ピアノの先生を変えたいと思ったら
yahoo!知恵袋などを読むと、「ピアノの先生に不信感を抱いています。先生を変えたいとも思っていますがどうしたらよいでしょうか」
との質問が多く寄せられているのに気付きます。
大抵の投稿では、投稿者の方がそのように感じるようになったきっかけが記された後、
・先生をこの段階で変えることは妥当でしょうか
・失礼なく教室を止めるにはどうしたら?
この2点について質問されているケースが多いようです。
私にとっても人ごとでないテーマ。
今日はこのことについて考えてみたいと思います。
目次
ピアノの先生と合わないのなら変えるのはアリ
ピアノは、長い時間をかけて上達していくタイプの習い事です。
幼稚園や小学校の低学年でお教室に入会し、長ければ10年以上も同じ先生から指導を受けることになります。
またピアノ教室の多くは個人レッスン制で、ピアノの先生と一対一でのレッスンを受けることになるのが普通です。
子供の習い事として一般的な、スイミングやダンス、英語などとは大きく違う点です。
このように1人の指導者と長く向き合うタイプの習い事では、先生と合わないと感じながら続けるのは、正直プラスよりもマイナス面の方が大きいです。
自分が望むタイプのレッスンが受けられないと感じたり、他にもっと良さそうな先生が見つかったのなら、早めに移るのが適当でしょう。
ご本人にも、先生にとっても結局はその方が良い結果につながるものです。
教える側からすれば、生徒さんの(あるいは親御さんの)「この先生合わないわ〜」との気持ちはなんとなく伝わります。
それならば、その時間を自分との相性の良い生徒さんに充てたいと考えるものです。
個人レッスンでは特に、先生と生徒さんとの「相性の良し悪し」が大切だからです。
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したがって、
「習い始めてまだ間がないのにもう変えて良いものだろうか」
「コロコロ先生を変えるのはよろしくないのでは‥」
「先生に対して失礼にはあたらないかしら」
などのお悩みは、
あくまでもピアノを習っているご本人にとってプラスになるかどうかで判断されるのが良いでしょう。
大抵の先生はこういうことに慣れていらっしゃいますので、心配されるほどのダメージはありません。‥多分。
後述する「失礼に当たらない辞め方」に気をつけて退会されれば、その後どこかでばったりお会いした時も、お互いに気持ちよく挨拶したりされたりの関係になれるものです。
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本当に今のピアノの先生を変えるべきか?
さて、ここで問題となるのは、「本当に先生を変えることが妥当かどうか」です。
それを見分けるには、今のピアノの先生に対して感じている違和感が、
・先生を変えることで解消される見込みがある
・先生を変えても違和感が消えない可能性がある
どちらかを考える必要があります。
違和感の原因が先生の側にある場合は、思い切って教室を変わるのが適当と思われます。
一例をあげます。
私は過去、父の転勤の都合で引越しが多く、何回か先生が自然に変わりました。
実に色々な先生がいらっしゃるなあと思ったものです。↓
・やたら進度のゆっくりな先生(バイエル1曲に3週間。先生ご自身に演奏力がなく、あまり先に進ませたくなかった模様)
・声楽科のご出身で長い爪に赤いマニキュアを塗っていらした先生(他にピアノの先生がいらっしゃらない地域でした)
・東京芸大のご出身でしたが1回のレッスン時間が15分でレッスンが流れ作業のようだった先生(教室では常に複数の生徒さんが待っていました)
などなど。
今の時代では考えられないようなピアノの指導がまかり通っていた時代でした。
そして小学校3年生のとき、母の判断であえて先生を代わりました。
2年生時の発表会で「エリーゼのために」を弾いたのはいいのですが、母の素人目にも無理のある選曲・出来栄えだったようです。
曲をもらった時は喜んでいた母も、このままではまずいと思い始めたのです。
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このままこの先生に習っていては大きな飛躍は望めないと思った母は、人づてを頼り、厳しいけれど確かな指導力を持つと評判の先生を探し出しました。
その先生の教室ではっきりと言われたことは、
「基礎・基本が全て抜け落ちています。
タッチ、指づかい、テクニック全てをやり直していただきます」
という、母の危惧通りの言葉だったのです。
それからは曲のレベルをグッと落とした、地道な基礎練習の日々が始まりました。
かなり大変でしたが、この先生は優れた指導者。
