ピアノを買い替えるときのタイミングは?電子ピアノ/アップライト/グランド それぞれの場合
「愛用してきたピアノ(電子ピアノ)だけど、弾くときに違和感を感じるようになってきた。
これはそろそろ買い替えが必要かも‥。でも気に入ってる楽器だしもう少し大丈夫?いやそろそろ??」
ピアノを学ぶのは長丁場なので、ある程度のレベルになるとこんな悩みが生まれることでしょう。
とはいえ、ピアノの買い替えには大きな資金が必要。庶民が簡単にポンと出せる金額ではないので迷う人も多いのではないでしょうか。
(電子)ピアノを買い換えるタイミングは、楽器の経年劣化だけでなく学習者のレベルや周囲の状況によっても変わってきます。
どのタイミングでの買い替えがベストか、電子ピアノ・アップライトピアノ・グランドピアノそれぞれのケースで考えてみたいと思います。
目次
ピアノを買い替える理由
ピアノの買い替えを検討すべきなのは、以下のような状況が生じたときです。
- 調律をしても頻繁に音が狂う
- 一部の鍵盤が上がらなくなった
- 鳴らない音が出てきた
- 演奏していて物足りなさを感じるようになった
- ピアノが思うように反応してくれないと感じる
- 引っ越しによるサイズアップ/ダウンの必要性
この他にも様々な症状・状況が考えられます。以下、各楽器ごとに考えてみましょう。
電子ピアノの買い替え
電子ピアノ→電子ピアノへの買い替えは、あまり一般的とはいえませんが十分にあり得ること。
ピアノを習い始める時期に「いつまで続くか分からないから」と、5万円程度の安価な電子ピアノを購入してしまったケースです。
電子ピアノというものはきれいに性能とお値段が比例するので、学習者が順調に上達すると安価な楽器ほど物足りなくなっていきます。
「物足りない」とは、例えば以下のような状況です。
- 強弱(f、p)の幅が出ない
- スタッカートやスラーが表現できない
- 音色が単調
- 一度に出せる音数が少ない
- 鍵盤の反応が鈍い
これらの症状は、ある程度の価格の電子ピアノに買い換えることで低減すると思われます。
クラシックピアノのレッスンに耐えるには、最低でも25万円〜程度の楽器が適当。
またごく一部ですが、電子ピアノではなくキーボードでピアノレッスンを受けている人がいると聞いたことがありますσ(^_^;)
この場合はいずれ鍵盤数が足りなくなりますので、買い替えどきははっきりわかることでしょう。
電子ピアノでクラシックのレッスンを受けている人は、ある程度のレベルになればアップライトピアノに買い換えるのがベスト。
ただ集合住宅では音の問題があり、簡単にいかないのが実情です。
そんな時は電子ピアノのグレードを上げてみて下さい。さぞかし違った景色が見えてくることでしょう。(^_^)v
一例がこちら、YAMAHAクラビノーバ745PE。グランドピアノのような弾きごこちと強弱の幅を実現した人気モデルです。
電子ピアノからアップライトへの買い替え
電子ピアノ愛用者がアップライトピアノへの買い替えを検討すべきなのは以下のようなタイミングです。
- コンクール出場を目指すとき
- ソナチネを数曲終えた頃
- ショパンの作品を弾くようになった時
昨今の電子ピアノは実によくできており、通常の習い事の楽器としてなら十分にその役目を果たすことができます。
電子ピアノでコンクールに出場する人は珍しくはなく、中には上位入賞するケースもあることでしょう。
ただそれにも限度はあります。電子ピアノとアコースティックピアノはやはり別の楽器。
以下の記事に詳しいです↓
電子ピアノでも大丈夫?ピアノとの違いはどこにあるのでしょうか
また学習者が中級に入りソナチネを数曲学ぶと、モーツァルトやベートーヴェンのソナタへの入り口に立つことができるようになります。
さらにショパンのピアノ作品を弾こうとするとき、演奏者はピアノという楽器を極限まで「歌わせる」ことを求められます。
このレベルになると、残念ながら電子ピアノでは演奏者の要求レベルを満たすことができなくなります。
要はピアノ学習者が順調に上達し、ある一線を超えたとき、学習者のピアノの技量が電子ピアノの性能を超える瞬間がやってくるのです。
こうなったら、ぜひアコースティックなピアノ への買い替えを考えてみて下さい。
ピアノを一生の趣味とできるだけの技量を身につけた、ご自分へのご褒美と考えてみてはどうでしょう(^○^)
アップライトピアノからグランドへの買い替え
アップライトピアノ からグランドピアノへの買い替えを図るときとは、このような場合が多いものです。
- 音大/音高受験前
- 音大/音高入学後
- 師事する先生に求められた
- 広い家への引っ越し
- 学習者がアップライトに物足りなさを感じたとき
音大ピアノ科や音高への受験を考えるとき、ピアノの先生からグランドへの買い替えを打診されるケースは多いのではないでしょうか。
かくいう管理人も音高受験時にお声がかかったそのひとり。
