結婚式で弾きたいクラシックのピアノ曲10選|余興演奏におすすめのソロ曲を難易度順に紹介!

ピアノの得意なあなたに、友人や親戚から結婚式への招待状が届いたとしましょう。

「披露宴の余興で、何か一曲ピアノを弾いてくれない?」と頼まれたら何を弾きましょうか?

「何か一曲といわれましても‥(汗)」とお悩みのご様子。

でもせっかくのおめでたい機会。新郎新婦のためにも、ここは一肌脱ぎたいところです。

とはいえ普通のパーティなどと違い、結婚披露宴の余興としてピアノを演奏するなら、やはりそれなりに気を付けるポイントはあります。

そこで本記事では「結婚式で余興として弾きたいクラシックピアノのソロ曲」を選定してみました。

比較的簡単に弾ける曲から難易度の高い曲まで10曲並んでいます。ご参考になれば幸いです!

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「結婚式の余興で弾くピアノ曲」を選ぶ際のポイント

ウェディングケーキ

結婚式の披露宴でピアノの余興演奏をする場合、注意すべきポイントは3つあります。

  • おめでたい席にふさわしい曲
  • BGMで使われやすい曲は避ける
  • 曲の背景を考慮

 

何しろ、これ以上ないほどにおめでたいシチュエーション。やはりその場にふさわしい、明るく前向きな雰囲気の曲を選ぶべきと考えます。

もちろんそんなことは気にせず、「弾きたい曲を弾く」のもアリかもしれません。

それでもやはり「革命」や「別れの曲」は避けるべきではないでしょうか?σ(^_^;)

晴れの日を寿ぎ、新郎新婦を祝う気持ちを第一に考えれば、自ずと相応しからぬ曲は除外できるものと考えます。

 

結婚式の余興で披露するピアノ曲は、式進行のBGMで使われやすい曲とかぶらない方が無難。

なので本記事では「結婚行進曲」などは除外しました。

また最近の結婚式ではポップス系の曲がBGMとして使われることが多い模様。よって、クラシックのピアノソロ曲を中心に選定しました。

 

クラシックの曲には、それぞれの「背景」となるストーリーがつきもの。結婚式の余興で演奏する曲を選ぶ際にはそれらを考慮する必要があります。

例えばモーツァルトの「フィガロの結婚」というオペラ。題名はともかく、内容はとても結婚式にふさわしいとはいえないものσ(^_^;)

頼まれても結婚式の披露宴で歌うオペラ歌手はいないと思われます。

同じようにピアノ曲も、題名が「結婚」や「愛情」を示唆するものであっても曲の背景を確認した方が無難です。

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「結婚式の余興で弾きたいクラシックピアノ曲」一覧

レストランの白いピアノ

一覧

中級〜上級者レベル向きの「結婚式で弾きたいクラシックピアノ曲」一覧は以下の通りです。

  1. バウムクーヘン(湯山昭)
  2. 歌の翼に(メンデルスゾーン)✳︎
  3. ワルツ Op.83-1(デュラン)
  4. ロマンス Op.44-1(ルビンシュタイン)
  5. ノクターン Op.9-2(ショパン)
  6. デュエット Op.38-6(メンデルスゾーン )
  7. 愛の挨拶 Op.12(エルガー )✳︎
  8. トロルドハウゲンの婚礼の日 Op.65-6(グリーグ)
  9. 愛のワルツ Op.57-5(モシュコフスキー)
  10. 献呈(シューマン=リスト)

✳︎はピアノ曲への編曲作品です。

「愛の夢」を選ばない理由

ところで、上の一覧表をご覧になってお気づきではないでしょうか。「あれ?リストの『愛の夢」がない。管理人忘れてるんじゃ?」と。

「愛の夢」第3番は、フライリヒラートというドイツの詩人の詩に触発されて作曲した歌曲を、リスト本人がピアノ曲に編曲したもの。

問題は元になったその歌詞です。

 

はじめは「愛しうる限り愛せ」と、なんとも情熱的。

ですがこの先の歌詞は「いつかあなたは墓の前に立って嘆き悲しむ時が来るであろう」

「間違ったことを言ってしまったすぐ後に後悔しても遅い」「彼は去ってしまうだろう、嘆きと共に」‥( ̄▽ ̄;)

「だから愛しうる限り愛せ」と、このように締め括られます。(バリトン歌手 井上雅人氏の公式ウェブサイトより)

