ピアノを弾く時の姿勢と座り方
本記事では、ピアノの前に座って指を動かし始める前の、姿勢や体重の使い方を中心に書いていきます。
ピアノを弾く時に重要なのは、指だけではありません。
実は、体全体を使う必要があるのです。
なぜなら、ピアノは打楽器の一種だからです。
目次
ピアノは打楽器です
意外に思われる方も多いのは、最近はアコースティックピアノよりも集合住宅を中心に電子ピアノが増えてきているからかもしれません。
ですが、やはりまずは大前提として「ピアノは打楽器である」ということを理解する必要があります。
難しい理屈は省かせていただきますが(笑)要は鋼鉄の弦をフェルトを貼ったハンマーが叩くことで音が出ています。
ドラムや太鼓と同じ仕組みです。
なので、ピアノを弾く時に使うのは腕だけでなく全身であり、身体全体を楽器の一部として機能させていかなければなりません。
骨格を使って体を支え、指だけでなく全身の筋肉を使って鍵盤を「打つ」必要があるのです。
音を出す際には姿勢が大切だとお分かり頂けるかと思います。
ピアノの前に座ってみましょう
イスを適切な高さに調節して座ってみましょう。
この時、私の教室では、生徒さんの体格により細かく高さを変えながら時間をかけて設定します。
大人の方ならイスの真ん中が鍵穴の前にくるように座り、ヒジの高さが鍵盤と同じになるように調節します。
ヒジから手の甲までは床と平行になるようにします。
ヒジを曲げる角度は約90度から少し広いくらい。遠すぎても近すぎても力がうまく伝わりません。
座る時はぜひ骨盤を立てて、背すじを伸ばして座るようにして下さい。
坐骨(骨盤の最下部の骨)で骨盤を支えるイメージです。
また、多少の好みもあるのですが、イスにはあまり深く座らない方が弾きやすいです。ダンパーペダルを踏むようになると、深く座りすぎてはうまく体重をかけにくくなるからです。
小さなお子さんの場合は必ず足台を使いましょう
小さなお子さんの場合は、必ず足台を使います。
たまに発表会などで、足台を使わずに両足がブラブラした状態で弾いている生徒さんをお見かけしますが、なんとも残念な気がします。
ピアノを弾く時は体重を鍵盤に伝えられるように、足がかかとまで床や台に安定して乗っている必要があります。
足がブラブラではうまく体重が乗りませんし見た目にもよろしくありません。
レッスンの時だけでなく、毎日の練習でも必ず足台を使うようにしましょう。
補助ペダル付きのものは比較的高価ですが、台だけならそれほどでもありません。
たまに分厚い本や電話帳(死語)などで代用しようとする保護者の方がいますが、たいてい本が滑り落ちたりお子さんがけとばしたりしてうまくいかないようです。
なお、足台を使うようなお子さんは、イスにはやや深めに座った方が安定します。
この場合、イスの位置は弾く鍵盤の範囲によって多少左右にずらした方が弾きやすいです。
背すじを伸ばすことの大切さ
骨盤を床と垂直に立てて座ることにより、自然に背すじが伸びてくるはずなのですが、なぜかだんだんと背中が丸くなってくる方が多いです。
骨盤が後ろに寝てくるわけで、そうなると肩が上がり首が前に出てきて肩こりの原因になります。
また逆に、前側に倒れて反り腰になる方もいます。
これは腰痛の原因になります。
せっかく楽しくピアノを弾いているのにあちこち痛くなるのではつまりません。
正しい座り方をすることにより、身体を傷めずに長時間の練習に耐えられるようなります。
ピアノは打楽器の一種と最初にお伝えしたとおり、人の身体を太鼓のバチのように使う必要があるわけです。
正しい姿勢で演奏することで音も良くなりますので、ぜひ姿勢を整えることを心がけてみて下さい。
お読み頂いてありがとうございます。