「お菓子の世界/湯山昭」は中級者のピアノ発表会におすすめ！難易度と曲目一覧｜大人の学習者にも

ピアノ曲集「お菓子の世界/湯山昭」をご紹介します。

「お菓子の世界/湯山昭」は、シュークリームやバウムクーヘンなど様々なお菓子をピアノ曲で表現した楽しい曲集。

湯山昭氏が雑誌社に連載した曲たちをひとつの曲集としてまとめたもので、邦人作曲家のピアノ曲集としては異例の100版を超えるロングセラーとなっています。

演奏効果が高く、子どもから大人まで、全ての中級以上のピアノ学習者の発表会やイベント、ストピでの演奏におすすめ。

講師演奏にも対応できます。

「お菓子の世界/湯山昭」とは

湯山　昭：ピアノ曲集「お菓子の世界」[改訂版] [ 湯山 昭 ]

概要

「お菓子の世界/湯山昭」は、1974年に初版発行。1998年には100刷を超え、現在も発行部数は増え続けています。

クラシックピアノの曲集としては極めて珍しい現象なのだそう。

子どもから大人まで、学習者はもちろん指導者のレパートリーにもなり得る演奏効果の高い曲集として、衰えぬ人気を誇っています。

 

特徴

湯山昭「お菓子の世界」は、以下のような特徴を持っています。

 

「お菓子の世界」は、初中級から中級者、さらにその上のレベルの演奏者向きのピアノ曲集。

「お菓子のベルトコンベヤー」を皮切りに、シュー・クリームやバウムクーヘン、柿の種などたくさんのお菓子が登場。

その間に「むしば」「どうしてふとるのかしら」など間奏曲が配置され、全体を通して「お菓子の世界」という一つの世界観を形作っています。

それでいて難易度は甘くありません。かなり弾きごたえのある作品も多く、発表会や講師演奏にも耐える華々しい演奏効果を持っています。

また音の響きは全体的にリッチでオシャレ。ジャズやポピュラー音楽の要素も感じられるのが特徴です。

こんな人におすすめ

 

