アップライトピアノの置き場所|マンションでの注意点とおすすめは?一戸建ての2階は大丈夫?
アップライトピアノの置き場所で色々と迷う人は少なくありません。
特にピアノは楽器の中でも音が大きいので、ご近所への配慮はどうしても必要。
実際、置き場所によってピアノの音の響き方はかなり変わってきます。
マンションでのアップライトピアノの置き場所はどこがおすすめでしょうか。
また、一戸建てでのピアノの置き場所において、注意する点はあるのでしょうか。
本記事では、半世紀を超えるピアノ人生で8回の引越しを経験した私・福耳が、体験談を交えてピアノの置き場所を選ぶコツをお伝えします。
ご参考になれば幸いです。
目次
マンションでのアップライトピアノの置き場所
注意点
マンションは鉄筋コンクリートなので、ピアノの重量を心配する必要はありません。
マンションでのアップライトピアノの置き場所を考える時の注意点は以下の通りです。
- キッチンのすぐ近くは避ける
- 外壁ではなく内壁(自室の壁)に向けて置く
- 壁の材質や厚みが同じ場所が理想
- キッチンの近くは避ける
キッチンの近くにピアノを置くのは、料理や洗い物の湿気の影響を受けるのでおすすめできません。
また、食べ盛りのお子さんがいて、揚げ物や中華料理のメニューが多いご家庭では、ピアノに油汚れが付着する心配があります。
ふと気づくとピアノの表面が油でベタっとしていたなんてイヤですよね‥(゚д゚lll)
間取り上、どうしてもキッチンのそばに置く場合は薄手のピアノカバーで防御されることをおすすめします。
厚手のものは湿気や熱がこもってしまう心配がありますが、これくらい薄手のものなら大丈夫。
- 内壁に向けて置く
アップライトピアノの響板は後ろ側についているので、音は背面から出ることになります。
なのでピアノを外壁に向かって置くと、モロにお隣に音が響くことに。
ここはぜひ、自室の壁(内壁)に向かって置くようにしましょう。↓
ピアノをマンションに設置するためのマナーとは?消音ユニットなしでトラブルを回避するコツ
- 壁の材質や厚みが同じ場所が理想
ピアノの置き場所は、壁の厚みやクロスの材質が同じであるほうが望ましいです。
例えばピアノの端が引き戸にかかっているたりすると当然壁の厚みも変わってくるので、音の響き方にムラが出ます。
ただ、これはあくまでもマンションでのピアノの置き場所の「理想」。
スペースに制約があることも多いマンションでは、ピアノの置き場所の絶対条件ではありませんのでご安心を。
マンションの和室はおすすめ
和室は、マンションのピアノの置き場所としてはおすすめです。
実は鉄筋コンクリート造りのマンションでは、音が周囲の壁に反響するので一戸建てよりもピアノの音は響くのです。
私事ですが、結婚して一戸建てから賃貸マンションに引っ越したとき、ピアノは同じなのに音が響き渡ってびっくりしたことがあります。
もうピアノの鳴り方そのものが違うという感じ。
そして、フローリングの床だと反響してさらに響きがちになります。
そこへいくと畳は音をある程度は吸収してくれますし、和室の壁も仕上げ材として土や砂などが使われていることが多く、ピアノの音は柔らかくなります。
マンションでのピアノの置き場所に和室がおすすめなのは以上の理由から。
ただし、ピアノの前に布団を広げて眠るのは避けましょう。地震のとき心配です。
なお、和室にそのままアップライトピアノを置くと畳はやはり凹んでいってしまいますので、その点だけ対策するようにしましょう。
リビングor子供部屋 おすすめは?
