ピアノ上級者が弾きたいあこがれの有名曲10選|発表会にもおすすめ!難曲に挑戦してみよう
ピアノ発表会の曲選び、いよいよ上級レベル編です。
本記事では、学習者のあこがれの上級者向きピアノ曲の中から、特に発表会で弾くのにふさわしい名曲をセレクトしました。
ぜひ、発表会の曲選びの参考にしてみて下さいね。
中上級レベルの学習者に人気の定番曲の解説はこちらから↓
【ピアノ発表会】人気の中上級レベル定番曲10選を難易度順に解説
人気の定番曲、中級レベルを解説!こちらからどうぞ↓
【ピアノ発表会】人気の定番曲 中級レベル10選を解説|小学校高学年〜中学生におすすめ!
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目次
【ピアノ発表会】上級者向け有名曲の難易度
管理人は、ピアノの「上級者向きレベル」として、ざっくりと以下の練習曲、曲集などの学習者を想定しています。
- ツェルニー50番
- モシュコフスキー15の練習曲
- J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集
- ショパン エチュードOp.10、Op.25
- ドビュッシー 12のエチュード
ピアノ曲の難易度設定について詳しく解説した記事はこちらから↓
ピアノ曲の「難易度」とは?レベル設定と基準について解説!入門から最上級まで
ピアノ上級者とは、ピアノを芸術作品として表現できるように、深く学ぶ人のことを指すのではないでしょうか。
多くのピアノ学習者のあこがれとなるような名曲を演奏することができる、優れた技量を持つ人。
あなたがもしコンクールや音大のピアノ科を目指したり、ハイアマチュアとして華麗な技術を披露することができるなら、あなたは押しも押されぬピアノ上級者。
発表会では、ぜひ誰もが認める有名曲を弾いてみたいところですよね。
【ピアノ発表会】上級者向け有名曲一覧
上級者向きのピアノ発表会曲にぴったりなおすすめ発表会向け有名曲一覧は以下の通りです。
あまたある曲から管理人が10曲を選び、比較的取り組みやすいと思われる曲から難易度順に並べてみました。
- アラベスク Op.18(シューマン)
- 月の光(ドビュッシー)
- フランス組曲 第5番(J.S.バッハ)
- インテルメッツォ Op.118-2(ブラームス)
- 前奏曲「鐘」(ラフマニノフ)
- 幻想即興曲(ショパン)
- 愛の夢(リスト)
- ソナタ Op.27-2「月光」(ベートーヴェン)
- 英雄ポロネーズ(ショパン)
- ラ・カンパネラ(リスト)
なおここにあげたのは一般に伝わるタイトルです。正式な曲名とは違う場合があるので注意して下さい。
以下、解説の中では正式な曲名を表示しています。
【ピアノ発表会】上級者向け有名曲の解説
以下、各曲を簡単に紹介・解説します。比較的難易度の低い曲から高いと思われる曲の順番に並んでいます。
作品の日本語のタイトルとともに可能な限り原題を記載。また作曲者の氏名、不明な場合をのぞき生年と没年を記載しました。
なおピアノ曲の難易度は、テンポの設定や弾き方、演奏者の体格や手の大きさによってかなり違ってきますので注意が必要です。
アラベスクOp.18
- 曲名:アラベスクOp.18(ArabeskeOp.18)
- 作曲者:シューマン(R.Schumann,1810-1856)
- 難易度:中上級B
- 収録:各社
- 演奏時間:約6分30秒
アラベスクとはイスラム美術の様式のひとつで、唐草模様のような幾何学的な文様のこと。
