大人のピアノを独学するには|何から始める?未経験者の学び方のポイントと注意点
「大人のピアノ未経験者だけど、独学でピアノを学びたい」。そう考える人が増えています。
今までは、ピアノに触れたことのない未経験者は、教室に通ってピアノを学ぶのが一般的でした。
が、SNSやYouTubeなどの動画サイトの発達により、「未経験者のピアノ独学」は夢物語ではなくなりつつあります。
確かに、忙しい大人にとってピアノ教室への通学時間を捻出するのはなかなか大変なこと。
「教室に通う時間の取れない未経験者にはピアノは無理なのか‥(涙)」などと考えてピアノを学ぶことを諦めてしまうのはもったいない!
本記事では大人のピアノ未経験の方に向けて、ピアノ独学のために何から始めれば良いのか、注意点や学びのポイントをわかりやすく解説して参ります!
ご参考になれば幸いです。
目次
【大人のピアノ】独学の準備
大人のピアノ未経験者が独学を開始するにあたり、果たして何から始めれば良いのでしょうか。
さしあたって以下の3つのアイテム(?)のご準備が必要です。
- 楽器
- 独学用教材
- 時間
楽器
ピアノを独学するならなんとしても手元に楽器が必要です。こればかりはレンタルスタジオで、というわけにはいきません。
とはいえ、いきなり高価なピアノを購入する必要はありません。
ご実家などに使われていないピアノがあればそれを運んで来ましょう(生のピアノであれば専門の業者に依頼する必要があります)。
大人の未経験者には電子ピアノもおすすめです。
必ずキーボードではなく88鍵盤を持つ電子ピアノを選びましょう。こちらの記事に詳しいです↓
【大人のピアノ教室】どれくらいかかる?費用の目安|入会金や月謝の相場とその他の金額まとめ
独学用教材
大人のためのピアノ教本(教材という言い方をします)は数多く出版されています。
楽譜屋さんに行くと、あまりにも種類が多くてどれを選べば良いかわからない有様ではないでしょうか?σ(^_^;)
大切なことは「独学できる教材」を選ぶこと。
大人用ピアノ教本の中には、ピアノ教室に通うことを前提として書かれているものもあるからです。
おすすめの独学用教材については、こちらの記事に詳しいです。↓
【大人のピアノ】独学のために最低限必要なものは?これだけで始められる!ミニマムリスト
時間
ピアノ独学のための、目に見えない最重要アイテム、それは「時間」。
ピアノはもともと弾けるようになるまでに時間のかかる楽器ですが、独学で取り組むのであればさらに時間がかかると考えた方が良いです。
考えてもみて下さいまし。ピアノ教室に通うとなれば、毎月数千円〜時に万単位の金額を納めることになります。
あなたはそれを節約しようとしておられるワケですので、その分時間がかかることは仕方ありません。
ネット上のピアノ独学に関するブログには、誰にでも簡単に取り組めるように謳ったものもあります。
が、ピアノという楽器のことをよく知っている当サイトの管理人は、そんなバラ色のことは申しません。
ピアノとは、独学でちょっと学んだからといって誰でもスラスラと弾けるような甘い楽器ではないのです。
‥でも、だからこそ挑戦のし甲斐があるというもの。
ぜひじっくりと時間をかけて取り組んで頂きたいと思います。
【大人のピアノ】独学のポイント
大人のピアノ未経験者が独学するにあたり、練習のポイントとなる重要事項は以下の4点です。
- 正しい姿勢を保つ
- 読譜力を養う
- 基礎練習をする
- 目標を設定する
正しい姿勢
当ブログではもう何度も語っていますが、ピアノを演奏する上で最も重要なのは姿勢です。
演奏中に正しい姿勢を保てないピアノの名手はまずいません。姿勢こそはピアノ練習の一丁目一番地です↓
ピアノは姿勢が悪いと上手くならない!正しい座り方・身体の使い方6つのコツ
大人のピアノ独学ではあまり姿勢を意識することは少ないかもしれません。
それでも、なるべくピアノを置く机や椅子を決めて、いつも同じ位置で背筋を伸ばして練習するように心がけて下さい。
演奏するときの見た目が美しい方が音も美しくなりますよ♪( ´▽`)
読譜力を養う
姿勢と同じくらい大切なのがこの「読譜力を養う」という項目。読譜力とはその名の通り「譜面を読み解く力」のことです。
ピアノを演奏するためには、他の楽器よりも高い読譜力が求められます。
理由は、両手を使って演奏するため。右手左手それぞれ別の音域を表す譜面をまとめて見やすくした「大譜表」という楽譜を使うからです。
普通の楽譜の2倍の情報が盛り込まれたこの大譜表を読みこなすためには時間をかけてじっくりと向き合い、慣れていくのが一番。
ついつい面倒くさいからと読譜力を養う努力をせず、鍵盤の押さえ方だけを真似して弾けたつもりになっていると、やがて困ったことが起こります↓
【大人のピアノ】挫折する人の特徴とその原因とは?折れないための5つのコツ
ピアノを学び始めたその日から、常に読譜力の涵養を意識して取り組んでいきましょう!
