初級【レベルB】難易度別おすすめピアノ曲一覧|バイエル80番程度の推奨曲を年代順にご紹介
初級{レベルB}のおすすめピアノ曲をご紹介します。
本ブログにおける難易度「初級B」とは、いわゆる「バイエル」80番前後。
下巻の後半くらいのレベルを想定しています。
このレベルのピアノ初心者が発表会などで演奏するのにぴったりの難易度の曲を選び、年代順に並べてみました。
ピアノ発表会の曲選びに頭を悩ませる生徒さんたちや先生方のお役に立てれば幸いです。
目次
初級【レベルB】おすすめピアノ曲とは
難易度
本ブログでは、ピアノの初級{レベルB}の難易度を以下のように設定しました。
- バイエル80番前後
- ぴあのどりーむ⑤〜⑥前半まで
- トンプソン現代ピアノ教本①後半〜②前半
- バーナムピアノテクニック①
初級Bとは、管理人の感覚ではピアノに少し慣れてきた初心者。
ハ長調ばかりでなく、♯が複数ついたニ長調やイ長調などの簡単なスケールの練習が始まり、響きはピアノ曲らしくなってきています。
手の交差やポジション移動など新しい課題にも挑戦していることでしょう。
ピアノ曲の難易度について詳しく解説した記事はこちら↓
ピアノ曲の「難易度」とは?レベル設定と基準について解説!入門から最上級まで
選定の条件
本ブログにおける「おすすめ曲」は、あくまでも管理人が「自分の生徒に弾かせたいかどうか」で選びました。
以下の記事に詳しいです。↓
初級【レベルA】難易度別 おすすめピアノ曲一覧|バイエル60番程度の推奨曲を年代順にご紹介
初級【レベルB】バロック期のおすすめピアノ曲
バロック期の作曲家は生誕1720年前後までとしました。
別記事で解説した作品についてはページへのリンクが貼ってあります。
作曲者 | 曲名 | 楽譜 |
J.ブロウ(1649-1708) | エア | やさしい四期の名曲集1 |
ブロウはイングランドの作曲家・オルガン奏者。「エア」とは旋律的な独唱曲で一般にアリアと呼ばれる。ここでは「歌」の意味。 | ||
J.クリーガー(1652-1735) | ブレ | やさしい四期の名曲集1 |
メヌエット | ||
有名なイ短調のメヌエット。フレーズを意識して歌うように弾きましょう。 | ||
H. パーセル(1658-1695) | メヌエット | やさしい四期の名曲集1 |
パーセルはイングランドの作曲家でブロウの弟子。オペラ、劇音楽、鍵盤楽器などの作品を数多く残しました。 | ||
J.クラーク(1674-1707) | マーチ | プレ・インベンション |
クラークはイングランドのオルガニスト、作曲家。このマーチは4拍子ですが、2拍子の拍感を持って歯切れよく演奏して下さい。 | ||
ペツォールト(1677-1733) | メヌエット ト長調 | プレ・インベンション |
メヌエットト短調 | ||
ペツォールトはドイツのオルガニスト・作曲家。この2つのメヌエットは従来J.S.バッハの作品と考えられてきましたが近年修正されました。連続して演奏されることも多く、学習者に愛されています。 | ||
テレマン(1681-1767) | スケルツィーノ | プレ・インベンション |
アレグレット | ||
アレグロ | ||
テレマンはドイツの作曲家、オルガニスト、文筆家、法律家。明るく快活な作風で、多くの鍵盤楽器の作品を残しています。 | ||
ラモー(1683-1764) | メヌエット | プレ・インベンション |
ラモーはフランスの作曲家。フランスのメヌエットは繊細で優雅なイメージ。ハ長調ですが賑やかになりすぎないように演奏しましょう | ||
J.S.バッハ(1685-1750) | アリアBWV Anh.131 | たのしいバロックアルバム |
「組曲ト短調」よりメヌエット BWV 822 | ||
最も易しいバッハ作品のひとつ。左右の手の対話を意識して弾きましょう。 | ||
L. モーツァルト(1719-1787) | アントレ | プレ・インベンション |
L. モーツァルトはW.A.モーツァルトの父。アントレは祭りや行進の際に使われた舞踏曲です。 |
初級【レベルB】民謡/童謡
民謡や童謡を編曲した作品も発表会でよく演奏されます。
外国曲 | 曲名 | 楽譜 |