ただし実家の資金に余裕がなかったので、実際には音高合格後に買い替え(てもらい)ました。
実感としては、音大/音高受験そのものはアップライトピアノでもなんとかなるように思います。
電子ピアノとは違い、根本的な音の出し方はアップライトとグランドの両者に大きな違いはないからです。
ただこの辺りは微妙な問題というか、先生との阿吽の呼吸が必要σ(^_^;)
またコンクール出場などに際し、高名な先生に師事した際に求められるケースもありそうですね。
一般的な例ではありませんが、経済的に余裕のある家庭が広いお家に引っ越すことが決まった際、グランドピアノを置きたくなる場合があるようです。
残念ながら私の周りには該当者がいないのですが、イメージとしては立派なお宅の広〜いリビングに置かれた木目調のグランドピアノ。
大屋根を開けたグランドピアノにはアップライトにはない華があり、独特のゴージャスな雰囲気を醸し出します。
こんなグランドピアノの使い方、素敵ですよね(*゚▽゚)ノ
もうひとつ起こり得るケースは、ピアノを弾く人がアップライトピアノ に物足りなさを覚えたとき。
学習者が中級レベルを超えて中上級〜上級レベルに差し掛かると、おそらくは誰に言われずともグランドピアノが欲しくなってくるはずです。
それもそのはず。ピアノとは本来、グランドピアノのような姿をしているものなのです。
縦型のアップライトは、あくまでも場所を取らないための仮の姿。
微妙なタッチによる陰影、強弱の幅、深みのある音色、素早い同音連打、細かいトリル。‥演奏者のあらゆる要求に答えてくれるのは、やはりグランドピアノならではの特徴です。
住宅事情もあり、なかなかに難しい判断ではありますが、高い腕前を持つあなたならグランドピアノのオーナーになる資格はあります。
前向きに検討してみてはいかがでしょうか?
グランドピアノの買い替え
グランドピアノの買い替えとは?一体どのようなケースでしょうか。以下のような事例です。
- 高級ピアノへのグレードアップ
- 老朽化に伴う不具合
- サイズダウンが必要なとき
グランドピアノの買い替えは、多くの場合ピアノの先生が経験するものです。
音大時代に散々弾き込み、主宰するピアノ教室で生徒さんが弾き、さらに自身のコンサートや講師演奏でさらに練習。
いくらグランドピアノが頑丈な楽器とはいえ限度はあります。
経年劣化というよりオーバーユーズにより楽器がくたびれてきて買い替えを考えるピアノの先生は多く、その際には外国産の高級ピアノに対して食指が動く模様。
「いつかはクラウンに」じゃありませんが「いつかはスタインウェイに」「ベヒシュタインに」と考えるピアノの先生は多いものです。
グランドピアノの老朽化による不具合とは、まさに管理人が直面した問題。調律しても音が頻繁に狂い、音色が安定しなくなったのです。↓
我が友「YAMAHAグランドピアノ C3B 1970年代製」との日々|45年を共有した「相棒」のこと
こうなったら放置は不可能。「オーバーホール」も検討しましたが、買い替えが妥当という結論に達しました。↓
グランドピアノのオーバーホールと買い替えはどちらがおすすめ?メリットとデメリットを考える
日本の住宅事情ではピアノのサイズダウンの必要に迫られることは十分にあり得ます。
弾き手の高齢化による一戸建てからマンションやシニア住宅への引っ越しでは、できるだけ小さいグランドピアノが最適解となります。
音色や性能だけではピアノを選べなくなってくるという、冷徹な現実が迫ってくるわけです(;´д`)
まとめ
電子ピアノ、アップライトピアノ、グランドピアノそれぞれの、適切な買い替え時期はどのタイミングかをお伝えしました。
ピアノの買い替えは大きな仕事であり、資金とともに決断力が必要。
それぞれの楽器の愛用者にはそれぞれの事情があり、一概に「この時期がぴったり!」と断言はしづらいのが実際のところ。
とはいえ大まかな目安はお分かり頂けたのではないでしょうか。
ピアノ(電子ピアノ)を愛するあなたがより長く音楽を楽しむために、適切な時期に楽器を買い換えるのはごく自然なこと。
そのベストなタイミングを知るのに本記事がお役に立てればこんな嬉しいことはありません。
ところで、ピアノを買い替えるにはまず手持ちの楽器を売却しなければ‥。手放す愛機のことを考えるとちょっと切ないですが、これは必要な決断なのです。
そして、買い替えのためには資金が必要。できれば手持ちの楽器をできるだけ高く買い取って頂けるとありがたいですよね。
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管理人も試してみましたがとても有意義な体験でした。↓
ピアノ買い取り一括査定体験記|ヤマハの古いグランドピアノ C3Bの相場は?
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