「バウムクーヘン」はピアノ発表会におすすめ!難易度比較と弾き方のコツを解説

「バウムクーヘン」は、ピアノ発表会やコンクールの定番曲。

華麗な技術を披露したのちに堂々と終幕を迎える華やかさで、湯山昭(1932〜)によるピアノ曲集「お菓子の世界」の中でもよく単独で演奏される人気曲です。

もしもあなた(のお子さん)がこの曲を発表会や弾き合い会でゲットできたなら、それだけでかなりラッキー。

 

もちろん、わずか96小節の中に様々な要素が盛り込まれた、この「バウムクーヘン」を美しく弾くには、テクニックとともに繊細な表現力が必要。

聴き映えのする曲なのでそのまま弾いても十分魅力的ですが、さらにランクアップした演奏にするにはどうしたら良いでしょうか。

ご一緒に考えてみましょう!

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「バウムクーヘン」の難易度

グランドピアノ

難易度比較

初中級の後半〜中級

「バウムクーヘン」は「貴婦人の乗馬」より難しく、「エリーゼのために」より易しいです。

「貴婦人の乗馬」の解説記事はこちら↓

「貴婦人の乗馬」の難易度レベルと演奏のコツ

「エリーゼのために」の解説記事はこちら↓

「エリーゼのために」難易度レベルと練習のコツ

 

「バウムクーヘン」は左手の動きが少ないので、邦人作曲家の作品の中では弾きやすい部類。ハ長調なので譜読みもラクです。

 

中田喜直の「エチュード・アレグロ」よりは難しく、平吉毅州「チューリップのラインダンス」と同レベル。

「チューリップのラインダンス」を解説!難易度と弾き方のコツ|何年生で弾くのがおすすめ?

同じ平吉の「真夜中の火祭」よりは易しいです。

「真夜中の火祭」のイメージは?難易度の比較と弾き方のコツを解説|何年生で弾くのがおすすめ?

 

人前で演奏するならソナチネに入っていれば安全。

発表会などで時間をかけて練習するなら、ブルグミュラーの後半に入っていれば挑戦してみても良いでしょう。

「ピティナ・ピアノ曲辞典 ステップ課題曲」では、応用5〜6とランク付けされています。

ピティナ・ピアノ曲ステップ課題曲「バウムクーヘン」

要求される技術

  • 右手16分音符の速い分散和音(アルペジオ)
  • 左右⑤指(小指)での音の保持
  • 左右ともにオクターブ奏あり
  • ダンパーペダル

 

右手の16分音符による速いパッセージは聴かせどころなので、ゴツゴツせずになめらかに弾きこなせるテクニックが必要。

また左右共に小指で音を押さえたまま他の音を弾かねばならない箇所があちこちに存在します。

 

「バウムクーヘン」は、両手ともにオクターブで音を押さえる箇所があり、ダンパーペダルも1小節ごとに踏み換える必要があります。

したがって手の小さい生徒や小柄な子供には向きません。

生徒のレベルにもよりますが、小学生なら高学年になっていた方が曲を楽しめます。

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「バウムクーヘン」の概要

バウムクーヘン

  • 曲名:バウムクーヘン
  • 収録曲集:ピアノ曲集「お菓子の世界」
  • 作曲者:湯山昭(1932〜)
  • 作品スタイル:近代・現代曲小品
  • 調性:ハ長調
  • 演奏時間:2分〜2分20秒

 

バウムクーヘンとは、baum(木)とkuchen(お菓子・ケーキ)、2つの単語を組み合わせたドイツのお菓子。

本来は長い棒に生地を徐々に巻き付けて層状に重ね専用のオーブンで焼く、手間のかかる高級なケーキの一種です。

 

現在の日本ではスーパーやコンビニで安価に買えるイメージになっていますが、本来は結婚式の引き出物にも使われる特別なお菓子でした。

生地の断面が木の年輪に似ていることから「長寿」や「繁栄」の象徴とされ、贈答品としての人気も健在です。

まさに、この曲の持つゴージャスなイメージそのままですね(^○^)

 

ピアノ曲集「お菓子の世界」は、中級レベル以上のピアノ学習者なら持っていてもソンはない永遠の定番楽譜です。

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「バウムクーヘン」は、「先生が選んだピアノ発表会名曲集④」にも収録されています。

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湯山昭「バウムクーヘン」

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「バウムクーヘン」の弾き方解説

ピアノの鍵盤とガーベラ

ハ長調 2/4拍子, Allegretto(やや速く)

「バウムクーヘンの年輪の層のように、4小節ずつ音楽が盛り上がってゆく形が多い曲です(作曲者による『練習の手引き』)」

上は作曲者による「練習の手引き」の一部分。「バウムクーヘン」の特徴はまさにここで示された通りです。

最後の部分を除き、曲の大部分が4小節ごとにきれいにフレーズとして成立しています

本場のお菓子のバウムクーヘン職人は、生地の層の均質さで製菓技量を推し量られるのだとか。

演奏者としても、ぜひ端正かつ繊細にこれらのフレーズを表現してみたいものです!