ドイツ民謡 | かわいいオーガスチン | やっぱりピアノがすき!下巻 |
ボヘミア民謡 | 気のいいアヒル | |
アイルランド民謡 | ジーグ | 音楽的表現練習へのピアノ小曲集 |
フランス民謡 | シラノ ド ベルジュラック | メトードローズ ピアノ教則本 |
かわいいミュゼット | ||
ヴェニスの謝肉祭 | ||
ウクライナ民謡 | コサックがうまにのってとおくへいく | リトルコスモス |
初級【レベルB】古典期のピアノ曲
18世紀〜19世紀初頭までに生誕した作曲家の作品を古典期としています。
✳︎は編曲作品
作曲者名 | 曲名 | 楽譜 |
ハイドン(1732-1809) | カドリーユ | ピアノのための古典期名曲集 上巻 |
ドイツ舞曲 | ||
ハイドンのドイツ舞曲は弾きやすく、この楽譜内の9曲はどれも初級者におすすめです。 | ||
小舞曲(セレナード) | ピアノのための古典期名曲集 上巻 | |
メヌエット 変ロ長調 | ||
ヴァンハル(1739-1813) | ソナチネOp.41-2 | やさしい四期の名曲集1 |
ソナチネとは、バロック音楽では小規模な器楽曲のこと。この曲はヘ長調8分の3拍子。明るく軽やかに演奏しましょう。 | ||
ヘスラー(1747-1822) | メヌエット 変ロ長調 | やさしい四期の名曲集1 |
ネーフェ(1748-1798) | カンツォネッタ | プレ・インベンション |
ネーフェはベートーヴェンの師。カンツォネッタは「小さな唄」の意味。フレーズを意識して歌うように弾きましょう。 | ||
テュルク(1750-1813) | 王様のダンス | ピアノのための古典期名曲集 上巻 |
ガヴォット | ||
たわむれ | やさしい四期の名曲集1 | |
テュルクはドイツの作曲家・オルガニスト。「たわむれ(Scherzo)」るように軽やかに。2つの音のフレーズを意識して軽やかに。 | ||
W.A.モーツァルト(1756-1791) | メヌエット ヘ長調 | プレ・インベンション |
メヌエット ト長調 | 先生が選んだピアノ発表会名曲集② | |
メヌエット ニ長調 | ||
ト長調のメヌエットはモーツァルトが5歳の時父の手を借りずに最初に書いた作品。すでにモーツァルトらしい魅力に満ちています。 | ||
ベートーヴェン (1770-1827) | エコセーズ ト長調 | ピアノのための古典期名曲集 上巻 |
レントラー | ||
レントラーは18世紀南ドイツを中心に作曲された3/4拍子の民族舞踊。この楽譜中のレントラー12曲は全て初級者でも演奏可能です。 | ||
チェルニー(1791-1857) | シュトラウスのワルツ✳︎ | 初歩者のためのレクリエーション |
フランスの歌「わたしの帽子はかわいい」✳︎ | ||
アレクサンダー行進曲✳︎ | ||
左手の四分音符は全てスタッカートで。右手の重音が効果的で、発表会曲にぴったりです。 | ||
チクタク時計 | 音楽的表現練習へのピアノ小曲集 |
初級【レベルB】ロマン派のピアノ曲
ロマン派の作曲家は18世紀終わり頃〜19世紀の生誕としました。
作曲家名 | 曲名 | 楽譜 |
シューマン(1810-1856) | メロディ | ユーゲントアルバム |
ハミング(はなうた) | ||
兵士の行進 | ||
シューマンが自身の子どものために書いた「ユーゲントアルバム」より。本格的なロマン派作品の入り口にぴったり。 | ||
エステン(1813-1870) | バラ園 | 先生が選んだピアノ発表会名曲集② |
ケーラー(1820-1886) | ドイツ民謡(スワビア民謡) | 音楽的表現練習へのピアノ小曲集 |
こどものワルツ | 先生が選んだピアノ発表会名曲集② | |
こども部屋でのダンス | ||
ワルツト長調 | ||
ケーラーはドイツの作曲家、ピアノ教師。ピアノをチェルニーに師事。愛らしいサロン風の曲が多く、発表会におすすめ。 | ||
グルリット(1820-1901) | マーチ | 先生が選んだピアノ発表会名曲集② |
ゆかいなさすらい人 | 子ども音楽会 | |
小さなロマンス | ||
踊りのおけいこ | 先生が選んだピアノ発表会名曲集③ | |