バリトン 井上雅人公式ウェブサイト

「愛の夢」第3番の歌詞は、恋愛の歌というよりはむしろ詩人が愛する肉親を失った際の心情が色濃く反映されているとのこと。

この事実を管理人が知らなければ「愛の夢」を大いに推奨したところですが、たまたま知ってしまっているためにおすすめできないという訳なのです。

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【中級レベル】結婚式の余興で弾きたいクラシックピアノ曲

本格的なバウムクーヘン

以下、比較的難易度の低い曲から高いと思われる曲の順に各曲を解説します。

作品の日本語のタイトルとともに可能な限り原題を記載。また作曲者の氏名、不明な場合をのぞき生年と没年を記載しました。

なおピアノ曲の難易度は、テンポの設定や弾き方、演奏者の体格や手の大きさによってかなり違ってきますので注意が必要です。

本ブログの「難易度」設定についての詳しい説明はこちらの記事に詳しいです↓

ピアノ曲の「難易度」とは?レベル設定と基準について解説!入門から最上級まで

バウムクーヘン

  • 曲名:バウムクーヘン
  • 作曲者:湯山昭(1932-)
  • 難易度:中級A
  • 収録:お菓子の世界(全音楽譜出版社)
  • 演奏時間:約2分

 

バウムクーヘンはスポンジ生地の年輪のような模様から「長寿」や「繁栄」を表すおめでたいお菓子。結婚式の引き出物に使われることも多いものです。

湯山昭氏によるピアノ曲「バウムクーヘン」は、華やかで演奏効果が高い割に難しくないので新郎新婦による余興演奏などにもぴったり。

弾き方はこちらの記事に詳しいです↓

「バウムクーヘン」はピアノ発表会にぴったり|難易度比較と弾き方のコツを解説

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歌の翼に

  • 曲名:歌の翼に(Auf Flügeln des Gesanges)
  • 作曲者:メンデルスゾーン(F.Mendelssohn, 1809-1847)
  • 難易度:中級B
  • 収録:全音ピアノピースNo.70
  • 演奏時間:約2分10秒

 

裕福な銀行家の息子として生まれ、幼い頃から天才の名をほしいままにしたメンデルスゾーン。

多数の言語を操り、文学や絵画にも才能を発揮しました。妻との間に5人の子どもをもうけています。

「歌の翼に」の歌詞はハイネの詩集「歌の本」から採られたもの。メンデルスゾーン によって世界的に有名になりました。

その歌詞の日本語訳を一部記します。

歌の翼に愛しい君を乗せて ガンジスの野辺へ行こう
僕は知ってる
そこは最も美しい場所

そこは赤い花が咲き誇る庭
静寂の中 月は輝き
スイレンの花 愛する乙女を待つ

(中略)

僕等は椰子の木の元に降り立ち
愛と平穏を満喫し
幸福に満ちた夢を見よう

(ウェブサイト「世界の民謡・童謡」より)

webサイト「世界の民謡・童謡」

‥なんて素敵な歌詞。これ以上の説明は不要ですね♪( ´▽`)

ピアノソロのための編曲も、分散和音を散りばめた上にあの旋律が浮かび上がってきてくる流麗なものです。

ワルツ Op.83-1

  • 曲名:ワルツ(Valse Op.83-1)
  • 作曲者:デュラン(M.A. Durand, 1830-1909)
  • 難易度:中級C
  • 収録:全音ピアノピースNo.99
  • 演奏時間:約4分

 

デュランはフランスの作曲家でオルガニスト。楽譜出版社のデュラン社を設立したことで音楽界に大きく貢献しました。

ピアノ曲の分野では特にこのワルツOp.83の第1番が有名です。

明るく華やか、それでいてワルツらしく優雅。長さも手頃で聴き映えもバッチリという嬉しい曲(^○^)

レベル的にもそれほど難しくはなく、チェルニー30番後半〜40番程度でOK。最後は大いに盛り上がって宴を彩ってくれることでしょう!

