ピアノをやめる時・その伝え方
突然ですが、あなたはピアノを辞めたいと思ったことがありますか?
また、あなたのお子さんがピアノを辞めたいという意思表示をしたことはありますか?
8月13日アップの記事、「ピアノの先生を変えたいとき」でお伝えした通り、ピアノは普通の習い事とは違い、1人の先生に一対一で教えて頂く形をとることが多いもの。
こちらの記事では、グループレッスンのフラや水泳とは違い、ピアノは辞め方に少々気遣いが必要というお話をしました。
特に年齢の低い生徒さんは、お住いの場所から徒歩圏の先生に師事しているケースが多いと思われます。
師弟関係を解消した後も、ご近所でお会いする可能性が高いわけです。
もちろんご近所でなくても、お互いに後味のよろしくない辞め方はできれば避けたいもの。
「失礼のないようにピアノ教室を退会する」というトピックは、yahoo!知恵袋でもたびたび話題にのぼる、ピアノに関する困りごとのひとつ。
今回は、ピアノ教室を辞める時、先生をなるべく傷つけずに退会を申し出るための「伝え方」を、ピアノ教師である私が詳しくお話していきたいと思います。
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目次
ピアノ教室を退会する時の「適切な」伝え方の手順
私の考える、もっともていねいかつ無難と思われるやり方を解説します。
まずはメールでていねいに退会の意思表示を
まずはお教室のレッスン規定を読んで、適切な時期に退会を申し出ます。
ただ、この「適切な時期」というのがなかなか難しい。
教室によって規定が違いますので、先生に確認できると良いのですが少々聞きにくいかもしれません。
大手の音楽教室などは口座引き落としのケースが多いと思われますので早め(前月の○日までなど)と思われます。
個人のお教室でそこまでの設定がない場合は、私の感覚ではその月の初め(〜5日)くらいまでにお伝え下さると助かります。
「心の準備」の他に、あと数回のレッスンをなるべく有意義なものとして終わらせてあげたいという理由と、その次の月の空いた時間枠に別の生徒さんを入れたりできるという教える側の理由によるものです。
お申し出の方法はメールで良いと思います。
電話をするとなると、レッスン中やお出かけ直前だったりなど、かえってご迷惑になることも考えられるからです。
lineだと少々軽くなりますが、今はメールのやり取りをほとんどしない方もいらっしゃいますのでそれは適宜で良いと考えます。
そして、生徒さんが未成年の場合は、必ず保護者の方が最初に退会の意向を伝えるようにしましょう。
順序を間違えて、先に生徒さんご本人が「辞めます」と伝えてくるのはかなり残念な印象になってしまいます。
お月謝を払って下さっている保護者の方からの意思表示が大原則です。
理由を聞かれたら・無難な言い訳を想定しておく
退会の申し出をすると、多くの場合理由を尋ねられることでしょう。
そして、これはあまり正直にお伝えしないほうが良いケースが多いです。
「ピアノの練習が面倒になった」「他の習い事の方が魅力的に感じる」「勉強の方が大切だし」などと本当の事をいってしまうと、指導者にとってダメージが大きいです(笑)。
当たり障りのない文言としては、
・成績が落ちたため塾に行くことになった
・他の習い事の時間が変わった
・部活動で選手に選ばれた
などがよくあるパターンです。
大人の方なら、
・仕事の都合
・介護の発生
・家族の体調不良など
が使えます。(ジャズピアノの教室を変えた時の私もそうでした😅)
もちろん、言われた先生はちゃんとお察しだと思います。
でも大人なのですから優しい嘘も必要かと。
この時、理由を複数用意しておくと安心です。
「時間が合わない?ならこの日はいかがですか?」などの妥協案が提示されるケースがあるからです。
小・中学生の場合は最後のレッスンの時に直接お会いしてご挨拶を
そして、中学生以下の生徒さんなら保護者の方が最後のレッスンの時にご挨拶にいらっしゃるのが最善です。
特に小学生以下の生徒さんであれば、お忙しいとは思いますがぜひいらして頂きたいと感じます。
ご両親がお仕事でお忙しい場合は、お父様やお母様でなくても、おばあちゃまなどご親戚の方でも心は伝わります。
「中学生にもなっていれば保護者の挨拶は必要ないのでは?」という考え方もあるにはあります。
それでも保護者が感じているより、中学生というのは大人っぽく見える子でもやはりまだ幼いものです。
今までのレッスンを総括したり、これからの成長について話し合ったりなどはまだ難しいです。
最後はやはり、そういったまとめ話などをしたいと思う先生は多いです。
「最後のレッスンでの保護者同伴」、お忙しいとは思いますが、ぜひご検討下さいませ。
お礼の品をどうするか?
