グランドピアノのオーバーホールと買い替えはどちらがおすすめ?メリットとデメリットを考える
長年弾いてきた、愛着のあるピアノ。
毎年調律をしながらていねいに使ってきたけれど、古くなって音の狂いが頻繁に起こり、このまま弾き続けることが困難になってきました。
調律師からオーバーホールを勧められましたが、その費用はかなり高額。正直、買い替えとどちらにすべきか迷っています。
本記事は、ピアノのオーバーホールor買い替えの選択を迫られている管理人の悩みと逡巡の記録です。
同じ悩みを抱えるあなたのご参考になれば幸いです。
管理人の愛機「YAMAHA C3B」との半世紀近くにわたる思い出の数々はこちら↓
我が友「YAMAHAグランドピアノ C3B 1970年代製」との日々|45年を共有した「相棒」のこと
目次
オーバーホールvs買い替え おすすめは?
グランドピアノのオーバーホールと買い替えはどちらがより「おすすめ」か。これは「人による」というのが最も適切な答えです(^○^)
なぜなら、家電製品などと違って楽器との付き合い方は非常に個人的な営み。
ピアノという楽器に求めるもの、ピアノとの距離感や日々の練習時間、ただの趣味なのかそれとも人生をかけて打ち込んでいるのか?
‥などなどによって変わってくるためです。
100人のユーザーがいれば100通りの考え方があると言っても過言ではありません。
ただざっくりと結論づけるとすれば、費用を少しでも安くすませたければオーバーホール、多少高くなっても良いと考えるなら買い替えに軍配が上がりそう。
以下、比較検証して参りたいと思います。
ピアノのオーバーホールとは
そもそもピアノのオーバーホールとは何でしょうか?
ピアノを専門工房に預けて分解し、弦、ハンマー、フェルト、チューニングピンなどの部品を全て新しいものに取り替え、再度組み立てる作業のこと。
古くなったピアノの内部を新しい部品に交換することで、ピアノを再び本来の性能に近づけることができるとされています。
いわばピアノの「若返り手術」のようなもの。
ピアノ本体の外枠はそのままなので、買い替えよりも費用を抑えることができるという利点があります。
難点はやや時間がかかること。管理人は調律師から「2ヶ月〜3ヶ月程度の期間が必要」と言われました。
グランドピアノのオーバーホールの工程はこちらの記事に詳しいです↓
オーバーホールと買い替えの費用比較
まずはオーバーホールと買い替え、それぞれににかかる費用を調べてみました。
オーバーホール
オーバーホールにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。サイズはヤマハのC3クラスの機種とします。(税別・運送料別途)
- スガナミ楽器:50〜80万円程度
- ヤマハ:機種・年式・状態により異なる(70万円〜「最安修理ドットコム」比較)
- カワイ楽器:弦関連一式交換844,800円〜
- Y.Kピアノファクトリー:850,000円
ご覧のようにグランドピアノのオーバーホールには、アップライトピアノが余裕で買えるくらいのお金がかかるということがわかりました。
うむ、これは思ったよりもかかりますね〜(ーー;)
しかも、期間が2ヶ月以上必要なので管理人の場合ピアノをレンタルしなければならず、またその際の運送費も負担しなければなりません。
買い替え
それでは楽器の買い替えにかかる費用はどうでしょう。中古は状態に差があるため、新品のコンパクトサイズのもので比較しました。
メーカー | 機種 | 奥行き | 価格(税込み) |
ヤマハ(YAMAHA) | GB1K | 151cm | 1,386,000円 |
C1X | 161cm | 2,145,000円 | |
カワイ(KAWAI) | GL-10 | 153cm | 1,430,000円 |
GX-1 | 166cm | 2,200,000円 | |
ディアパソン(DIAPASON) | DG-166 | 166cm | 2,310,000円 |
ボストン(BOSTON) | GP-156 PE II | 156cm | 2,695,000円 |
エンシュウ(ENSCHU) | E150 | 150cm | 1,265,000円 |
当然といえば当然ながら、やはりオーバーホールとはケタがひとつ違いますねσ(^_^;)しかも運送費が別にかかります。
概ねサイズの大きい機種は高く、小さいと手の出やすい価格に設定されています。