中田喜直「こどものピアノ曲」は、一部初中級レベルの頃から使用することができます。が、中級レベル程度の演奏技術を持っていた方が作品の世界観を楽しめるでしょう。

全26曲には難易度差があります。比較的弾きやすい曲からかなり難しめの作品も。

音に厚みがあり全体的にゴージャスな響きを持つ作品が多いため、発表会や演奏会プログラム、ストピなどで大活躍します。

また「お菓子の世界」という素朴なタイトルの曲集でありながらオシャレな曲が多いため、子どもから大人まですべてのピアノ愛好者におすすめできます。

「お菓子の世界/湯山昭」曲目一覧と難易度レベル

以下、「お菓子の世界」全26曲をご紹介します。リンクはYouTubeへ。私が演奏しています。

✳︎のついた曲は関連記事にリンクしています。

なお、この曲集はの曲順は必ずしも難易度順ではありません。よって、ざっくりとした難易度の目安を添えました。

当ブログの、曲の難易度の設定方法を説明する記事はこちら↓

ピアノ曲の「難易度」とは？レベル設定と基準について解説！入門から最上級まで

曲順	題名/英語タイトル	難易度レベル
序曲/Overture	お菓子のベルト・コンベヤー/Confectionary on a Conveyor Belt	初中級C
元々単独で発表されていた作品。「お菓子の世界」誕生の発端となりました。綺麗なお菓子が子どもたちの前を行進するイメージで。
1	シュー・クリーム/Chou à la Crème	中級A
優しくて上品な甘さのシュークリーム。色々な種類がありそうです。ふわふわと柔らかく、それでいてオシャレに。
2	✳︎バウムクーヘン/Baumkuchen	中級A
3	柿の種/Kaki-no-Tane	中級B
ピリッと辛い柿の種なので、曲想もスパイシーです。scherzandは「諧謔的に」。日本風のスケルツォ。
4	ショートケーキ/A Shortcake	初中級B
みんなが大好きなショートケーキ。層になったカステラの上に甘いクリームが乗っています。メロディを綺麗に歌いましょう。
5	ホット・ケーキ/A Hot Cake	初中級C
ホットケーキはアットホームなお菓子。子どもたちが焼けるのを待っているかのようです。最後はハチミツとバターがとろけるように。
間奏曲 1./Intermezzo 1.	むしば/Decayed Teeth	中級B
世界中に虫歯の曲などそうあるものではありません。最初の不協和音からして実に痛そう（笑）歯医者に行くのが憂鬱な気分にもなります。
6	ウェハース（子守歌）/Wafers（Lullaby）	初中級B
この美しい曲が、なぜ庶民的なウェハースなのだろうか。ともあれ曲集中唯一の子守歌です。話しかけるようにゆったりと。
7	ドロップス/Drops	中級A
コロコロと転がるようなクリアな音色が合います。ひんぱんに転調するのは色々な味のドロップスを表しているのかも。
8	✳︎チョコ・バー/Chocolate Bar	初中級C
9	✳︎バースデー・ケーキ/Birthday Cake	初中級C
10	クッキー/Cookies	中級C
クッキーは複数形。たくさんの種類が箱詰めになっています。難しい曲ですがサクサク軽やかにに弾けたらカッコ良いと思います。
間奏曲 2./Intermezzo 2.	どうしてふとるのかしら/Getting Fatter	中級A
なぜ太るのかといえば、それはお菓子を食べ過ぎるからです( ´∀｀)。色々迷いつつ、最後には諦めの境地に‥
11	ヌガー/Nougat	中級C
何やら怪しい雰囲気の曲。お菓子の曲というより「秘密のダンジョン」ぽい。ミステリアスに、粘っこく弾きましょう。
12	ソフトクリーム/Softcream	初中級C
13	ボンボン/Bonbon	中級B
砂糖などの殻で具を包んだフランスのお菓子、ボンボン。よってフランス風のオシャレなワルツです。小粋かつ都会的な雰囲気で。
14	✳︎鬼あられ/Oni-Arare	中級C
15	マロン・グラッセ/Marrons Glacés	中級A
マロン・グラッセは高価なお菓子。お酒が含まれていることもあります。高貴にして香り高い、大人のための作品。
間奏曲 3./Intermezzo 3.	くいしんぼう/Gourmand	初中級A
間奏曲にふさわしいあっさりした曲。屈託なく楽しそうに。テンポは指定よりゆっくりめでも大丈夫です。
16	金平糖/Confetti	初中級B
星のかたちをした金平糖なので、硬くクリアな音色がぴったり。キラキラした響きを味わいながら弾けたら素敵です。
17	プリン/Custard Pudding	初中級B
プリンを食べると幸せな気分になります。左右に現れる付点音符がプリンの揺れを表しているので、そのリズムに乗って幸せそうに。
18	ポップ・コーン/Pop Corn	中級C
軽やかにして華やかな、まさにピアノ発表会にぴったりの作品。指の動く人におすすめ。
19	チューインガム/Chewing gum	中級C
これぞジャズ！という感じ。オシャレというよりカッコ良い曲ですがかなり難しい。さらりと弾けたら拍手喝采間違いなし。
20	甘納豆/Ama-Natto	中級B
これも和風の曲ですが、柿の種や鬼あられに比べて甘さがあります。古き良き日本の風景が感じられるような美しい作品。
21	ドーナッツ/Doughnut	中級C
ドーナッツには色々な種類があるもの。リズムの弾き分けが課題です。聴き映え曲のひとつ。
終曲/Finale	お菓子の行進曲/Cake March	中上級〜上級
登場したお菓子たちが勢揃いして行進する、華やかなフィナーレ。学習者よりもピアノ指導者の講師演奏などにおすすめ。

 

以下のサイトでは各曲の難易度検索ができます↓

ピティナピアノステップ課題曲検索

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「お菓子の世界/湯山昭」まとめ

湯山昭のピアノ曲集「お菓子の世界」についてお伝えしました。

 

最初にこの曲集に出会ったのは私がまだ学生だった頃。とあるピアノリサイタルのプログラムに入っていました。

当時はまだ馴染みがなく、「『お菓子の世界』って何だろう？」と疑問に思いつつ聴いてみれば、これが実に魅力的な曲たちだったのです。

何よりもタイトルがお菓子という、どこかしら子どもっぽいイメージ(^^;にも関わらず、どの曲もリッチでゴージャス、聴きごたえ十分。

豊かな音の響きに圧倒されたものです。

 

その後楽譜を購入し、自分で弾いてみたり発表会で生徒に弾かせたりしているうちにますます好きになっていきました。

当時はまだ誰も知らなくて、密かに「人に教えたくないピアノ曲集」だったのです♪(´ε｀ )今ではすっかり定番ピアノ曲集となりましたが。

子どもから大人まですべての人におすすめしたいこの曲集。

「お菓子の世界」は、これからもピアノ学習者や愛好家、指導者の友として親しまれていくことでしょう！

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