子供がピアノを習い始めるのはいつからが良いでしょうか?

「ピアノを習うということ」そのものにフォーカスしたこのカテゴリー。

前記事が「ピアノをやめる」ためのものだったので、今回は「ピアノを始める」時期について書いてみようと思います。

ピアノという楽器は、子どもが何歳になったら始めるのが適当なのでしょうか。

 

子どもの発達には個人差がありますし、またこの点については色々な考え方があります。

なので正解というものはないと言えるのですが、やはり一定の傾向というのはあります。

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子供がピアノを習い始める時期の目安

ピアノを弾く幼児

お子さんが生まれて数年が経ち、幼稚園に入園する頃になると、周りでは何人かのお友達がピアノやエレクトーンを習い始めます。

そこで気になり始める、「ピアノをいつから習わせるか」という大命題。

特に女の子のママたちにとっては「バレエ」と「ピアノ」をいつから習わせるかというのは一大関心事な模様です。

なぜか我が国では、ピアノの発表会であこがれの曲をゲットする法 で書いたように、ピアノは女の子の習い事という風潮ですので。

その是非はともかくとして、子どもがピアノを習い始めるために必要な要素を、教える立場からいくつか挙げてみたいと思います。

① 音楽に対する興味があるか(歌や踊りが好きかどうか、など)

② ある程度、教師の語りかけを理解して指示通りに動けるかどうか

③ 一定時間座っていられるかどうか

④ 文字情報に興味があるか

 

上は、ピアノを、歌やリズム練習のためのツールではなく、あくまで「楽器として演奏する」ことを目指すために必要な要素です。

① 以外は、個人差はありますが、幼稚園年長くらいになれば身についてくることが多いです。

なお、小学校では全員②〜④をクリアしているものとして授業が進められます。

なので、やはりピアノを習い始めるのは年長〜小学校入学前後というのが1つの目安になりそうです。

 

ただ、これはあくまでも一般的な例。

全ての子どもたちに当てはまるわけではありません。

なかにはとても早熟で、年中くらいで全ての文字を読めるようになっている子もいますし、小学校に入学してから伸びてくる子もいます。

 

また、ピアノを弾くことに主眼を置くのではなく、リトミックなどの音感教育や、リズム感を養うことを目的として入会してくるケースもあります。

その場合、保護者の方々は、ピアノを楽器として学ぶというより、幼児教育のツールとして、あるいはお友達作りの場としてとらえることが多いようです。

なのでお子さんがまだ文字が読めなくても、座って先生の話に集中できなくても問題とはなりません。

 

さて、この記事を読んでくださっているあなたは、何を求めてお子さんにピアノを習わせようとしていらっしゃるのでしょうか。

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子供がピアノを習い始める年齢と理由の関連性

ピアノを弾く幼女の後ろ姿

そこそこ高額で、かなり場所を取るピアノ。

これをご自宅に用意しなければならないピアノは、習い事としてはなかなかハードルが高いですよね。

それでも、多くの親御さんたちはピアノ教室の門を叩きます。

保護者の方々は、何をピアノレッスンにお求めなのでしょうか。

 

私は、新しく生徒さんを迎え入れる時、いつも差し支え無い範囲でのアンケートをお願いしています。

その中に「ピアノを習いたい・習わせたいと思われた理由」という項目があります。

書いていただいた内容をご紹介します。

 


・音楽が好きでよく歌を歌ったりしているため、楽器の演奏ができたらさらに楽しめると思った

・音感・リズム感をつけさせたい

・本人の希望

・兄弟姉妹が習っていたので

・親が弾けるので、本人にも基本から学ばせたい

・親が弾けないので、本人には弾けるようになってもらいたい

・情操教育の一環として音楽という教養を身につけさせたい

・音楽を純粋に楽しんでくれたらと感じて

・ピアノという楽器を学ぶことを通して努力する習慣を身につけさせたい


 

私の教室では、上のような答えが主なものです。

どちらかというと、ご本人の希望というよりは保護者の方々のご希望によってピアノを始める傾向が強いように感じます。

例えば、

・親が弾ける(弾けない)ので‥

・情操教育の一環

・努力する習慣を

などはその典型でしょう。

保護者のご希望」系の理由ですね。

 

逆に、

・本人の希望

・音楽が好きそうだから

などは「ご本人の希望を尊重した」系と言えます。

 

 

さてここからがキモですが、私は、

「本人の希望」系の理由であれば低めの年齢、

「保護者の希望」系であれば若干高い年齢

でピアノレッスンを開始するのが良いのではと考えます。

どちらのご希望で始めるかによって、レッスンに何を求めるかが変わってくるからです。

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子供と保護者がピアノレッスンに求めるものの違い

ピアノ文字

保護者の方がピアノレッスンに求めるもの

なぜこのように分けて考える必要があるのでしょうか。

それは、ピアノが比較的低年齢のうちに開始されることの多い習い事だからです。

 