ヤマハの一番小さいサイズのものは6畳間でも設置できるコンパクトグランドピアノ。インドネシア工場製でコストを抑えています。
スタインウェイ&サンズが設計しカワイ楽器が製作する「ボストン」は、サイズの割にやはり高額。
試弾させて頂いたところやはり独特のキラキラ感があって、好きな人は多そうです。
「エンシュウ」は、2019年に設立された最も新しい国産のピアノメーカー・遠州楽器製作株式会社の製品。
宣伝費をかけず、SNSやストリートピアノの設置などで浸透をはかっています。
まだあまり知られていないブランドのためか、グランドピアノとしてはかなり求めやすい価格です。
オーバーホールのメリットとデメリット
グランドピアノを買い替えずに、オーバーホールするメリットとデメリットを考えてみました。
メリット
- 愛着のある楽器を手放さずにすむ
- 買い替えに比べると費用がかからない
- 買い替えに比べると安心感がある
やはり楽器を手放さずにすむ安心感は大きいですね。費用面も無視できません。
デメリット
- 2ヶ月〜3ヶ月程度の期間が必要
- その間ピアノが使えないためレッスン・練習が不可能に
- レンタルピアノを借り受けるとその分の費用がかかる
その他、内部が新しくなっても外枠が古いままなので,まれに良い状態に戻らないケースがあるらしいです。
確かに、オーバーホールは人間で言うところの大手術のようなもの。
楽器は繊細かつデリケートなので、特に古いピアノではオーバーホール後の状態は様々な要因に左右されるリスクがあるのかもしれません。
買い替えのメリットとデメリット
次にグランドピアノを買い替えるメリットとデメリットを考えてみました。
メリット
- ピアノが不在になる期間がほとんどゼロ
- レンタルピアノの費用がかからない
- 今より小さなサイズも選べる
その他のメリットとしては、手持ちのピアノの状態が良ければ売却した際にそれなりの値段が付くはず。
それを新しい楽器の購入費用に充てることができるという点でしょう。金額によっては相当に助かるかも‥。
デメリット
- オーバーホールより費用がかかる
- 楽器に馴染むのに時間がかかる
- 新しい楽器との相性が不安
当然ですが、オーバーホールのメリット・デメリットとはほぼ真逆の結果になりました。
またすでに若いとはいえない管理人が、今から新品のグランドピアノを購入してもあと何年弾けるかわからないという難点もσ(^_^;)
ただ、今は人生100年の時代。そんなに後ろ向きに考える必要はないとの心の声も聞こえてきます(笑)。
まとめ
以下、グランドピアノの「オーバーホールと買い替えはどちらがおすすめか」についてまとめてみました。
- 一人ひとりのユーザーのピアノとの付き合い方により結論は変わってくる
- 費用を節約したければオーバーホール、そうでない場合は買い替えが良さそう
- オーバーホールの主なメリットは楽器を手放さずにすむことと費用を抑えられること
- オーバーホールの主なデメリットは2〜3ヶ月の期間がかかることとまれに合わないリスクがあること
- 買い替えの主なメリットはピアノをレンタルする必要がないことと古い楽器の売却金が見込めること
- 買い替えの主なデメリットはオーバーホールより費用がかかることと新しい楽器に馴染むのに時間がかかること
‥さて。これらの検証を踏まえて、管理人は「買い替え」の方に傾いてきています。
オーバーホールにしろ買い替えにしろ、現在のピアノの気になる症状が改善されることが費用をかける大前提なわけでありまして、それが完全に保証されないのではちょっと不安‥。(><)
やはり管理人にとって、ピアノはなくてはならない存在。費用を節約することで後悔したくありません。
もちろん愛着のあるC3Bのその後の運命も気にはなりますが、むしろ第二の人生(?)もこの子にとってアリなのではないかと‥
管理人と一緒では、この子は相変わらず狭い家の中で常に大屋根を閉じたまま、その性能を発揮できずに終わる可能性が高いです。
私の元を離れれば、もしかしたらアジアなど海外のお金持ちのおうちにお嫁()に行って、そこで思う存分歌わせてもらえるかもしれません。
どこかの学校や公共の施設などに行って、グランドピアノ本来の姿で使ってもらえるかもしれません。
そんなことを考えつつ、少しでもこの子にとって良い引き取り手を探すため、また色々調べてみようと思っています。
最後までお読み下さってありがとうございます♪( ´▽`)
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