結婚記念日を前にして思うこと〜外した結婚指輪を前に

 

今日は、明日の結婚記念日を前に外した指輪のことを語ろうと思います。

明日は私と夫氏との、32回目の結婚記念日。

その日を前にして結婚指輪を外しました。

とはいっても何か思うところがあって、というわけではありません。

 

左手薬指が関節炎を起こしているようで、第一関節が腫れて痛みを覚えるようになってきたからです。

見れば指輪が指に食い込み、むくんだ指の筋肉が紐で巻いたボンレスハムのように膨れてきていました。

あまりにもお見苦しいので写真は挙げませんが、どう見ても私の指には指輪のサイズが合っていません。

夫氏がこの指輪を私に贈ってくれた時、私の薬指は7号サイズでした。

 

あれから32年が経ち、白魚のようだった?私の手は、今やたくましいおばちゃんの手になりました。

一本一本の指も関節も太くなり、これ以上時間が経つといよいよ外せなくなりそうで、結婚記念日の前日に外す羽目になったのです。

石鹸をつけて5分間格闘。

なんとか、指を痛めずに指輪を外すことができました。危ないところでした😅

 

外した指輪はあまりにも細く、よくもまあ今まで私の指にはまっていたものだと妙に感心しました。

薬指にはくっきりと指輪の跡が残っています。

このままではもう2度とはめられないのは自明。

買ったお店に持って行って直してもらおうと思っています。

当時、安月給だった夫氏が頑張ってくれて、やや(かなり)無理をして私達としては高価な婚約指輪と結婚指輪を揃えてくれました。

当時は都内にしかなかった店舗も、今では市内にもあるようで助かります。

 

今、外した指輪を前に、色々と感慨にふけっています。

この32年間、なんと様々な出来事があったことか。

 

結婚して数年後、転勤でヨーロッパで2年間暮らし、その間に子①が生まれました。

慣れない土地で孤軍奮闘して、やっと一緒に外出できるようになったと思えば帰国の辞令。

日本の産院や保健所に通うことなく海外で出産したため、ママ友どころか知り合いが一人もいない状態での公演デビュー。

折悪しく記録的な冷夏の翌年で、お米が暴騰。

お若い方には信じられないでしょうが、スーパーからもコンビニからも一切のお米が消え、電話帳を見て片っ端からお米屋さん(という種類のお店がまだありました)に電話をかけ、お米を売ってもらえないかと電話をして、全店から断られたのをはっきりと覚えています。

 

越してきたばかりの知らない土地で、近くに情報交換できるような友人もなく、赤ん坊におかゆ一つ作ることができずに途方にくれていた私。

夫氏も、転勤したばかりで新しい部署・新しい仕事に慣れるのに必死なのが伝わってきました。

 

 

あの頃、自分がどうやって過ごしていたのかいまひとつ記憶がありません。

人生最大のピンチの一つだったと思いますが、人の脳は、辛かったことを忘れることができるようにプログラムされているようです。

 

実家の力を借りながらどうにか気持ちを奮い起こし、足しげく公園に通っては必死にママ達に話しかけ、やがて気の合うママ達と友達になることができました。

公園デビュー成功です。

げんきんなもので、多くの友人を得たことで辛かった毎日は一変しました。

公園でおしゃべりするだけでなく、ママ友達と子連れで旅行したり、互いの家に呼ばれたり、お招きしたり。

以前と違って毎日が楽しくて、とても幸せな時期でした。

人は、人によって助けられる存在なのだとつくづく思います。

これらの経験は、私の人生観を大きく変えるものでした。

私を救ってくれた友人達に深く感謝しています。

彼女達とは今でも交流があり、時々ランチなどして昔を懐かしんでいます。


その後にもまた実に様々な出来事があり、とてもここには書ききれませんし、個人的なことばかりを書き連ねる場でもありません。

嬉しかったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、悔しかったこと。

人並みに様々な経験を積んで生きてきました。

32年の時の流れは早いです。

あっという間に、そろそろ還暦が視界に入る年齢になってしまいました。

何しろ結婚したのは昭和です。

平成を超えて、今は令和。

昭和は、歴史の一コマになりつつあります。

ただただ感慨深いものがあります。

 

今、32年前の日付けが刻まれたこの指輪を前に、自分の周りで大きく動いた「時代」と、変わらない人々の在りようを考えています。

そして、周囲の愛すべき人々の中で、最も私に近い場所にいる夫氏。

何が起こってもさほど動じることなく、常に淡々と平常心で生きることを是とする彼のおかげで、何回か襲ってきた人生のピンチをも切り抜けることができました。

もちろん、まだ私達は50台。これからも色々な出来事が起こることでしょう。

それでも、2人でいればなんとか乗り越えられそうな気がします。

「伴侶」とは、同志であり、人生という旅の相棒。

そんな言葉がピッタリと感じます。

 

さて、当然ながら夫氏も同じ指輪をはめています。

そろそろ彼の指もむくんできていそうな予感。

一緒に、市内の店舗に行ってサイズを直してもらいましょうかね。

まだまだ、あと40年以上はめていられるように。

これからもずっと、よろしくお願いしますよ。

 

最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。

どうかあなたの毎日が幸せなものでありますように。

お読み頂いてありがとうございます。

 

ポチッと応援して下さると嬉しいです↓

このエントリーをはてなブックマークに追加

広告
広告