ハレクラニ沖縄のレストラン「シルー(SHIROUX)」は大人のためのダイニング
2019年12月、開業間もないハレクラニ沖縄に宿泊しました。
レビュー記事はこちら↓
滞在中、一回はホテル内のダイニングを利用してみたいと思っていました。
ホテル内には朝食で利用した「ハウス・ウィズアウト・ア・キー」の他に、
・イノベーティブなファインダイニング「シルー(SHIROUX)」
・日本料理「青碧蒼」
・ステーキ&ワイン「KINGDOM」
3つのレストランがあります。
せっかく沖縄まで来たのだから、どうせならとばかり一番ハードルの高そうなイメージ(笑)の「シルー(SHIROUX)」に挑戦。
この記事はそのレポートです。
目次
ハレクラニ沖縄内レストラン「シルー(SHIROUX)」はどんなレストラン?
ハレクラニ沖縄で味わうイノベーティブな食体験・
白砂のビーチ、打ち寄せる白波、湧き立つ白雲‥。
沖縄の言葉で「白」を意味する「シルー」は、まるで一冊の詩集のように繊細な川手寛康シェフの料理世界が、沖縄の食文化と出会う場所。
(ホテル公式HPより)
イノベーティブ「シルー」はサンセットウイング5階にあります。
ファミリーで賑わうビーチフロントウィングの「ハウス・ウィズアウト・ア・キー」とは違い、かなり大人な雰囲気。
それもそのはずで、ディナータイムは12歳未満のお子さんは入店できません。(個室と朝食時は入店可)
外のテラス席には松明が灯され、どことなく幻想的な店内です。
とはいえドレスコードはリゾートカジュアルなので、それほど格式ばった印象はありません。
あくまでもリゾートのレストランとして、リラックスしながら食事ができます。
個室を含め、全席禁煙です。
コンサルティングシェフの川手寛康(カワテ・ヒロヤス)氏は、東京・外苑前のミシュラン二つ星レストランのオーナーシェフ。
アラカルトメニューはなく、シェフお任せのフルコースのみです。
沖縄の伝統的な食材がふんだんに使われていて、ここでしか味わえないようなお皿の数々はまさしくイノベーション(革新)。
食のインヴェンション(発明・創意)、といったところでしょうか。
公式ホームページの文言通り、店内は白い色が多用されてとてもスタイリッシュ。
スタッフのにこやかな笑顔に迎えられて、緊張がほぐれていきます。
窓際の眺めの良い席に案内されて、食事のスタートです。
「シルー(SHIROUX)」のコースメニューとマリアージュセット
シェフお任せのコースは、料理のみだと1人13000円。
アルコール入り、またはノンアルコールドリンクがセットされたペアリングコースは1人19000円になります。(税サ別)
庶民としては勇気の必要なお値段ですが、この際です。
ど〜んといっちゃいましょう。
という訳で、ペアリングコースをお願いしました。
料理に合わせて5種のドリンクがセットされています。
最初に提供されるアミューズに合わせたシャンパンと、メインの肉料理に合わせた赤ワイン以外は地元の素材を取り入れたオリジナルカクテル。
もしも苦手な食材が利用されていたり、飲みにくいと感じたらワインと取り替えてもらえます。
コースが始まる前に運ばれてきたのは、沖縄でよく飲まれているジャスミンティーの一種、さんぴん茶。
器の底にはお出汁のゼリーが沈んでいます。
右側のスプーンでゼリーをすくって食べます。
すっきりした味わいで、食欲が増します。
シャンパンと共に供された一皿目のアミューズは、三品で構成されていました。
手前左側はジーマミ豆腐。落花生のクリームスープと共に。
右の黒い石の上は、ゴーヤとトリュフをミルフィーユ状にして揚げたもの。
奥の黒いのは、紅芋のスイートポテトです。
焚火の後のような演出で、黒い小枝などを取り除いて食べます。
まさしくイノベーティブといった感じですが、まだまだこれからです。
二皿目、沖縄伊勢海老。発酵したパパイヤのジュースが添えられています。
甘くはなく、不思議な味わいでした。
このジュースはペアリングのカクテルとは別です。
伊勢海老は香ばしい薄皮で包まれていて、濃厚なソースがかかっていました。
確か、松阪牛のソースとの説明があったような。
プリプリした歯応えがたまりません。