そこから転じて、華麗で装飾的・幻想的なピアノ曲のスタイルのことを指すようになりました。
初心者向きの平易なブルグミュラーのアラベスクは超有名。
そして中級者向けのドビュッシーの2つのアラベスクよりもやや(かなり)難しいのがこちら、シューマンのアラベスクというわけです。
ハ長調のロンド形式。主部はシューマンらしい複雑な音の絡みが展開されますが暗さはなく、明るく爽やかな雰囲気。
最後はゆっくりと思索の中に入ってゆくように静かな終わりを迎えます。
技術的には特別難しいわけではありませんが、長い曲をどのようにまとめるかがポイントになりそうです。
先生が選んだピアノ名曲120選 II にも収録されています。
月の光
- 曲名:月の光(Clair de lune)
- 作曲者:ドビュッシー(C.A.Debussy,1862-1918)
- 難易度:中上級B
- 収録:「ベルガマスク組曲」(Suite bergamasque・各社)
- 演奏時間:約5分
ドビュッシーのピアノ曲の中でおそらく最も有名な曲であり、ほぼ全曲ppで弾くようにとの指示のある稀有な曲でもあります。
これほど派手さや華やかさとは無縁でありながら多くの人の心を捉えるのは、やはり名曲たる所以でしょう。
全ての音が密やかに囁くように、コントロールされたレガートで弾かねばなりません。
この曲はニュアンスの出し方が非常に難しく、管理人、学生時代に恩師からめちゃくちゃ叱られたことがあります(;´Д`A
ガサツな当方には向いていなかったのかも。甘いメロディの中からそんなホロ苦い思い出を喚起させる、切ない夜想曲なのであります。
フランス組曲 第5番
- 曲名:フランス組曲 第5番 ト長調(Französische Suite No.5 in G major BWV 816)
- 作曲者:J.S.バッハ(J.S.Bach,1685-1750)
- 難易度:中上級B
- 収録:フランス組曲(各社)
- 演奏時間:18分前後(全曲・繰り返し有り)
J.S.バッハのフランス組曲6曲のうち最も有名で人気のある作品です。
明るく爽やか、バロックらしい優雅さと共に華やかさもあり、発表会でもよく演奏されます。
全曲弾くと長いですが、2〜3曲選んで弾くのもおすすめ。様々なバロックの舞曲の練習にもなります。
- アルマンド(Allemande)とにかく優雅。あまり速く弾かない方が良さそうです。
- クーラント(Courante)こちらは速い舞曲。快活で颯爽とした雰囲気で。
- サラバンド(Sarabande)ゆったりとした、美しいサラバンド。個人的に一番好きな曲です♪( ´▽`)
- ガヴォット(Gavotte)優雅で楽しげなガヴォット。よく単独で演奏されます。この曲だけなら初中級〜中級者でも演奏可能。
- ブーレ(Bourrée)ブーレはガヴォットと同じ二拍子系の舞曲です。明るく華やかな感じ。
- ルーレ(Loure)ゆっくりと落ち着いた雰囲気。やや地味かもです。
- ジーグ(Gigue)テンポ速く賑やかに。テクニック的に一番難しく、頑張りどころです。全てノンレガートで弾く人も。
バッハ作品の楽譜選びは難しいものがありますが、市田儀一郎氏が解説した全音ピアノライブラリーのシリーズはおすすめ。
信頼できるベーレンライター版をもとにしていますし、何よりも安価です。(^_^)v
インテルメッツォ Op.118-2
- 曲名:間奏曲 イ長調 Op.118-2(Intermezzo in A major, Op.118-2)
- 作曲者:ブラームス(J.Brahms,1833-1897)
- 難易度:上級A
