アップライトピアノの選び方|重視するポイントは? 子供の初心者へのおすすめを現役講師が解説!
これからピアノを習い始める子供の自宅練習用のピアノを購入するにあたり、選び方に悩む保護者は少なくありません。
コンクール出場を視野に入れるなどの本格的なピアノレッスンを受けるには、やはり電子ピアノでは物足りないもの。
ピアノの先生に言われるまでもなく、最初からアコースティックなピアノを導入しておくのがおすすめです。
ところで、一口にアップライトピアノ といっても種類は色々。
メーカーや機種、大きさ(高さ)、デザイン性、音質。あるいは新品のほか中古品など、目移りするほどに多様な選択肢があるのです。
本記事では、子供のピアノ初心者が使う前提で、アップライトピアノ の選び方を解説して参ります。
高額な買い物であるアップライトピアノの、選び方の一助になれば幸いです。
目次
アップライトピアノの選び方のポイント
お子さんにアップライトピアノを購入するにあたり、大切なのは「何を重視してピアノを選ぶのか?」ということです。
一般的には、以下のような項目が考えられます。
- 予算
- 品質
- インテリア性
- 下取り価格
例えば、「やはり予算的にキビシイのでなるべくお安いものを‥」とは切実な問題。
逆に、「コンクールで上位入賞を狙うには上質なピアノが必要。ここは親も頑張るしかない!(`・ω・´)」との考えなら選び方も変わってきます。
あるいは、「いつまで続くか分からないから下取り価格も視野に入れておかないと」とか、「できればリビングのインテリアにぴったりのオシャレなピアノがいいなあ」という選び方もありそうですね。
というわけで、以下、これらの項目について一つ一つ最適解を探って参りましょう!♪( ´▽`)
予算重視のアップライトピアノの選び方
予算重視、すなわちなるべく低価格でアップライトピアノを入手したい場合、3つの選択肢があります。
- 大手メーカーの低価格帯モデル
- 中古ピアノ
- 親族などから譲渡
低価格モデル
国内最大のピアノメーカーであるヤマハの新品アップライトピアノの最低価格は450,000円くらいから。
楽天市場では、44万円での取り扱いがありました。
なおヤマハのHPのアップライトピアノのページでは「オープン価格」となっています↓。
これらの低価格ピアノの特徴は、高さがないために弦が短く、音の強弱に幅がないこと。
また使用木材がやや低廉なタイプのため、質の良いアップライトピアノに期待されるような100年近い使用には耐えません。
あくまで練習用と割り切るなら選ぶのもアリというイメージです。
中古ピアノ
子供のピアノ初心者におすすめしたいのは中古のアップライトピアノ。
昨今の木材価格の高騰により、同じ予算ならば中古品の方が新品より上質な材質のものが多いのです。
ある程度弾き込まれているので、最初から楽器としてよく鳴ってくれるのも良いところ。
価格も高品質な電子ピアノ程度のものから選ぶことができます。
一例として、こちらは私も以前所有していたヤマハUX-1。
今では手に入らない幻の機種ですが、個人的におすすめしたい中古ピアノです。↓
もちろん中古品ですので一台一台にクセがあり、新品のようにどれを選んでも大きな当たり外れがない、というわけにはいきません。
中古ピアノを購入するなら、信頼できる販売店のもとで実際に色々な機種を試弾し、慎重に選ぶ努力が必要です。
譲渡
一番簡単で安上がりなのが親族などの古いピアノを譲り受けること。
日本の家庭には多くのピアノが弾かれないまま眠っており、日の目を見る日を待っています。
そういったピアノを引き取ることができれば安上がりだし先方も喜ぶし一石二鳥。
ただし、長年放っておかれている場合が多いのでかなり劣化している場合が少なくありません。
ピアノの運送費、調律費のほか、オーバーホールなどが必要だとすると思いのほか費用はかさみます。
ピアノを一般家庭から譲り受ける場合は、それらのことをお互いに確認して、気持ちよく引き取ることができれば良いですね。
品質重視のアップライトピアノの選び方
アップライトピアノ本来のポテンシャルを持ったピアノを購入するのなら、二大国産メーカーの上位機種がおすすめ。
品質にほとんど当たり外れがなく、日本の高温多湿の気候にあわせて作られているためにコンディション維持に手間がかかりません。
もちろん中古でも良いですが、お子さんが楽器とともに成長していく楽しみを得るならやはり新品に限ります。
選び方のポイントは以下の3つ。
- 弦が長い(背の高い)ピアノ
- 高すぎず安すぎない価格
- 好みの音質かどうか
- 弦が長い(背の高い)ピアノ
高さのあるアップライトピアノは圧迫感があるとして一般家庭では敬遠されがちですが、アップライトピアノの性能を考えるなら避けることはできません。
背が高いということは長い弦が張ってあるということ。
また、それにあわせて響板(音を響かせる板)も大きくなるので強弱の幅は広く、音が豊かに響くようになります。
