ピアノの発表会であこがれの曲をゲットする法
あなたは、近々、発表会に出演される予定はありますか?
え、まだ半年も先なのに気が早すぎる、ですと?
そんなことはありません。
普段練習しているものよりも難しい曲を、人前で演奏できるくらいのレベルまで引き上げるのはなかなか大変です。
仮に半年先に本番があるのなら、そろそろ各先生方は一人一人の生徒さんの顔を思い浮かべながら発表会用の曲を探し始めている頃と思われます。
どうせなら、日頃からあこがれていたあの曲を弾いてみたい!というような希望はありませんか?
私達ピアノ教師にとって、発表会の曲決めは楽しくもなかなか骨の折れる作業です。
あの子にはこの曲がいいかな、この子にはこんな曲が合うかな、などと考えながら曲をリストアップし、似たタイプの曲が重ならないように配分していきます。
年齢に見合った曲かどうか、タイトルや雰囲気が幼稚すぎたりはしないか、男の子に「花の歌」はまずいかしら、なども気を遣います。
曲の長さも重要な要素です。
長すぎても短すぎても適切ではありません。
そして何よりも気を遣うのは、「誰もが知っている人気曲を、今年は誰に弾いてもらうか」です。
目次
ピアノの発表会でいつも人気の曲
誰もが知っていて、発表会の場で弾きたいと名前が上がる人気の曲というものがあります。
時代によって流行のようなものがあり、多少変わることもありますが、常に一貫して人気のある曲をここであげてみましょう。
なお、レベル分けは例によってざっくりです。
初級
ブルグミュラー 25の練習曲より 「アラベスク」‥定番中の定番。
ギロック (1917〜1993、アメリカ)「ガラスのくつ」「フラメンコ」など初心者〜初級者向きの一連の曲
久石譲 「となりのトトロ」「君をのせて」などのジブリアニメの主題
その他、ディズニーアニメの曲は常に幼稚園〜小学校低学年の女の子に特に人気です。
初中級〜
ブルグミュラー 「貴婦人の乗馬」‥ブルグミュラーといえばこの曲。私も大好きでした。
オースティン(エステン)(1813〜1870、ドイツ)「人形の夢と目覚め」‥物語のような展開のわかりやすさで大人気
ギロック 「手品師」「ウィンナー・ワルツ」などの初中級用の一連の曲
ベートーヴェン 「エリーゼのために」‥永遠の定番。
中級
モーツァルト 「トルコ行進曲(Sonate K.331 第3楽章)」‥知らない人のいない名曲。
ショパン ワルツ、マズルカ、ノクターンなど‥永遠の憧れ。
ドビュッシー 「アラベスク第1番」ドビュッシー初期の美しい名曲。
まだまだありますがこの辺で。
どれも、ピアノの発表会を聴きに行けば必ずといっていいほど耳にする、よく知られた名曲ばかりです。
そして、ここからが問題なのですが、
み〜んな、これらの曲を弾きたいのです。
なぜかわが国では、ピアノは幼稚園〜小学生、せいぜい中学生の「女の子の習い事」ということになっています。
実際、生徒の顔ぶれは入れ替わっても、年齢、性別のボリュームゾーンは常に同じです。
それゆえ、好みが偏ってしまうのでしょうか。
どの先生の発表会も判で押したように似た選曲になってしまうのです。
「エリーゼのために」をゲットするのは誰?
