月謝の安いピアノ教室は要注意!その特徴と理由とは?ありがちな欠点と差がつくポイント
お子さんにピアノを習わせる際、「月謝の安いお教室の方がおトク」と思っていませんか?
私、福耳も二人の子供の親。
「塾とスイミングは必須だし、他の習い事もさせたいし‥ピアノにそんなにお金をかけていられないわ」というお気持ちはよくわかります。
それでも現役ピアノ講師としては、あえて「月謝の安すぎるピアノ教室」についての注意喚起をせずにはいられません。
どんなに月謝の安い教室であっても無料でピアノを習うことはできないわけで、当然月謝の他にも費用は発生します。
練習もしなければなりませんし保護者も送迎などで時間をとられます。
ところが月謝の安すぎるピアノ教室は、せっかく時間とお金をかけて習わせてもそれに見合う効果が得られない場合があるのです。
この記事では、「月謝の安いピアノ教室」のありがちな特徴と困った点、標準的な教室の生徒と差がつくポイントをお伝えして参ります。
一人でも多くの保護者の方にお読み頂ければと願っています。
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目次
月謝の安い教室の定義
ところで、「月謝が安い」とは具体的にどれくらいの金額のことを指すのでしょうか?
全国に展開するヤマハ音楽教室は、小学生のピアノ初心者の月額レッスン料を8250円としています(1回30分 年間39回レッスン・税込み金額)。
ヤマハ音楽教室のレッスン料は全国一律。
つまり「8250円」がピアノの月謝における一つの標準と考えることができます。
レッスン回数にもよりますが、この月額8250円という金額から下方に離れるほど「月謝の安いピアノ教室」ということ。
個人的には、月額レッスン料が6000円という教室は「月謝が安めのお教室」、5000円台は「月謝が安いお教室」。
さらにそれより下の4000円台となると「激安ピアノ教室」といった感覚を持っています。
ピアノの月謝に関する参考記事↓
月謝の安いピアノ教室の特徴
ヤマハの月謝と比べて、あるいは地域のピアノ教室の平均と比べてがあまりに月謝が安い教室には一定の特徴があります。
- 先生の専門がピアノ以外
- 全員に同じ教材
- 発表会の選曲が毎年同じ
- 先生の専門がピアノ以外
音楽大学を卒業してピアノを教えていても、その先生がピアノ科の卒業生とは限りません。
声楽やヴァイオリン、あるいは古楽器などを専攻して音大を卒業したけれど、それを公表せずにピアノを教えている先生はかなり多いのが実情。
当然ピアノの専門家ではないため、ピアノの指導力に疑問符がつくのは当然のことです。
- 生徒全員に同じ教材
先生がピアノの専門家ではない、あるいは月謝が安いことを目当てに大勢の生徒がいるなどの場合、一人ひとりに合った教材の研究などがしにくくなります。
「バイエル」とは限りませんが、導入期の生徒全員が同じ教材を学んでいるケースが非常に多いです。
- 発表会の選曲が毎年同じ
世界には、子供のための優れたピアノ曲が何千曲もありますが、月謝の安さをアピールする教室の発表会ではそれらの曲の研究がなされることはあまりありません。
初めから曲は「貴婦人の乗馬」「エリーゼのために」などと決まっており、その「枠」にどの生徒を当てはめるかが選曲の要となります。
なのでこうした教室の発表会では、毎年同じ曲がプログラムに並ぶのです。
月謝の安いピアノ教室が要注意の理由
「あら、ウチは先生がピアノ科出身でなくても別に構いませんけど?
発表会で『エリーゼ』とか弾けるようになったらピアノはやめさせて塾に行かせますから」
‥という声が聞こえてくるようなσ(^_^;)
ピアノの月謝が安すぎる教室では、以下の困ったことが多く起こるのです。
楽譜の読み方を教えない
ピアノは両手を使って演奏するため、「大譜表」という独特の二段譜が読めるようになる必要があります。
普通の楽譜の2倍以上の情報が詰め込まれた、この「大譜表」なる楽譜を読みこなすのはかなり大変。
なので多くの心あるピアノ教室では、初心者の生徒にピアノの楽譜の読み方を指導するために知恵を絞ります。
地味で手間のかかる作業ではありますが、ピアノ指導者の腕の見せどころです。
ところが、月謝の安いピアノ教室ではこの部分の努力を丸々カットすることが多いのです。
理由は「手間がかかって大変だから」。
かつてあるピアノ科卒でない先生が私に向かって言ったことには、
「ウチの教室では楽譜の読み方なんかよりテキストを先に進めてほしいという要望が多いので、弾き方だけ教えてどんどん弾かせています」(;´д`)
これではピアノを習っているのに楽譜の読めない生徒が大量発生するワケです。
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習った曲しか弾けない
「あら、楽譜が読めなくてもウチは別に困りませんけど?