ドイツの作曲家、オルガニスト、音楽教師。ロマン派の香り豊かな小品が多い。「踊りのおけいこ」は少し大人っぽいワルツ。元気すぎることのないよう、優雅に弾きましょう。 | ||
ストリーボッグ(1835-1886) | 金の星 | 先生が選んだピアノ発表会名曲集② |
こどもの謝肉祭(小さな妖精のワルツ) | ||
小さなワルツ | ||
楽しい夏休み | ||
気持ちの良い朝(楽しい朝) | ぴあのどりーむ⑥ | |
遠くの鐘の音 | トンプソン現代ピアノ教本2 | |
ストリーボッグはベルギーの作曲家。本名ゴバーツ。親しみやすく弾きやすい子ども向けの作品は、どれも学習者に人気です。 | ||
ワルトトイフェル(1837-1915) | スケーターズワルツ✳︎ | ぴあのどりーむ⑤レパートリー |
マイカパル(1867-1938) | ワルツ | リトルコスモス |
おとぎばなし | ||
小さいお庭 | ピアノコスモス1 | |
マイカパルはウクライナ出身のピアニスト、作曲家。教育用の作品は国際的に評価が高い。「ワルツ」は軽快で優雅、「おとぎばなし」は民俗的な情緒あふれる美しい曲です。 | ||
トンプソン(1889-1963) | 彼方の岩にもたれて✳︎ | トンプソン現代ピアノ教本2 |
北極圏の旅 | ||
小さなポーランドのおどり✳︎ | ||
民謡やオペラ、オーケストラ曲の一部などを巧みに編曲し学習者に紹介するトンプソンの作品は、どれも初級者におすすめ。発表会にもぴったりです。 |
初級【レベルB】近・現代のピアノ曲
近・現代の作曲家は19世紀後半以降の生誕としています。
作曲者名 | 曲名 | 楽譜 |
サティ(1866-1925) | いんげん豆の王様の戦争の歌 | 先生が選んだピアノ発表会名曲集② |
アーモンド・チョコレートのワルツ | ||
左右ともにポジションが変わりません。最後は「駄々をこねる」ように唐突に終わります。 | ||
一日への小さなプレリュード | 先生が選んだピアノ発表会名曲集② | |
シンプルで特徴的な音使いのサティの作品は、フランス近代のピアノ曲の入門にぴったり。会話の言葉が添えられているので情景を想像しながら弾きましょう。 | ||
バルトーク,ベーラ(1881-1945) | 5 遊び | 子共のために(1) |
10 子どもの踊り | ||
両方とも子どもの遊び歌を作曲者が採譜したもの。10番はペダル必須。テンポの速い、迫力のある曲です。 | ||
クニッペル(1898-1974) | きへいたいはそうげんをゆく | リトルコスモス |
「ポリューシカ・ポーレ」として日本でも有名。勇壮で哀切を帯びた軍歌調の作品です。 | ||
ハチャトゥリャン(1903-1978) | なわとび | こどものアルバム第2集少年時代の響き |
夕べのお話 | ||
左手の四分音符にはスラーとテヌートが付いています。弱々しくならないように。右手はお話を語るように朗々と歌いましょう。 | ||
カバレフスキー (1904-1987) | 子やぎのさんぽOp.89-19 | 35のやさしい小曲集 こどもの冒険 |
わがままな弟Op.89-27 | ||
メロディOp.89-29 | ||
カバレフスキー は旧ソ連の作曲家。教育的小品に定評があります。「わがままな弟」は聞き分けのない幼児を描写した楽しい曲。アーティキュレーションをはっきりと。 | ||
セレーニ,イシュトバーン(1904-1972) | 笛と太鼓で | 現代ハンガリー やさしいピアノ小曲集 |
セーケイ,エンドレ(1912-1989) | 民謡 | |
2曲ともハンガリーの作曲家による小品。民俗的な響きを楽しみながら賑やかに弾きましょう。 | ||
デロ=ジョイオ(1913-2008) | ララバイ | やさしい四期の名曲集1 |
ギロック(1917-1993) | おもちゃのダンス | はじめてのギロック |
アルゼンチン | ||
女王様のメヌエット | ||
サマータイムブルース | ||
オルゴールのワルツ | ギロックピアノピースコレクション1 | |
聖日 | ||
バロック・スタイルによる小組曲 | ||
アルゼンチンはリズミカルに、女王様のメヌエットは重々しく。サマータイムブルースはやや大人向き。オルゴールのワルツは可愛らしく。 | ||