世の中には、ピアノの初級〜初中級、中級者用の曲はおそらく何千曲もあります。(数えたわけではありませんが)
それなのにいつも同じような曲がプログラムに並ぶのは、年齢・性別の偏りという上のような事情によるものかもしれませんが、本記事はそれを是正しようとするものではありません。
お読み頂いているあなた、もしくはあなたのお子さんが、どうやったら激戦を制して上記の人気曲を晴れの舞台で弾く権利を得られるか、そのコツをお伝えしようと思います。
例として「エリーゼのために」を選びました。
だいたい小学校の高学年で弾かれることが多く、ちょうどピアノに慣れてきて発表会でもやや難しい曲を選べるようになる頃です。
実際はこの曲は後半かなり難しく、前半の哀愁を帯びた有名なメロディとはうって変わった激しさを表現しなければならないため、そこそこ高度な技術が必要です。
レベルとしては、ソナチネが数曲終わっていれば安心、ブルグミュラーなら後半に入っていないと厳しいと思います。
安易に選ぶと苦労するタイプの曲ですが、ちょうどこのあたりの年齢・レベルの出演希望者は多く、「エリーゼ」をめぐって小学校高学年女子軍団の中でのバトルの様相を呈することがあります。
まして、彼女たちが同じ学校の同じ学年で、ママ同士もお知り合いだったりしようものなら‥😅
先生方の苦悩は深いのです。
「ピアノの練習頑張れる」アピールが何より重要
さてここからが肝心です。
一体どうやって競争?に勝ち抜いてあこがれの曲をゲットするのか?
まずは先生に希望をお伝えしておく
まず、日頃から先生に「発表会では『エリーゼのために』をぜひ弾きたい!」と伝えておきましょう。
こればかりは根回しが大切です。
だいたい発表会というものは1年〜2年に一度くらいという例が多いと思われます。
(弾き合い会などのイベントやクリスマス会などが多く開催されるお教室もありますが、インプットとアウトプットのバランスを考えるとこのくらいが適当と考える先生は多いです。)
小学校の低中学年で一度発表会に出演したのなら、次は高学年くらいのタイミングになる可能性は高いですよね。
それを目指して、先生に気持ちをあらかじめお伝えしておくのです。
どんなに希望していても、黙っていては伝わりません。
先生も人情として、「次は絶対エリーゼ弾きたい!お願い!」などと生徒さんに言われたら、「やる気があるのは良いこと」と、普通は前向きに考えるものです。
練習時間を増やす
そしてここからが肝心なのですが、
「頑張って練習している」アピールをぜひ行って下さい。
アピールというのは口で言うのではなく、本当に練習時間を増やして「ピアノの練習を頑張れる」ことを証明するのです。
「エリーゼ」はかなり難しい曲です。
しかも誰もが知っているので、間違えた時のリスクは大きくなります。
先生方は、自分の生徒が舞台上でにっちもさっちもいかなくなるような選曲だけは避けたいと考えます。
ですので、有名でしかもある程度難しい曲は、安定して練習時間の取れる生徒にしか出さない傾向にあります。
ここで問題となるのは、「今現在、上手か、そうでないか」ではありません。
あくまでもその生徒の持つキャパシティの中でどれだけ練習してくれるかが重要です。
特に小学生は、本番前の一週間で爆発的に伸びる子がいます。
そしてそれを可能にするのは練習だけです。
この「練習頑張る」アピールは、できれば早ければ早い方が良いです。
なぜなら、本番の4〜5ヶ月前にはボチボチと曲決めの作業を開始するからです。
早ければ半年前には始める先生もいらっしゃいます。
先生方は、発表会にのぞむ生徒一人一人に、「無理のない範囲で、それでいて成長を促すようなちょっと背伸びした曲」を渡すべく知恵を絞ります。
この時、判断材料となるのは、現在の腕前よりもどれだけ練習量が見込めるかということ。
普段からきちんと練習している子には安心して難しめの曲を出すことができます。
ですので、もしもエリーゼのような人気曲をゲットしたいなら、「自分はピアノの練習を頑張れる」のだという姿勢をアピールすることが何よりも重要なのです。
ピアノに限らず、先生というのは生徒が練習しているか否かをたちどころに見抜きます。
発表会という晴れの舞台で輝くために、ぜひ少しだけ練習時間を増やしてみて下さい。
きっと、この子(人)なら大丈夫。そう思ってくださるに違いありません。
健闘を祈ります。
お読み頂いてありがとうございます。
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