「ピアノ スプラッシュ!」1 は中高生のレッスンとピアノ発表会におすすめ!難易度目安付き一覧
「ピアノ スプラッシュ!/SPLASH OF SOUNDS」1(全音楽譜出版社)をご紹介します。
「ピアノスプラッシュ!」1は、ピアノを初めてからまだそれほど時間のたっていない中高生や大人におすすめのピアノ曲集。
オシャレなタイトル、シンプルながら色彩感あふれる巧みな音使い、ゴージャスな響きなど「お得」な要素がたっぷりです。
ピアノ発表会はもちろん、普段のレッスンにも使用できて大活躍。様々な年齢のピアノ学習者におすすめです。
目次
「ピアノ スプラッシュ!」1とは
概要
「ピアノ スプラッシュ」1の概要は以下の通り。
アメリカの作曲家、D.アレクサンダーとD.カープの両氏による教育的なピアノ作品集です。
主に中高生から大人の学習者を念頭におき、鍵盤の幅広い音域を使いながら楽しくピアノを学べるように配慮されています。
D.アレキサンダー氏による初級者向き「A Splash of Color」Book1と「Sensational!」Book1、D.カープ氏による初中級者向き「Jubilant Sounds」の3つのパートに分かれていて、それぞれ違った趣のサウンドを楽しめます。
- 楽譜タイトル:ピアノ スプラッシュ!1/SPLASH OF SOUNDS 1
- 作曲者:D.アレキサンダー/D.Alexander、D.カープ/D.karp
- 出版社:全音楽譜出版社
- 発行日:1999年4月初版発行
- 曲数:20曲
- 総ページ数:57頁
- 定価:1540円
特徴
「ピアノ スプラッシュ!」1は、以下のような特徴を持っています。
- 難易度:初級後半〜初中級レベル
- 調性:ハ長調・イ短調、ト長調・ヘ長調、ニ長調
- 拍子:5/4など変拍子あり
- 幅広い音域の鍵盤を使用
- 曲の分析を学ぶための問題付き
「ピアノ スプラッシュ!」1は、アレキサンダー氏による初級者向きの「A Splash of Color」「Semsational!」と、カープ氏による初中級者向きの「Jubilant Sounds」の3つのパートに分かれています。
調号は♯、♭ともに1個まで。譜読みにそれほど時間をかけずに済むよう、シンプルな調性と音使いがなされています。
ただし現代的な曲想の作品では5/4などの変拍子も出てきます。
中高生や大人の初級者でも満足のいく演奏効果が得られるように鍵盤上の音域を広く使い、ダンパーペダルを多用します。
また曲ごとに理解を深めるための問題が付いていて、それらを解いてから取り組むことで、作品を分析する習慣をつけることを奨励しているのが大きな特徴です。
こんな人におすすめ
- 練習時間の取りにくい中高生の初級者
- 難しくなくてオシャレな雰囲気の曲を探す人
- レッスンに変化をつけたいピアノの先生
- 中高生や大人の初心者のピアノ発表会曲を探すピアノの先生
「ピアノ スプラッシュ!」1は初級レベルから使用することができます。
音の使い方は比較的シンプルで、特に左手が複雑に動くことが少ないので弾きやすく、練習時間の取れない中高生などにぴったり。
後半の「Jubilant Sounds」はやや難しいので、初中級レベルの実力があった方がスムーズでしょう。
技術的に比較的易しいのに子どもっぽくはなく、またブギやブルースのほかラテンのリズムを持つ曲も多いため、他のクラシック曲の教材との違いが楽しめます。
全体的に、鍵盤を幅広く使いダンパーペダルを多用するので、小さなお子さんではなく大人の学習者におすすめしたいところ。
それほど難しくない割に響きがゴージャスで聴き映えがするので、レッスンのほかピアノ発表会でも使えて活躍すること間違いなしです。
「ピアノ スプラッシュ!」1の難易度と曲目一覧
以下、「ピアノ スプラッシュ」1の全20曲をご紹介します。リンクはYouTubeへ。私が演奏しています。
なお、この曲集はの曲順は必ずしも難易度順ではありません。よって、ざっくりとした難易度の目安を添えました。
当ブログの、曲の難易度の設定方法を説明する記事はこちら↓
ピアノ曲の「難易度」とは?レベル設定と基準について解説!入門から最上級まで
A Splash of Color Book1
作曲者自身の中高生の生徒さんたちに向けて書いたというパート。色彩感あふれる魅力的な作品群です。
曲順 | 曲名/原語タイトル | 難易度レベル |
1 | 緑の森/Forest Green | 初級B |
ニ長調、4/4拍子。緑の森の木々が穏やかに揺れるイメージでしょうか。手の交差があります。 | ||
2 | ブルー ブギ/Blue Boogie | 初級C |
ヘ長調、4/4拍子。ブルーノート(第3音・7音が半音下がる)を含む、ジャズっぽいサウンドがオシャレ。 | ||
3 | わずかなゴールド/A Touch of Gold | 初級C |
ハ長調、3/4拍子。ちょっと不思議なタイトルの曲です。「cantabile(歌うように)」との指示あり。 | ||
4 | ピンクのチューリップ/Pink Tulips | 初級C |
