることは一種のステイタス」と考えることもできますね。手前ミソですが(*^▽^*)
ピアノがあなたのお子さんにとって無駄な習い事かどうか。
それは、誰にもわかりません。
でも、何事もやってみなければ始まらないもの。
もしもお子さんがピアノを習うことを望んでいるなら、ぜひその願いをかなえて頂けたらと思います。
この記事を契機にピアノを学ぶ仲間が増えたなら、とても嬉しいです。
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