よくご相談を受けるのが、アップライトピアノの置き場所としてリビングと子供部屋、どちらがおすすめかというもの。
この質問には「お子さんの年齢によります」と答えることにしています。
お子さんが幼稚園から小学校低〜中学年くらいまでの間は、リビングにピアノを置くのがおすすめ。
幼い子供は、なかなか自分で時間管理ができません。
寂しくて一人で練習するのを嫌がる子もいるので、いつでも家族の目が届くリビングにピアノを置いて、練習を見守ってあげるのが良いのです。
なお、決して「そこの音違ってるわよ!」とか「また間違えた!」とかいうのはやめましょう。 練習しなくなります。(ノ_<)
そして、4年生くらいから中学生以上の子供は、だんだんと一人で練習するのを好むようになります。
親に練習しているのを聴かれたくない、という心理が働くようになりますので、5年生くらいになったらピアノを子供部屋に移動するのがおすすめ。
そもそもこの時期になるとピアノの腕前もかなり上達してきますので、リビングに置いていると親もうるさく感じるかもしれません。
一戸建てのアップライトピアノの置き場所
注意点
一戸建ての住宅は、マンションのように壁を隣家と共有していないので、音の心配はやや少なくなります。
それでもやはりご近所に配慮しておくに越したことはありません。
一戸建ては、間取りに共通点の多いマンションと異なり、土地の形や高さ、隣家との位置関係、家の形や工法などが実に様々。
なので一言でピアノの置き場所のポイントをあげるのは難しいのですが、一つだけ確実に言えることがあります。
それは、「できるだけ隣のお宅のリビングから離れた場所・向きにピアノを置く」ということ。
子供の頃、親の会社の社宅に住んでいたのですが、リビングに近い部屋にピアノを置いていたところお隣からやんわりとご注意があった模様。(ノ_<)
別の部屋の、隣家のリビングとは違う向きにピアノを置いたところ、「気にならなくなった」と言われたそうです。
狭い社宅の隣の部屋に移動させるだけで、それほど音の強さが違うものなのかと子供心に思ったものでした。
このように、ピアノは置き場所と向きによって響き方が全く違ってきます。
一戸建てにアップライトピアノを置く場合、この点にだけご注意されるのが良いかと思われます。
2階に置いても大丈夫?
一戸建てでのピアノの置き場所で気になるのが、「アップライトピアノを2階に置くことができるのかどうか」ではないでしょうか。
アップライトピアノの重さは200〜250kg。 木造の家の2階に置いて、家が傾いたり床がぬけたりする心配はないのか?
ピアノのサイズと重さについての記事はこちら↓
アップライトピアノの大きさと重さはどれくらい?一般家庭への設置で気をつける6つのポイント
アップライトピアノの重さは200〜250kgくらいなので、女性の体重で考えると4〜5人程度。
女の人5人が2階で何時間もおしゃべりしたからといって床がぬけたり家が傾いたりすることはありませんσ(^_^;)ので、基本的に大丈夫と思われます。
ここでまたまた体験談を。
今住んでいる木造家屋の2階にアップライトピアノを置いていた時期がありました。
やはり重さが心配で建設会社に問い合わせをしたところ、現在の耐震基準(1981〜)では、アップライトピアノならば2階に置いてもまず心配ないとのこと。
それを信じて10年間ほど2階に置いていましたが、確かに家も傾かず床も抜けず、またドアの立て付けが悪くなることもありませんでした。
そのうちに2階を個室として使うようになり、アップライトピアノは手放しました。
20年とか30年のように長い期間ピアノを2階に置いていたことがありませんので、長期間の置き場所として不安がないとはいえません。
長くピアノを木造家屋の2階に置くのが不安という方は、10年程度を目安に場所を移動させてはいかがでしょうか。
ひとつの解決方法ではないかと考えます。
まとめ
- マンションでのアップライトピアノの置き場所の注意点は、・キッチンの近くは避けるか防御・内壁に向かって置く
- アップライトピアノを和室に置くのはマンションではおすすめ。畳対策は必要
- 一戸建てでのアップライトピアノの置き場所は、「隣家のリビングから離れた場所・向き」を心がける
- アップライトピアノなら一戸建ての2階に置くことはできるが、10年程度で場所を移動させるのが安心
マンション、一戸建て、それぞれのアップライトピアノの置き場所についてお伝えしました。
私・福耳は、幼少時はサラリーマンの父の転勤に伴って、アップライトピアノとともにあちこちの社宅に引越し。
音大を卒業してからも、結婚や夫の転勤により、ピアノを抱えてマンションや一戸建てへの転居を繰り返してきました。
そんな体験から、ピアノの置き場所に悩む人の気持ちはよくわかっているつもりです。
本記事が、アップライトピアノの置き場所に悩んで購入をためらっているあなたのお役に立てれば嬉しいです。
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