ハ長調、3/4拍子。前曲よりもテンポが速く、可愛らしいイメージ。作曲者の友人(たぶん女性)に捧げられています。 | ||
5 | グレーのみかげ石/Gray Granite | 初級C |
調号なし、5/4拍子。調性がない曲と捉えると良さそうです。壮大な建築物を思わせるように、強く迫力ある響きを目指しましょう。 | ||
6 | オレンジ ソーダ/Orange Soda | 初中級A |
ト長調、2/2拍子。「ソーダの泡のように」との指示が。曲集中、唯一テンポの速い曲です。清涼感あふれる爽やかなイメージ。 |
Sensational! Book1
中高生や大人の初級者のために書かれたパート。鍵盤を縦横に使い、技術的に難しくはないにもかかわらず幅広いサウンドを楽しめます。
学習者たちは「自分もこんなに素敵にカッコよく弾けるとは、なんてセンセーショナルなんだ!」と思ってくれること請け合い(^_^)v
✳︎は曲を解説した記事へのリンクです。
曲順 | 曲名/原語タイトル | 難易度レベル |
1 | はるかなる家/Far From Home | 初級A |
ハ長調、4/4拍子。ゆったりと穏やかに。遠く離れた故郷を想う、望郷の曲。 | ||
2 | 寂しい夜のブルース/Lonesome Night Blues | 初級B |
ト長調、4/4拍子。ブルース形式(12小節×2コーラス)の曲。つながった8分音符はイーブンに弾かず、長-短に弾きます。 | ||
3 | スタッカート カプリチオーソ/Staccato Capriccioso | 初級B |
ハ長調、4/4拍子。カプリチオーソとは「気まぐれに」の意味。元気よく溌剌と弾くのが合います。 | ||
4 | ✳︎シンプルなワルツ/Valse Semplice | 初級B |
5 | フルムーン ライジング/Full Moon Rising | 初級A |
ハ長調、4/4拍子。明るい満月が、ゆっくりと空に登っていく風景をイメージして弾いてみましょう。 | ||
6 | ✳︎もっとアクセント!/Accentuation! | 初中級A |
Jubilant Sounds
「jubilantとは「喜び溢れる」という意味。「jubilant sounds」で「歓喜のサウンド」といったところ。
テンポが速めではつらつと勢いのある曲が多いのが特徴で、そのぶん先の2つのパートより難易度はやや高めとなっています。
曲順 | 曲名/原語タイトル | 難易度レベル |
1 | テキサス タコス/Texas Tacos | 初級C |
ハ長調、2/2拍子。①③の指使いによる3度のフレーズがこのレベルとしてはやや困難。弾くテンポによって難易度が変わります。 | ||
2 | ✳︎魔女のダンス/Witches’ Dance | 初級B |
3 | コサック ダンス/Cossack Dance | 初中級B |
イ短調、4/4拍子。この曲集の中で一番難しい曲。テンポが速く迫力があり、聴き映えがします。 | ||
4 | ダンシング レイン/Dancing Rain | 初中級A |
イ短調、4/4拍子。忙しく上下する八分音符がテーマ。雨粒が踊るように軽やかに弾きたいところ。 | ||
5 | メキシカン ホリデー/Mexican Holiday | 初級C |
ハ長調、4/4拍子。ラテンのリズムを持つゴキゲンな曲。右手6度の連続はちょっと難しいかも。慌てずに楽しそうに弾くと良さそう。 | ||
6 | アレグロ ヴィヴァーチェ/Allegro Vivace | 初中級A |
イ短調、2/4拍子。左手の動きなどはシンプルなのに難しそうに聴こえる、お得な曲です(^_^)v | ||
7 | おちついて/Nice’ n’ Easy | 初級B |
ハ長調、4/4拍子。タイトルは「気楽にいこうよ」といった意味。第3音の「ミ」にはブルーノートのような♭が付いています。 | ||
8 | 楽しいひととき/A Joyous Moment | 初級B |
ト長調、3/4拍子。途中で4/4に変わり、また3/4に戻ります。ダンパーペダルと弱音ペダルの練習にも。 |
以下のサイトでは各曲の難易度検索ができます↓
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「ピアノ スプラッシュ!」まとめ
アメリカの教育作曲家、D.アレクサンダー氏とD.カープ氏による「ピアノ スプラッシュ!」1についてお伝えしました。
「ピアノ スプラッシュ!」1は、実に優れもののピアノ曲集です。
どの曲も音数は少なめ。特に左手の動きや使い方がシンプルで弾きやすく、それでいてゴージャスな響きがして演奏効果たっぷり。
アメリカの曲集らしくジャズっぽい響きの曲たちは、テンションがきいていてとてもオシャレ。
初級レベルの曲であっても幼稚っぽさが全くないため、作曲者たちの意図通り私(管理人)も忙しい中高生や大人の発表会曲に重宝しています。
本記事が少しでも多くの学習者やピアノの先生のお役に立てれば幸いです。
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