- 収録:「6つの小品Op.118」(6 Klavierstücke・各社)
- 演奏時間:約6分
インテルメッツォ(間奏曲)とは、もともとオペラの幕間に演奏される経過的な器楽曲のことを指します。
ブラームスはいくつかの性格的なピアノ独奏曲にこのタイトルをつけました。うちOp.118-2はその美しさで有名。
主題の優しげなメロディと中間部の嬰ヘ短調との対比が極めて魅力的で、隠れた人気曲となっています。
Andante teneramente(柔らかく、優しく)と指示がある通り、ロマンチックでありながら甘過ぎない雰囲気が大人の演奏者にぴったり。
昔を懐かしむような、どこか切ない気持ちで弾くと素敵ですね。
「先生が選んだピアノ名曲120選Ⅲ」にも掲載されています。
前奏曲「鐘」
- 曲名:前奏曲 嬰ハ短調 Op.3-2(Prélude Op.3-2)
- 作曲者:ラフマニノフ(S.Rakhmaninov,1873-1943)
- 難易度:上級A
- 収録:幻想的小品集(Morceaux de fantaisie・各社)
- 演奏時間:約4分40秒
前奏曲 嬰ハ短調Op.3-2は、5曲からなる「幻想的小品集」に収録された、おそらくはラフマニノフの最も有名なピアノ独奏曲。
1892年の初演以来熱狂的に支持され、そのあまりの人気に作曲者本人が「他の曲がかすむ」と毛嫌いするようになったとか。
「鐘」と呼ばれてはいますがラフマニノフ自身は「鐘」には言及していません。その重々しい印象から「モスクワの鐘」と呼ばれることもあり、定着していったようです。
再現されたクライマックスでは、音域が広いため楽譜は4段に。pesante(ぺザンテ・重々しく)の指示があります。全体重をかけて弾きましょう。
余談ですが、2010年バンクーバーオリンピックで浅田真央選手がフリーの演技の際に管弦楽に編曲されたものを使用しました。
‥あと少しで金メダルに手が届きそうでしたね‥( ; ; )
そんなわけで、まさに「運命的」「悲劇的」などの言葉がふさわしい曲として、私たち日本人の心に残り続けるのかもしれません。
「先生が選んだピアノ名曲120選Ⅲ」にも掲載されています。
幻想即興曲
- 曲名:即興曲 Op.66 嬰ハ短調<遺作>「幻想即興曲」(Fantaisie-Impromptu)
- 作曲者:ショパン(F.F.Chopin,1810-1849)
- 難易度:上級A
- 収録:即興曲集(各社)
- 演奏時間:約5分20秒
ピアノを学ぶ人にとっての憧れの曲。特に中級以降の学習者に人気があります。
「幻想即興曲」については以下の記事で解説しています。↓
ショパンの有名ピアノ曲作品10選|曲の難易度と背景/特徴・演奏上の注意点を年代順に解説!
愛の夢
- 曲名:愛の夢-3つのノクターン 第3番(Liebesträume -3 Notturnos No.3)
- 作曲者:リスト(F.Liszt,1811-1886)
- 難易度:上級A
- 収録:各社
- 演奏時間:約4分30秒
世界中のピアニスト、ピアノ講師、学習者その他、ピアノと関わるありとあらゆる人々を虜にするほどの魅力に満ちた美しい曲。
またピアノと縁がなくともこの曲は知っている、好きでよく聴いているという人は多いのではないでしょうか。
誰もが知る名曲ですが、もともとはピアノ曲ではなく歌曲でした。
歌詞はフライリヒラートの詩「愛しうる限り愛せ」より。情熱的な恋愛の歌かと思いきや‥ f^_^; こちらの記事に詳しいです↓
結婚式で弾きたいクラシックのピアノ曲10選|余興演奏におすすめのソロ曲を難易度順に紹介!