白い布で包まれた謎の物体は何かなと思っていたら、パンでした。
酒粕で作った蒸しパンとのことで、確かにほんのりとこうじの香りがします。
ふわふわで、いくらでも食べられそう。
思わずおかわりをする夫氏。
パンのおかわりは無料です。
三品目、島だこのあえもの。
赤いソースは、何だったかなあ‥ビーツのような爽やかな味わい。
左側は、雑穀のリゾット。
こちらはこってりした感じで、交互に食べると美味しく感じるようにデザインされているのかなと思いました。
なお、写真には写っていませんが、この時ペアリングされて出てきたのは、きゅうりなどを使ったガスパチョ風のカクテル。
タコとよく合いましたが、きゅうりの苦手な方にはちょっと飲みにくいかも‥。
四皿目、魚料理。
沖縄でよく見かける白身魚グルクンにクリームソースを添えた一皿。
ブランダードという料理法で、カリッとした食感がグルクンにピッタリ。
あっさりしたグルクンが、キャビアをあしらったソースによってしっかりしたお魚料理に変身しています。
左側は、付け合わせのいんげん。
こちらもクリームソースで濃厚な味わいに。
泡盛を使った、爽やかな感じのカクテルがぴったりでした。
五皿目はメインの肉料理。
「島豚 分かち合い」と名前がついています。
赤ワイン系のソースと、塩、右側には味噌のようなソース。
3種類の味わいが楽しめます。
だから「分かち合い」なのかしら。
とても濃厚なお料理で、脂肪分もたっぷり。
でもまったく脂の臭いはしません。
もちもちした食感で、本当に美味しい豚肉とはこういうものかと思ったり。
ボルドー産の赤ワインがとてもよく合っていました。(ボトルを見せてくれました)
左の小鉢は野菜とコンソメスープ。
濃厚な豚肉の合間に食べるのにぴったりでした。
六皿目はデザートその1。
シークワーサーを使った生地に、よもぎの香りのする粉がかけられています。
香ばしくあっさりしたデザートで、いくらでも食べられそう。
七皿目、デザートその2。
メニューには「カカオバター、酒粕、黒糖」とあります。
こちらはややしっかりした感じですが、それほど甘くはありません。
一見してデザートらしい華やかさにはかけますが、そこがまたオシャレです。
最後はプティフールのチョコレートで締め。
食後のコーヒーを飲みながら、完食した料理の数々を思い出す私たちなのでした。
ハレクラニ沖縄のメインダイニング「シルー(SHIROUX)」の感想
とにかくヘルシー!
この一言に尽きます。
私はそれほど大量に食べる方ではありませんので、フレンチのフルコースを食べた翌日にはなかなかお腹が空かない、ということが時々起こります。
でも、今回はそんなことにはなりませんでした。
皿数が多いですし、決して量が少ないということはありません。
手のこんだ一皿一皿をゆっくり味わっていると自然に時間が経っていき、いつの間にかお腹が満足しているのに気づく、といった風。
それなのに、翌朝にはしっかりお腹が空いていて、ボリュームたっぷりの「ハウス・ウィズアウト・ア・キー」の朝食を心ゆくまで楽しむことができました。
夫氏も同じようなことを言っていたので、コースがそのようにデザインされているのかもしれません。
ゴーヤ、ジーマミ豆腐、グルクン、沖縄ポーク。
これぞ沖縄!という食材を頂きながら、フランス料理の洗練も味わえる。
今までに存在しなかったような新しい食文化を体験できる。
これこそが、「イノベーティブ」な食体験であり、「シルー(SHIROUX)」で食事をする楽しさなのかと感じました。
今回のお支払いですが。
ペアリングコース・1人19000円×2=38000円。
税金とサービス料がかかりまして、シメて44896円でした。(ガ〜〜ン)
‥おそらく、私と夫氏で食事した中では最高金額の部類に入ります。
それでも、世界中探してもこんな食体験ができるのは「シルー」ならでは。
まさしくイノベーティブなレストラン。
せっかくハレクラニ沖縄に滞在するなら、一度くらいはぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
世界に二つとない、特別な食文化を味わえること請け合いです。
お読み頂いてありがとうございます。