ピアノを習い始めるのが多い学年は上で書いた通り幼稚園の年長組あたり。

遅くとも小学校に入学した直後の一年生の間に、ほとんどと言っていい割合の生徒さんが開始しています。

つまり、5〜7歳がボリュームゾーンということです。

 

ただ、5歳と6歳、7歳ではかなり違います。

5歳では、まだ「ピアノを習う」ということの意味がよくわかっていないケースが多いです。(たまにわかっているお子さんもいますが)

なので、どうしてもご本人よりは保護者の意向が多く反映されて教室に入会する運びとなります。

 

そして、保護者の方々がピアノレッスンに求めるものは上記で書いた通り、

・努力の習慣 ・情操教育 ・弾けるようになってほしい

のように「真面目に練習すること」が必要な要素ばかり。

ある程度早く始めることで、少しでも先に進んでおきたいという意識が働くことは想像に難くありません。

ここに、ご本人の発達段階とのズレが生じることがあるのです

 

実際、5歳〜6歳の幼児に練習意識や努力義務を負わせるのはムリなことが多いです。

「ピアノを弾けるようになる」ことにフォーカスしすぎると、中にはお子さんが思うように練習せず、親子で疲れてしまう、などのケースが見られます。

子どもの発達はコントロールが効きません。

ムリは禁物なのです。

 

したがって、ピアノという楽器に本気で取り組むのであれば、「一定時間集中して何かに取り組むことのできる時期」まで待つのが良いと思われます。

子供本人がピアノを習いたいとき

それに対して、お子さんご本人が「ピアノを弾けるようになりたい」と希望して習い始めるケースもあります。

私がそうでした(笑)。

よく覚えていないのですが、友達の家や幼稚園に置いてあったピアノに触れるのが好きでガチャガチャ音を立ててばかりいたので、両親が根負けして始めることになったようです。

5歳で習い始めたのですが、毎日練習することはすぐに習慣化できたとのこと。

むしろ、ピアノの先生を変えたいときで書いたように、適当な先生を探すのに苦労したようです(母が)。

 

でも今はあの頃とは違います。

ピアノの先生はあちこちにいらっしゃるし、大手のピアノ教室、音楽教室、カルチャーセンターの子ども部門、など選び放題。

ご本人さえやる気になれば、特に都市部では条件にあったピアノの先生を探すのはそれほど難しくないでしょう。

 

そして、ご本人に「ピアノを弾けるようになりたい」と願う気持ちさえあれば、年齢が低めでも大丈夫です。

先生と保護者の方のサポート次第では、演奏の才能を伸ばしていくことも夢ではないでしょう。

特にコンクールへの出場などを考えるとなると、年齢ごとに設定された課題曲を弾きこなさなくてはなりません。

あまりのんびりしていると間に合わない、ということも起こり得ます。

音楽が好きで、鍵盤楽器に対する強い興味を示す様子が見えたなら、早めにピアノ教室の門をくぐるのもアリかもしれません。

 

 

それとは別に、仲の良いお友達が習っているから、などの理由でピアノを始めたいと思う子もいます。

その場合はあくまでも「楽しさ」を求めてのことでしょう。

ピアノが弾けたらカッコイイから、ちょっとステキかも、といった感じですね。

そんな彼らは、間違っても読めない楽譜の前でウンウンうなることを望んではいないと思われます。

子供がピアノを習い始める時期・まとめ

鍵盤と五線譜

まとめてみましょう。

・ピアノを習い始めるためには、一定の集中力や、楽譜に書かれた情報を目から読み取る力が必要

・上の能力は、一般的に幼稚園年長〜小学校入学する時点で身についてくるケースが多い

・したがって、ピアノは6〜7歳くらいで始めるのが一般的

・例外的に早熟なタイプのお子さんやオクテなタイプのお子さんはこの限りではない

・保護者の方の希望で「ピアノを楽器として学ぶ」のであれば、文字情報を目から取り入れられるようになった後が適当

・ご本人の希望で始める場合はもっと早い時期でも可能

・ただし「楽しさ」のみを求めて努力は苦手なケースも

 

‥結局なんやねん、という感じですね😅

なかなか一言で「何歳からが適当です!」と断言できません。

それほど、「いつから始めるのが良いのか」という質問にお答えするのは難しいのです。

保護者の方の希望、ご本人の希望、発達の仕方、周りのサポートの有無、何をレッスンに求めるか、

それらによっていかようにも変わってきます。

 

やはり、お子さんの様子をよくご覧になって適切と思われる時期を探って頂くのが一番と考えます。

そして、「迷った時は、早すぎるよりは遅め」がイイのではと思います。

準備ができていないのに無理に始めても、かえってピアノがキライになってしまっては困るからです。

 

この記事が、悩める保護者の方々の一定の指標になることを心から願っています。

 

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