バルティン(1931-2009) | 雨がおどっている | リトルコスモス |
難しく聞こえますが実は平易なお得曲。不協和音で雨の音を表します。短いので数曲組み合わせて弾くのに向いています。 | ||
パプ,ラヨシュ(1935-) | トランペット・ワルツ | 現代ハンガリー やさしいピアノ小曲集 |
ワルツ(Ⅲ) | ||
リズムの遊び | ||
「ワルツ」は民俗的な響きが魅力的。「リズムの遊び」は珍しい5/8拍子。元気よく弾けば目立つこと請け合いです。 | ||
グローブ(1938-1978) | かいぞく | ピアノの広場(1) |
ジョージ(1944-1982) | 吟遊詩人の歌 | |
雨‥そして虹 | 森の夜明け | |
騎士のお話 | ||
アレクサンダー(1947-) | ブルー ブギ | ピアノ スプラッシュ1 |
ピンクのチューリップ | ||
フルムーンライジング | ||
シンプルなワルツ | ||
アレクサンダーはアメリカの教育作曲家。シンプルでありながら聴き映えのする作品が多く、中高生や大人の初心者におすすめ | ||
カープ | メキシカンホリデー | ピアノ スプラッシュ1 |
アメリカの作曲家らしいゴキゲンな曲。6度の練習曲であり、演奏会にも使えます。 |
初級【レベルB】邦人作品
邦人作曲家は本来近・現代のくくりですが、推奨曲が多いため当ブログでは別に扱います。
作曲者名 | 曲名 | 楽譜 |
中田喜直(1923-2000) | いもむしとちょうちょう | こどものピアノ曲 |
ひらひらちょうちょう | ||
小さなお花のバレー | ||
土人のおどり | ||
「ひらひらちょうちょう」はスローワルツ。スタッカートが鋭くなりすぎないように弾きましょう。 | ||
三善晃(1933-2013) | 三どのワルツ | 音の森 |
浜かぜと夜明け | 海の日記帳 | |
2曲とも複旋律の曲です。フレーズ後半の音の処理を大切に。テヌートは重くなりすぎないように弾きましょう。 | ||
平吉毅州(1936-1998) | 春になったら‥ | 子どものためのピアノ小品集 春になったら‥ |
プリンとプルンのふざけっこ | ||
だれと踊ったの? | ||
夕顔の花が咲いたよ | 南の風 | |
菜の花がゆれる | ||
「だれと踊ったの?」は5/4拍子。ミステリアスな雰囲気で。他の4曲は季節感のある作品なのでその時期の発表会などにおすすめ。 | ||
橋本晃一(1953-) | スクランブル交差点 | やっぱりピアノがすき!下巻 |
ブルドーザー・ブルース | ||
ブルースは黒人霊歌から派生したジャズ音楽の様式のひとつ。八分音符の連なりは等分ではなく、拍の頭は長くウラは短く、スイングしてみましょう。 | ||
田中カレン(1961-) | こうま | 星のどうぶつたち |
星のうた2 | ||
星のどうぶつたち」は星座の動物がテーマ。星々の輝きを表すように、澄んだクリアな音色が欲しいところ。音が濁らないようにペダリングに注意しながら軽やかに弾きましょう。 | ||
田丸信明 | 花のファンタジー | ぴあのどりーむ ⑤ |
池田奈生子 | リトル・ラベンダー | 虹色パレット |
ベルベット・ウィンター | ||
「リトル・ラベンダー」はオシャレなワルツ。17〜32小節までは軽やかさが欲しいためペダルは無い方が良いでしょう。 |
以下のサイトでは各曲の難易度検索ができます↓
まとめ
初級レベルのピアノ曲難易度[レベルB]、いわゆるバイエル下巻の80番前後の作品の中で、学習者におすすめの曲をご紹介しました。
管理人はもともと、楽譜の出版社などが設定した難易度に違和感を持っていました。
「なんでこの曲が初級?」「イヤこの曲はもっと難しいでしょ」など感じることが多く、気になっていたものです。
そのうち自分自身の備忘録として、おすすめの作品群をレベルごとに整理整頓したいという欲求が高まって参りまして、今回踏み切った次第です。
まだまだ紹介しきれていない曲もあり、他レベルの作品群も同じように整理してみたいと思っています。
いつかどなたかのお役に立てればこれほど嬉しいことはありません。
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