「音が豊か」とは音量のことではなく音色の深みのことで、弦の短いピアノには出せない繊細な表現が可能。
具体的には131cmの高さのものがおすすめです。
- 高すぎず安すぎない価格
価格が安い新品のピアノは、上の項に書いたように弦が短いので表現力に幅が出ません。
また、アップライトピアノの値段は高ければ良いというものでもありません。
どれほど高額であっても、アップライトピアノはやはりアップライトピアノ。
グランドピアノの性能を超えることはありませんので、費用対効果としては高いとはいえません。
- 好みの音質かどうか
二大国産メーカーのものならほとんど当たり外れはないとはいえ、ピアノはやはり楽器であり、同じ機種であっても一台ごとに微妙に音色は違います。
新品のピアノはまだ音が良く出ていないのでわかりにくいかもしれませんが、ピアノを使うご本人であるお子さんの直感を信じて、色々と試弾して決定されることをおすすめします。
インテリア性重視のアップライトピアノの選び方
ピアノというと黒い色のイメージですが、実はこれ日本特有の現象なのだとか。
ヨーロッパでは木目のピアノが主流のことが多く、各家庭のインテリアに応じて選ばれているとのことです。
そういえば海外の映画やドラマなどでは様々な色合いの美しい木目のピアノを多く目にしますよね。
大きくて黒いピアノは確かに圧迫感があるので、リビングに置くならインテリアを重視して木目調のピアノはアリ。
色や材質によってピアノの音質に違いはなく、あるとすれば若干お値段が高くなることくらい。
ピアノは長く使うものなので、お住まいのリビングに合わせた飽きのこない色合いのピアノを選ぶのも素敵です。
また、子供があまり練習しなくてもインテリアの一部と割り切ることもできます。( ´ ▽ ` )
下取り価格重視のアップライトピアノの選び方
あまり一般的な考え方ではありませんが、初めから売却することを視野に入れたピアノ選びをするのはありです。
理由として「子供の習い事のピアノがいつまで続くか分からないからいざとなったら売りやすいピアノを」というケース。
また、お子さんが上達してアップライトピアノからグランドピアノに買い換えることもあり得ます。
ピアノは高額な買い物なので、車や不動産と同じように買い手がつきやすいピアノを選んでおくのは賢い選択といえるでしょう。
下取り価格重視でピアノを選ぶなら、なんといってもモノをいうのはメーカーの知名度です。
国産ならヤマハ、カワイの二択。ヤマハの方が若干下取り価格は高くなります。
海外メーカーのピアノは、日本の過酷な気候に必ずしもフィットしないために一部の高級ブランド以外は必ずしも売却しやすいとはいえません。
なお一部高級ブランドとは以下の3社。
- スタインウェイ&サンズ(STEINEAY&SONS)
- ベーゼンドルファー(Bösendorfer)
- ベヒシュタイン(C.BECHSTEIN)
これらの高級ピアノは、もともと手放す人が多くないために買い取り価格も下がりません。
もちろん中古であっても立派なお値段。
でも、こんなピアノがリビングにさり気なく置いてあったら、そりゃもう親は尊敬の眼差しを向けられること請け合い。(*゚▽゚*)
お子さんだけに独占させるのはもったいないので、ぜひご家族で音楽を楽しんで頂きたいものです。
懐に余裕があって、国産のピアノにない資産価値を求める方はぜひチャレンジしてみて下さいね!
輸入ピアノに強いピアノ販売店「グランドギャラリー」の試弾予約はこちらから可能です↓
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アップライトピアノの選び方 まとめ
- アップライトピアノの選び方のポイントは4つ「予算」「品質」「インテリア性」「下取り価格」
- 予算重視なら中古ピアノがおすすめ
- 品質重視で長く使いたいなら国産二大メーカーの上位機種
- インテリアに合わせた木目調のピアノは黒いピアノと音質に差はなし。やや高額になる傾向
- 下取り価格重視ならヤマハがおすすめ
- 海外高級ブランドメーカーのピアノは資産価値があり買取価格が下がらない
子供のピアノ初心者のための、目的別のアップライトピアノの選び方、様々なコツについてお伝えしました。
アップライトピアノを購入しようとするとき、各家庭ごとに重視するポイントは違いますよね。
なので、「子供の初心者に一番向いているのはこのピアノ!」と言い切ることはできないのです。
ピアノを購入するのは勇気が要ります。
簡単に買い換えるわけにはいかない高価な買い物なので、ぜひ色々と検討した上で様々なメーカーや機種のものを弾き比べてみて下さい。
きっと、あなたのお子さんのお気に入りの一台が見つかるはず。
そして、ピアノは生き物なので、できれば末長く可愛がってあげて下さいね。
本記事がピアノを選ぶときのご参考になれば幸いです。
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