ピアノの専門家になるワケじゃないし、音楽は主要科目じゃないから学校のテストでそこそこ点が取れればOK」
‥というご意見もあるでしょう。
ところがことはそんなに簡単ではありません。
楽譜が読めないと、先生に弾き方を教えてもらった曲しか弾けないということになります。
ピアノの楽譜は、難しい曲になればなるほど楽譜も複雑化していきます。
自力で楽譜を読む力がついていないと、先に進むほどに新しい曲を練習し始める時点で苦労することに。
そのうちに「ピアノは譜読みがイヤ、めんどくさい」となり、やめてしまった後には何も残らないという悲劇が起こります。
そもそも、何年もお金と時間をかけてピアノを習っていながら「楽譜が読めない、四分音符や八分休符などの音価も謎、記号の意味も不明」などという状況はあまりに残念。
「音楽のテストでそこそこ点が取れる」とも限らない事態になることもあり得るのです。
月謝の安いピアノ教室の欠点と差がつくポイント
そのほかに、月謝の安すぎるピアノ教室の生徒さんにありがちな欠点をあげてみましょう。
きちんと教える教室との差はどこにあるのでしょうか。
- 姿勢が悪い
- しょっちゅう間違える
- 音が汚い
- 姿勢が悪い
生徒一人ひとりにあったイスや足台の高さ・ピアノとの距離はとても大切。
10人の生徒がいれば適切な位置や高さは10通りあります。
激安ピアノ教室ではなかなかここまで細かくみてはくれません。手間がかかるからです。
なかには小さい子に足台すら使わない先生がいて、足をブラブラさせて弾いていたりします。
姿勢はピアノを習う上での一丁目一番地なのですが、これでは正しい音が出せません。
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- しょっちゅう間違える
しょっちゅう間違えるというより、間違えながらでないと弾けない子がたまにいます。
まず弾き始めに2、3回失敗し、曲が始まっても数小節ごとに弾き直し。
音楽は一度始まったら時間の流れとともに止まらずに進んでいくものという指導を受けていないと思われます。
テンポを好き勝手に変えて弾くこともよくあります。
- 音が汚い
あまり「汚い」などというマイナスワードは使いたくないのですが、他に適切な言葉が見つからないほど荒れた演奏をする子がたまにいます。
上の「間違えながら弾く」ことと関係しますが、とにかく音が正しく出せておらず、他の音が混じったり同じ音を2回弾いたり休符を無視したり、全体的に「ガチャガチャ」とした演奏になってしまっています。
「‥別にピアノコンクールに出るワケじゃないし、それっぽく弾けていればいいわ」
本当にそうでしょうか。
ピアノを習うことは音楽を奏でることであり、音楽とは音を楽しむこと。
楽譜を読まず、音価や休符を無視し、間違いだらけの演奏が音楽といえるでしょうか。
月謝の安さで生徒を集めるのでない、きちんとした指導を行うピアノ教室の生徒さんの演奏は、決してこのようなことはありません。
幼いなりにちゃんと音楽になっているものです。
せっかくお子さんにピアノを習わせるのなら、形だけでなく音楽そのものを学んでほしいと思いませんか?
まとめ
- 月謝の安いピアノ教室の特徴は、先生の専門がピアノ以外・教材や発表会曲が画一的
- 月謝の安いピアノ教室の注意点は楽譜の読み方を教えない傾向にあること
- 楽譜が読めないと習った曲しか弾けないという事態に
- 月謝の安い教室の生徒にありがちな欠点は、姿勢の悪さ・間違いの多さ・音質の汚さ
- 演奏が音楽的かどうかが、月謝の安さのみを売りにしない教室と差がつくポイント
月謝の安いピアノ教室にありがちな特徴と困った点、ありがちな欠点をお伝えしました。
ピアノ教室を選ぶとき、月謝は安ければ安いほどおトクという考えは危険ということがおわかり頂けたのではないでしょうか。
「‥それでもウチはピアノの月謝は安い方がいいんです!」というお考えをお持ちの方もいることでしょう。
最近ではそんな価値観もまたアリなのかもしれません。
この記事を読んで下さったあなたの大切なお子さんがピアノを習うとき、ピアノという楽器とともに何を学べるのか。
お子さんにピアノを習わせる意味を、ぜひ考えて頂ければと思います。
本記事がそのきっかけとなればこんな嬉しいことはありません。
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