1〜8小節

cantabile(カンタービレ)は「歌うように」。柔らかいお菓子の曲なのでふんわりと優しいイメージで

右手8分音符で紡ぎ出される繊細かつ印象的なテーマは、レガートでなめらかに息の長いフレーズを歌います。

トリルは力まずさらりと入れたいところ。

音域に高低差がありますがcrescendo(クレッシェンド)しません。

 

左手は右手の歌とは関係なく、和音と単音で2つの音のフレーズを淡々と並べていきます。

ダンパーペダルを踏むようにとの指示がありますが、このとき、2つ目の4分音符が強くならないようにしたいもの。

8小節目の左手8分音符にはテヌート()が付いています。スタッカートにならないようにしましょう。

9〜16小節

わざわざ縦線が2本になっています(複縦線)。今までと雰囲気を変えて弾きましょう

ここから8小節はsenza Ped.(ペダルなし)の指示が。

右手は、9、10小節はスタッカートで軽く音を切り、11、12小節は逆にスラーで音をつなぎます。

2分音符でのラ〜ソ〜を意識して、その下で別のメロディを弾きます。12小節目の4分音符と8分音符はつなげません。

 

左手は形が変わり、小指で低音を保持したままの和音奏になります。しっかりと2分音符を意識しましょう。

13〜16小節は右手が一瞬1オクターブ移動するだけのバリエーション(変奏)です。

17〜24小節

左手の形は同じ。

右手は再び高低差の大きな8分音符のメロディで、こちらにはcrescendoとdecrescendo(だんだん弱く)が付きます。

控えめに、流麗な雰囲気が出ると素敵。

23、24小節の左手は譜面通りには弾けません。ペダルを使って低音を響かせながらタイで音を積み重ねていきます。

この「音の層」がバウムクーヘンぽいですよね。伸ばした2分音符はしっかり自分の耳で聴きましょう。

25〜32小節

冒頭部分のバリエーション。

31小節の16分音符の分散和音は弾きにくいのでゆっくりしっかりおさらいを。

あえて和音で同時に押さえて「つかむ」練習が効果的です。

33〜40小節

Un poco più mosso (今までよりも速く)

表情が大きく変わりました。ハ長調からニ短調、そしてホ短調へと転調します。

左手は単純な動きですがペダルを踏むので音に厚みが出てきます。

右手は4分音符の短いフレーズの下、休符の入った三連符で伴奏します。

音域が高まり、最初の山場として盛り上がっていく様子を表現しましょう。

41〜48小節

前半のクライマックス。

右手の、高音のメロディを浮き立たせながら黒鍵の多い伴奏部分と弾き分ける技術は、このレベルの学習者ではなかなか至難。

左手も低音をダンパーペダルで保持しながら音量のボリュームアップに貢献。

ゴージャスで、かつハーモニーの美しい箇所なので、ペダルが濁らないようにしたいものです。

 

やがて鎮まり、poco rit.(だんだんゆっくり)で落ち着きを取り戻します。

48小節目の「ミ」音はペダルを踏み替えた方が良いです。

49〜72小節

1〜24小節とほぼ同じですが、53小節目の右手にバリエーションが見られます。

73〜80小節

Coda(終結部), Allegro(速く)

今までとの違いが分かるように、はっきりとテンポを上げて弾きます。

73小節目と77小節目の左手1拍目にはテヌートの指示があります。

テンションの効いた1拍目と解決する2拍目の響きの違いを感じながら、ちょっともったいぶって弾いてみては?

 

音域は下がっていきますが、音量はmfからどんどんcrescendoして、77小節目ではpiú (急に)fとなっています。

ここはダンパーペダルを駆使して遠慮なく盛り上げましょう。simileは「同じように」との意味です。

81〜88小節

急にmpの指示が。この振れ幅の大きさがなんとも魅力的なところ。

左手は①指(親指)での低音と高音での和音両方を担当しますが、右手の移動がないので演奏はラクなはず。

それでいて、視覚的には左手の跳躍による両手の交差が見た目にも華麗で「美味しい」部分です。

決して慌てることなく、悠然と厚みを増していく音の響きを楽しみましょう。

88小節目の複縦線が転調の拍子の変化の合図。テンポもここから遅くなります。

89〜96小節

Grandioso(堂々と・壮大に), 4/4拍子

「バウムクーヘン」最大の聴かせどころであり、みんなが弾きたいところ。

Grandiosoはイタリア語のGrandeから派生した言葉で、英語のgrandと語源は同じ。

「偉大な」とか「威厳のある」というニュアンスになります。

 

左手のオクターブは腕の重みをかけてしっかり楽器を鳴らしたいですね。

両手による和音の連なりは多少拍を無視してもOK。自由にのびのびと演奏しましょう。

93-94小節の右手は最初に出てきたこの曲のテーマが使われています。espress. は「表情豊かに」。

余白を充分にとりつつ、雄大に締めくくって下さい。

まとめ

本格的なバウムクーヘン

湯山昭のピアノ組曲「お菓子の世界」の人気曲のひとつ、「バウムクーヘン」について、難易度や曲の概要、弾き方のコツをお伝えしました。

 

バウムクーヘンってこんなにゴージャスなお菓子だっけ‥?といぶかるほど豪華絢爛な雰囲気の曲ですよね。

その割に、テクニック的にはそれほど難問題と思われる部分が少ないのが嬉しいところ。ピアノ学習者の強い味方なのです。(^○^)

音の並びが比較的素直で、小学校低学年でも上手に弾きこなす子が珍しくありません。

 

ただラストのGrandiosoの部分など、個人的にはむしろ年齢の高いピアニストにおすすめしたいところ。

何しろ「年輪」を象徴する曲なのですから。ホラ、グランドエイジとも言いますし♪( ´▽`)

 

「バウムクーヘン」は、ある程度の「ピアノの年輪」を持つ、あらゆる世代の人々におすすめしたい名曲です。

どうかこの魅力的な曲の演奏を楽しんで下さいね!

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湯山昭「バウムクーヘン」

 

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