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【中上級レベル】結婚式の余興で弾きたいクラシックピアノ曲

グランドピアノのイメージ

ロマンス Op.44-1

  • 曲名:ロマンス(Romance Op.44-1)
  • 作曲者:ルビンシュタイン(A.Rubinstein.1829-1894)
  • 難易度:中上級A
  • 収録:全音ピアノピースNo.132
  • 演奏時間:約3分

 

ロマンスとは、もともと中世の吟遊詩人により歌われた騎士物語や恋愛歌のこと。のちに叙情的な旋律美を持つ器楽曲としての性格を持つようになりました。

アントン・ルビンシュタインはロシアのピアニスト・作曲家。

ロシア人として初めて世界的な名声を得たピアニストで、ロシア初の音楽教育機関であるサンクトペテルブルグ音楽院を創設しました。

この「ロマンス」は彼のピアノ曲「ペテルブルグの夜会Op.44」の第1曲。

詩的で穏やかな旋律が、終盤にかけて切なく高揚していくのは感動的。作曲者自身が深く愛した曲であるとも言われています。

愛し合う二人のために、情感を込めて歌い上げて頂ければと思います♪( ´θ`)

ノクターン Op.9-2

  • 曲名:ノクターン(夜想曲)Op.9-2(Nocturne Op.9-2)
  • 作曲者:ショパン(F.F. Chopin, 1810-1849)
  • 難易度:中上級A
  • 収録:ショパン ノクターン集(各社)
  • 演奏時間:約4分

 

ショパンは生涯結婚しませんでしたので、今ひとつ結婚式向きの作曲家ではないかもしれません(汗)

それでも、結婚式といえばやはりこの曲は外せないでしょう。

1956年のアメリカ映画「愛情物語」のテーマ曲としても知られています。

ショパンのノクターン(夜想曲)Op.9-2の解説はこちらからどうぞ↓

ショパンの有名ピアノ曲作品10選|曲の難易度と背景/特徴・演奏上の注意点を年代順に解説!

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ショパン/夜想曲(ノクターン)Op.9-2

デュエット

  • 曲名:無言歌集Op.38-6「デュエット」(Lieder ohne Worte Op.38-6 “Duetto” )
  • 作曲者:メンデルスゾーン(F.Mendelssohn, 1809-1847)
  • 難易度:中上級B
  • 収録:無言歌集(各社)
  • 演奏時間:約2分50秒

 

愛妻家だったメンデルスゾーンの作品からもう一曲。

ピアノ曲の代表作「無言歌」のうち、Op.38の第6番は作曲者自身により「デュエット(二重唱)」と名付けられています。

分散和音の伴奏に乗って、まるで女性と男性が会話しているかのような甘い旋律のやりとりが全曲を通して聴こえてきます。

変イ長調の優雅な雰囲気の曲ですが、途中で短調に転調し、やや不穏な雰囲気にσ(^_^;)

それでもやがて和解するかのように、後半には「二人で」同時に朗々と歌い上げ、最後は穏やかに締め括られます。

ちなみに作曲者は『二つの声はきわめて明瞭に浮き出していなければならない』と書き添えています。

愛の挨拶

  • 曲名:愛の挨拶(Salut d’amour Op.12)
  • 作曲者:エルガー(E.W.Elgar,1857-1934)
  • 難易度:中上級B
  • 収録:全音ピアノピースNo.236
  • 演奏時間:約3分

 

エルガーはイギリスの作曲家・ヴァイオリニスト・音楽教師。初代「準男爵」に叙されており正式名にはサー(Sir)の称号が付きます。

管弦楽曲「威風堂々」は特に有名ですね。

「愛の挨拶」は妻となる女性に婚約記念として贈った曲で、エルガー自身の手によりピアノ独奏、ピアノとヴァイオリン、管弦楽など複数の稿に編曲されました。

ピアノ独奏用の編曲はなかなか難しく、挑戦しがいのある作品です。

ちなみにこの女性はエルガーのピアノの生徒で8歳も年上。年齢差と身分違いのため彼女の両親は大反対しましたがそれを押し切り、結婚に漕ぎ着けたのです。大恋愛だったのですね(*´꒳`*)

彼女はその後、72歳で世を去るまでエルガーの秘書兼マネージャーとして彼を支え続けました。二人の間には娘も生まれています。

【上級レベル】結婚式の余興で弾きたいクラシックピアノ曲

聖母マリア像

トロルドハウゲンの婚礼の日

  • 曲名:トロルドハウゲンの婚礼の日(Byllupsdag på Troldhaugen Op.65-6)
  • 作曲者:グリーグ(E.H.Grieg, 1843-1907)
  • 難易度:上級A
  • 収録: 抒情小曲集(各社)
  • 演奏時間:約6分

