ピアノを習うということ③〜大人の経験者の方へ〜
今この文章を読んで下さっているあなたは、以前習っていたピアノを再開しようかどうか考え中とお見受けします。
お待ちしておりました。
は?まだ再開すると決めたわけではない、ですと?
大丈夫。
この福耳が背中を押して差し上げましょう(笑顔)
目次
ピアノの経験者の方々へ・おかえりなさい
お久しぶりです。
いえ私はあなたのことを存じませんが、もしかするとどこかでお会いしているかもしれません。
発表会の会場で、または誰かのコンサートの会場で、あるいは在学していた中学校の校舎で、気づかないまますれ違っているかもしれません。
その後、私はピアノの世界にどっぷり浸かったまま年月がたち、今は横浜市の片隅で小さなピアノ教室を開いています。
あなたはそうではない道を選び、部活や受験が忙しくなると共にピアノを「卒業」されました。
人によっては保護者の方の意向でなんとなくピアノを始めたけれど、今ひとつピンとこないまま中断した方もいるでしょう。
あるいはまた、ピアノを弾くことが楽しくて、高校や大学生の間も趣味としてピアノを楽しんだかもしれません。
それでもいつしか日常生活の中にピアノが入り込む場所はなくなり、ご自分で選んだ人生を歩んで来られたのだとお察しします。
あれから何年かが経ち、再びピアノのことを思い出して下さったあなたを、心より歓迎致します。
お帰りなさいませ。戻ってきて下さってありがとうございます。
ピアノに何を求めますか?目標を決めることの大切さ
今またピアノの蓋を開いて、かつての楽譜をめくったりされているあなたに、一つお勧めしたいことがあります。
それは、
・なぜピアノを再開しようと思ったのか?
・独学?それともレッスンを受ける?
・どんな曲をどのように弾きたいのか?
・弾けるようになりたい曲、目標にしたい曲はどれ?
などについて、ある程度明確にしておくことです。
大人の経験者の方は、 ・現在の年齢、・当時の経験年数、・ピアノから離れていた年数
などが実に多様なため、ある程度はっきりとしたビジョンを持っていた方が再開後の練習がスムーズにいくからです。
例えば、
・子供が成長して手が離れたので時間ができた、あるいは子供が習い始めたのを機にもう一度学んでみたくなった、など
・子供と同じ先生に習いたい、または別のカルチャーセンターなどで習いたい。動画など見ながら自分で学んでみたい
・まずは憧れだったあの曲にどうしてもトライしてみたい、あるいはもう一度基本からがっちりとやり直したい
・ショパンやリストを弾きたい、あるいはポピュラーやゲーム音楽に興味がある
などなど、具体的にイメージできると始めやすく上達もしやすいものです。
また、
・どれくらいの練習時間が取れるか
・レッスンに通うとしたらどれくらいの頻度で通うことができるか
なども考えておくとさらにスムーズに再開しやすいでしょう。
目標に近づくために
目的や目標が可視化できたなら、次はどうすればそれに近づけるか考えてみましょう。
せっかくピアノを再開するのですから、少しでも早く思っているように弾けるようになりたいですよね。
そのために最も大切なことの一つは、
「できるだけ毎日練習すること」です。
忙しくて、どうしても時間が取れないこともあると思いますが、それでも10分(!)とか15分ならどうにかなるのではないでしょうか。
たった10分でどうなるものでもないと思われるかもしれませんが、ピアノのような指先の細かい動きのために必要な筋肉を鍛えるにはかなりの時間と日数がかかります。
毎日練習していれば着実に力はついていきますが、1日でも弾かない日があると、その分後退してしまいます。
ピアノは実に演奏の難しい楽器でありまして、残念ながら急に上手に弾けるようになることはありません。
せっかく再開するなら、少しの時間で良いので、怪我や病気など特別な理由がないときは必ず毎日練習しましょう。
特に、最初の3〜4ヶ月は皆楽しく練習するのですが、それを過ぎたあたりで最初のペースが続かなくなる方が一定数います。
ピアノの学びは長丁場です。
大人には色々な事情が生じることもあると思いますが、ここが踏ん張りどころです。
目標に向かって努力することで得られるものも多いです。
ぜひ頑張ってみて下さい。
そしてもう一つ、必ず「ストレッチ」を忘れないようにして下さい。
大人の筋肉は子供の時とは違い、やはり硬くなってきています。
準備の指鳴らしをせずに、いきなり難しい曲を昔と同じ感覚で始めるのは危険です。
特に腱鞘炎は治りにくく、一度かかってしまうと繰り返すことが多く厄介です。
このような怪我をしてしまうとせっかくのやる気にブレーキがかかり、停滞してしまうのはもったいないことです。
指や腕だけでなく、特に肩や首などのストレッチも重要です。
練習する前だけでなく、終わった後もやっておけば万全です。
長くピアノを楽しむために、「練習前後のストレッチ」を忘れないようにして下さい。
お読み頂いてありがとうございます。