その際、「何かお礼のお品をお持ちした方が?」とのご質問が出てくると思います。
私の感覚では「どちらでも良い」感じがします。
もちろんお菓子折りなどお持ち下さる保護者様は多いですが、お持ちでないからといって印象が良くない、などということはありません。
わざわざご挨拶に来て下さっただけで十分です。
それよりも、一番嬉しいのは、生徒さんご本人の書いた絵や文章、発表会の思い出などを綴ってくれたカードなどです。
我が家の玄関にはそういった絵やカードが飾ってあり、私の宝物になっています。
ただ、生徒さんが中学生以上になると恥ずかしくなってきて難しいかもしれませんね。
その場合は手紙などはどうでしょう。
いつまでも残る、素敵なプレゼントになることでしょう。
ピアノを辞める時・伝え方のまとめ
私はいわゆる「街のピアノの先生」でありまして、生徒さんたちは趣味としてピアノを習っている方がほとんどです。
そして、習い事は趣味であり、様々な理由でいずれは辞めなければならなくなる時が来るものです。
ピアノ教師としては残念な事ではありますが、一方で、私自身も始めた習い事の教室を色々な事情で退会しています。
なので、様々な事情でお教室を退会しようとする生徒さんや保護者の方々のお気持ちもまた、よく理解できるのです。
以下、「正しいピアノ教室の退会の仕方」をまとめてみましょう。
① 教室の規定に沿った適切な時期にお月謝を払っている方が最初に退会の意思表示をする
② 退会する無難な理由を複数用意しておく
③ 生徒さんが中学生以下の場合は、最後のレッスンに保護者が同伴する
④ 生徒さんご本人からのお礼の手紙・カードなどがあるとベスト
このように段階を踏んで頂ければ、私の場合は、今まで教室に通って下さったお礼を申し上げ、これまでのご本人の歩みを振り返り、今後の成長をお祈りしつつ気持ちよくお別れすることができます。
なお、ここに書き記したのはあくまでも私の経験と、そこからくる個人的な感覚です。
あくまでも「こうしておけば無難かな」と思われる伝え方であり、絶対的なものではありません。
「ピアノの先生」と一口にいっても、実に色々な方がいらっしゃるからです。
考えてみれば、学生時代の友人たち、仲間たちは、高い確率で「ピアノの先生」になっているわけです。
中には随分と変わった人もいました(笑)。
もちろん若い頃とは違って円熟し、優れた指導者になった人も多くいることと思います。
あるいは昔のまま感情の起伏の激しい方も。
ご自分の先生がどのタイプか、などはわかりませんよね。
だから、「失礼のないような退会の仕方、伝え方」に気をつけてさえいれば良いのではと思います。
「‥なんだかメンドくさいなあ。辞めるのになんでそこまで気を遣わないとならないの?」
「お金を払っているのは生徒の側だよね。どんな辞め方をしようと自由じゃないかなあ」
などとお考えの生徒さん・保護者様がいらしても不思議はありません。むしろ当然かも。
そのようなお考えをお持ちの場合は、最初から大手の音楽教室やカルチャーセンターのピアノ講座などに通われるのが良いと思います。
よくも悪くもビジネスライクに、先生を変えるのも、教室を辞めるのも、気兼ねなく自由に振る舞うことができるでしょう。
考えてみれば、ピアノの個人レッスンとは習い事としてはかなり独特です。
何しろ、ご両親や親戚の方を除けば、もっとも長い間、1人のお子さんの成長を見守り続ける事になるのです。
学校の先生は長くても最大限で6年間。(例外あり?)
ピアノ教師は、足掛け10年はザラです。
6〜7歳で入会したお子さんが、18歳の若者に育って大学に進学し、ピアノを「卒業」していくのを見る時、本当にこの仕事をしていて良かったと感じます。
ピアノは習い事。
いずれ辞める時が来るものです。
その時、せっかく築いてきた信頼関係を壊す事なく、丁寧に終わらせて、それから新しく歩を踏み出す。
そこには、目に見えない多くの実りがあるはずです。
師弟関係はビジネスではありません。
お互いに感謝の心を持ちながら次のステージに進んでいきたいものです。
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