 

裕福な商家に生まれ、ピアニスト・作曲家として活躍し、北欧の音楽の発展に大きな貢献を残したグリーグ。

1885年、妻とともにベルゲンに近い土地に移り住み、そこを小柄な夫妻自身になぞらえて「トロルドハウゲン(小さな妖精の丘)」と名付けました。

「トロルドハウゲンの婚礼の日」は、この地で作曲された「抒情小曲集」の中の一曲で、銀婚式の日に妻ニーナに贈った作品。

威勢の良い行進曲風のリズム、素朴で大らかな賑やかさ、響き渡るお祝いの鐘の音などが特徴的かつ魅力的です。

祝祭の気分に満ちた幸せ感あふれる曲調は、まさに結婚式で演奏されるために存在するかのよう。

途中しっとりと歌い上げる場面もあり、演奏者の腕の見せどころとなっています。

愛のワルツ

  • 曲名:愛のワルツ(Liebeswalzer Op.57-5)
  • 作曲者:モシュコフスキー(M.Moszkowski, 1854-1925)
  • 難易度:上級A
  • 収録:モシュコフスキー ピアノ曲集(音楽之友社)
  • 演奏時間:約5分20秒

 

モシュコフスキーはポーランド出身のユダヤ系ピアニストで作曲家。特にピアニストとして高い評価を得ました。

作曲家としては、上品なサロン風の曲調が当時のヨーロッパで人気となり名声を得ました。ピアノ曲では「15の練習曲」が有名です。

「愛のワルツ」は、『春』と題されたOp.57のピアノ小品集第5番。ちょっとショパンを意識している?優雅で華やかなワルツです。

問いかけるようなイントロの後、この上なく印象的な主題の第1ワルツが。甘くて軽やかで実にロマンチック♪( ´▽`)

その後も華麗なパッセージや装飾的な音型が次々に繰り出されて、聴く人を飽きさせません。

シャンデリアの輝くゴージャスな会場、エレガントに着飾った出席者たち。そんな優雅で洗練された結婚式の披露宴にふさわしい、大人のワルツと申せましょう。

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献呈

  • 曲名:献呈(Widmung Op.25-1)
  • 作曲者:シューマン=リスト(R.Schumann= F.Liszt, 1810-1856, 1811-1886)
  • 難易度:上級B
  • 収録:リートによる15のピアノ小品集(Lieder-Bearbeitungen)
  • 演奏時間:約3分50秒

 

「結婚式にふさわしいピアノ曲」のラストを飾るのはこの曲しかありません。そう、あなたもご存知の「献呈」。

シューマンが愛妻クララに捧げた歌曲集「ミルテの花」第1曲で、歌詞は「君はわが魂、君はわが心、君はわが喜び、ああ我が苦しみ‥」という情熱的なもの。

夫妻の友人だったリストが絢爛豪華なピアノ独奏曲に編曲し、結婚式でのピアノ演奏の定番となりました。

生き生きとしたテーマはドイツ語の歌詞にぴったりとリンク。途中転調し鎮静しますが、後半は情熱的かつゴージャスに盛り上がります。

最後にシューベルト作曲「アヴェ・マリア」の一節が登場。マリア様の前で永遠の愛を誓うということでしょうか。ロマンチックです。

ちなみに「ミルテの花」は花嫁が飾りに使うものだとか。シューマンのクララへの愛情が伺えますね(*^◯^*)

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以下のサイトでは各曲の難易度検索ができます↓

ピティナピアノステップ課題曲検索

まとめ

花嫁のブーケ

結婚式の披露宴で余興として弾きたいピアノ曲、代表的な10曲についてお伝えしました。

 

実は若かりし頃、管理人も披露宴でのピアノの余興演奏を何回か頼まれたことがあります。

当時はあまり深く考えず、その時取り組んでいた曲の中から雰囲気の明るい曲を選んで弾いたのを覚えています(愛の夢ではありませんでした笑)。

何しろ、当時はまだインターネットなどというものはなく、今のように簡単に適当な曲の検索もできない世の中。

あの頃もう少し自分に知識があれば、もっとふさわしい曲が選べたのにな〜と今更ながら残念に思っています。

 

この記事のテーマを思いついたのはそんな理由から。

二人の門出を祝う結婚式の披露宴を盛り上げるべく、曲選びのご参考にして頂ければこんな嬉しいことはありません。

 

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