母の狙いは当たり、無事に志望の音大付属の高校に合格することができたのです。
母はピアノに関してはまったくの素人でしたが、このように「保護者のカン」というものはかなり当たります。
また、違和感の原因が先生の方にある場合は、現状を生徒の側から変えるのはほぼ不可能です。
「ピアノの先生の爪が長くてマニキュアが塗られている」ことは今の時代まずあり得ませんが、仮にそうであったとしても先生にご注意などはできませんよね。
そんな時は粛々と教室を変わるのが良いでしょう。
もしも今、なんとなく、「この先生ちょっとマズイのでは」とお感じなら、とりあえず別の教室の体験レッスンを受けてみられてはいかがでしょうか。
昔と違い、今はピアノの先生は正直余っていると言って良いほどの状況です(笑)
実際に変わるかどうかは別として、また別の景色が見えてくるかもしれません。
ピアノ教室の探し方はこちらの記事に詳しいです↓
ピアノ教室の探し方のコツは?子供にぴったりの教室を見つける方法とおすすめ検索サイト
習い事の成否は、先生との相性の良し悪しに大きく関係します。
先生を選べない学校生活と違って、習い事の先生は選ぶことができます。
それならば、ご自身にあった指導者から学びたいと思うのが人情というもの。
現在の先生に対する違和感が消えないのなら、思い切って環境を変えてみることも必要と考えます。
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「おかしなピアノの先生」の特徴とは?見定めるポイントと教室変更の目安
失礼に当たらない退会の仕方
さて、いよいよ現在のお教室を退会する運びとなった時。
もう一つのトピック、生徒さん。保護者様のお悩み「失礼のないやめ方」について簡単に触れておきたいと思います。
こちらの記事にも詳しいです↓
今までの先生に対する感謝の気持ちを忘れずに
もっとも、「失礼なくピアノ教室を変えるにはどうすれば」とお悩みの保護者様は、そのままでもきっと大丈夫です。
「失礼な辞め方」をされる保護者の方は、決してそのようなことでは悩まないからです。
ただ、本記事は、単にピアノを止めるのではなく、「ピアノの先生を変える」のが主題。
やはり一定の注意は必要かもしれません。
なんといっても狭い世界ですし、元々ピアノ教室は地域に根ざしたものが多いです。
大人の生徒さんがカルチャーセンターなどで習っているのなら問題ありませんが、小学生くらいのお子さんが歩いて行けるお教室に通っていて、別のやはり徒歩で通える教室に変わりたい、というのはなかなか難しい問題をはらんでいます。
それでも、やはり先生を変えること決められたなら、どうにかしてこの困難を乗り切る必要がありますね。
「必ずうまくいく」処方箋があるわけではありませんが、結局は誠意・誠実さがものをいうと思われます。
退会を申し出る時期
いよいよお教室を変えることを決めたなら、今の先生には適切な時期にそれをお伝えする必要があります。
早く申し出れば良いというものではありませんが、あまり遅くなるのは避けたいです。
現在のお教室にはレッスン規定があるでしょうか。
もしあるのなら熟読し、それに従います。
例えば、私の教室のレッスン規定では、
「退会をお申し出の際は当該月の10日までにお願いします」となっています。
もしも9月末で退会するのなら9月10日までにお申し出頂けば良いわけです。
以前は、これから入会しようとしている方に退会の規定を知らせることに気が進まず、あえて記載しないようにしていました。
ですが、いくつかの事案を経て(第4週に入ってからの退会申し出など)、あらかじめお知らせするようにしたのです。
先生にも心の準備が必要
生徒さんが退会するということは、先生にとっては仕事をひとつ失う事を意味します。
どんな仕事であれ、「明日からクビね」と言われたら誰だって傷つきますよね(笑)
それ以上に、長年に渡って指導してきた生徒さんに退会されることは、やはり寂しく辛いものです。
なので、心の準備をいただきたく、このような規定を設けました。
もしそういった規定のないお教室であれば、ひとつの参考になれば幸いです。
そして、どうかそれまでのご指導に対しての感謝の気持ちを先生に直接お伝えして下さい。
それだけで、先生も生徒を失う寂しさを和らげることができます。
薄々察しながらも、その生徒さんのピアノとの関わりが、さらに長く続くようにと祈ることができるようになるのです。
この記事を読んでくださっている方は、ピアノが好きで、今よりも上達することを望む方だからこそお教室を変わろうとされているのではと拝察します。
どうか、ピアノを愛する皆さまが、よりご自分にふさわしい指導者と出会えることを願っています。
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