‥というわけで結婚式で弾くのにふさわしいかどうかはともかく、甘いメロディ、情熱的に盛り上がる中間部、華麗なパッセージなど、ありとあらゆる人に愛される、憧れの名曲であるといえるでしょう。
「愛の夢」と共に「コンソレーション」も収録されたこちらの楽譜はお得感アリ↓
ソナタ Op.27-2「月光」
- 曲名:ピアノソナタ嬰ハ短調 Op.27-2『幻想曲風ソナタ』(Sonate Op.27-2 “Sonata quasi una Fantasia”)
- 作曲者:ベートーヴェン(L.v.Beethoven,1770-1827)
- 難易度:上級B
- 収録:ピアノソナタ集(各社)
- 演奏時間:約16分
「月光ソナタ」として知られる、おそらくベートーヴェンの全作品中「エリーゼのために」と同じくらい有名なピアノ曲。
ただしこの曲、「エリーゼ」とは違いピアノを習っていれば誰でも弾けてしまいそうな曲では全くありません。
「月光」の由来であるゆっくりとした幻想的な1楽章、可憐な2楽章の後に控える3楽章が、かな〜り至難なのです。
管理人、音高か音大時代か忘れましたが後期試験の課題曲としてこの曲に挑戦。なかなか大変でした(;´Д`A
テンポはできるだけ速く、しかも音の粒を揃えて端正かつ正確に。
ベートーヴェンなのでペダルはごく控えめに。それでいて強弱の振れ幅大きくダイナミックな表現が求められます。
とはいえ大好きな曲だからこそ頑張ろうと思うもの。この曲に挑戦する人はみな同じように感じるのではないでしょうか。
ベートーヴェン三大ソナタが掲載されたこちらの楽譜はお得感あり。
ポロネーズ Op.53「英雄」
- 曲名:ポロネーズ 変イ長調 Op.53(Poloneise Op.53)
- 作曲者:ショパン(F.F.Chopin,1810-1849)
- 難易度:最上級
- 収録:ポロネーズ集(各社)
- 演奏時間:約7分
難曲の多いショパン作品中、おそらくは最も華麗かつ有名な曲。
ピアノを学ぶ人にとって、ひとつの到達点であり最終目標のひとつといえましょう。
「英雄」とはショパンが名付けたタイトルではありませんが、この作品の特徴をよく表しています。
ポロネーズ Op.53については以下の記事で解説しています。↓
ショパンの有名ピアノ曲作品10選|曲の難易度と背景/特徴・演奏上の注意点を年代順に解説!
ラ・カンパネラ
- 曲名:パガニーニによる大練習曲 第3番嬰ト短調『ラ・カンパネラ』(Grandes études de Paganini No.3 “La Campanella”)
- 作曲者:リスト(F.Liszt,1811-1886)
- 難易度:最上級
- 収録:「パガニーニによる大練習曲」(各社)
- 演奏時間:約5分
ピアノを弾く人なら誰もが知る難曲「ラ・カンパネラ」。
ニコロ・パガニーニによるヴァイオリン演奏を聴いたリストが衝撃を受け、協奏曲第2番3楽章ロンドの主題を用いて作曲しました。
「ラ・カンパネラ」の主題を扱ったリストの作品は全部で4曲ありますが、現在ではほぼ本作品のことを指すようになっています。
日本ではフジコ・ヘミング氏の演奏により一般にも知られるようになりました。
「ラ・カンパネラ」とは「小さな鐘」の意。ラフマニノフの「鐘」とは違い高音が中心の繊細な音が特徴です。
なのでこの曲では、これでもかとテクニックを見せびらかすようなド派手な演奏は似合いません。
キラキラと透明感のある、洗練された雰囲気の演奏ができたら素敵だと思います♪( ´▽`)
「ラ・カンパネラ」だけでなく本記事で紹介した曲の多くが掲載されています。↓
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以下のサイトでは各曲の難易度検索ができます↓
まとめ
ピアノ上級者向きの有名曲、難曲についてお伝えしました。
発表会や弾き合い会では、あなたのような上級者は他の学習者たちのあこがれの的。
「いつかはあんな風に弾けるようになりたい」と羨望の視線を浴びているのでは?
どうかこのまま、ピアノという楽器との旅をお続け下さいますように。
それが後に続く学習者たちへのメッセージであり、上級者としての責務でもあるのです。
あなたの鍵盤の旅が、より輝かしいものでありますように!
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