基礎練習をする
何事においても基礎基本は大切。特に大人のピアノ独学においては、指のための基礎練習は必須と割り切ってしまいましょう。
ピアノの基礎練習とは、単純な音型を繰り返して弾くことで鍵盤の位置関係を把握したり、本来用途と長さの違う5本の指を均等に動かすための訓練をしたりといったことを指します。
一見地味で単純なこれらの基礎練習をコツコツと続けていくことで、ピアノの鍵盤により早く慣れ、上達も早まります。
とかく大人のピアノ独学者は「好きな曲しか弾かない」「楽しいと感じられる練習しかしない」傾向があるもの。
指導者がいないことによる偏りです。
毎日5分〜10分で構わないので、ぜひ基礎練習を続けて下さい。他の大人のピアノ独学者に差をつけることができることでしょう。
目標設定
目標にも色々ありますが、ここではあなたがピアノを習い始めるに当たっての中長期的な目標のことを指しています。
例えば「『エリーゼのために』が弾きたい」「ショパンの〇〇が弾けるようになりたい」とか「素敵なドレスを着て発表会のステージに立ちたい」「ストリートピアノデビューしたい」など色々ありそう。
このとき、目標は控えめなものである必要はありません。他人に教える必要などないので、ぜひ遠大でハイレベルなものを設定しましょう。
そして、それを達成したご自分の姿を時に強くイメージして見て下さい。
そのイメージこそが、ピアノ独学というあなたの孤独な旅の強力な助っ人となることでしょう。
人は結果として、イメージした通りの自分になっていくものだという研究もあります。
あなたがイメージした目標は、あなたの未来の姿。そう信じて着実に進んで頂きたいと思います。
【大人のピアノ】独学の注意点
最後に、大人のピアノ未経験者が独学するにあたっての注意点をまとめます。以下の3点をぜひお心に留めておいて下さい。
- 耳コピに頼らない
- 演奏動画を視聴する
- アドバイザーを持つ
耳コピに頼らない
以前、SNSでこんなツイートを発見したことがあります。
『ウチの子はショパンエチュードを耳コピで弾きこなすことができます。譜読みなんかできなくても別に困っていません』
‥いえいえ、それは思い違いというもの。
ジャズやポップスなどは別として、クラシックピアノとは先人の遺した楽譜を読み解いていくものであり、耳コピで不確かな音出しをするのは「弾きこなしている」とは言いません。
ピアノの独学を目指すあなたは、このような勘違いをすることなく、しっかりと楽譜に向き合って頂きたいと思うのです。
楽譜とは決して難解な暗号ではありません。ルールに従って読み慣れていけば誰でも必ず読めるようになります。
そして楽譜から読み取ったふさわしい音を選び出し、自身の解釈を加えることによってその人にしかできない演奏が紡がれていくのです。
その知的な楽しみを最初から放棄するなんてもったいない!
耳コピはあくまでも誰かの演奏のコピーに過ぎません。独学でピアノを始める大人の方こそ、耳コピに頼らず楽譜と向き合って頂きたく思います。
演奏動画を視聴する
ピアノ教室では先生がお手本を弾いて下さいますが、独学ではそうはいきません。
ある曲を練習したとして、それがどこまで正しく弾けているか、どこを修正するのが適当なのかは未経験者にはわかりにくいはず。
そこで、正しく練習するためにお手本となる映像をよく見て真似をしましょう。
あなたが取り組んでいる曲の映像があるのが理想ですが、そうでなくても似たレベルの演奏動画でも良いので積極的に探して視聴しましょう。
おすすめは、はじめからDVDが資料として添付されている教材や独学用のシステム教材。
取り組む曲と映像がリンクしており、ネットで似た曲を探し出す必要がありません。
おすすめはこちら。まっったくの未経験者を対象に書かれた、痒いところに手の届く親切設計のDVD付き教本です↓
こちらは「楽譜の読めない初心者が30日で名曲をマスターする」ことに特化したDVD付き教材。
ピアニスト海野真里さん監修、受講者数15000人を超える人気システム教材で、第1〜第3弾までがセットになったお得な内容です。↓
ぜひDVD映像を資料として活用し、学びを深めて下さいね(^○^)
本教材「30日でマスターするピアノ上達講座」の特徴や中身、口コミ評判などの詳しい情報はこちらからどうぞ↓
【大人のピアノ】初心者向け教材「30日でマスターするピアノ上達講座」の特徴と中身&口コミ評判
アドバイザーを持つ
ピアノを独学する人にとって一番の困りごとは、「行き詰まった時に相談できる相手がいない」ことです。
ひとりでピアノを練習していると、よくわからないことや上手くいかないこと、難しいと感じる場面が必ずあるはず。
そんな時ピアノ教室へ通っていれば先生に質問すればOKですが、独学だとハタと困ってしまう訳です。
慌ててYouTubeやインスタを巡ってみても、あなたにぴったりくるアドバイスが得られるとは限りません。
おすすめは、ピアノに詳しいアドバイザーを持つこと。
ピアノの先生でなくても、あなたの友人知人の中にピアノを長年習っていて上手な人はいませんか?
その人に率直に相談して、その都度適切なアドバイスがもらえるなら最高です。
「そんな相談相手なんていないよ‥(ノ_<)」と感じたあなたもご安心下さい。今はオンラインレッスンというとても便利なシステムがあるものです。
おすすめは「リモオト」というサービス。登録料や年会費は一切かかりません。
「ピアノの独学をしているけれどこんなことが分からなくて困っている」と相談すれば、専門家から的確なアドバイスを受けることができます。
オンラインなので通学の必要がありませんし、アドバイザーとして気に入れば都合の良いタイミングでまた相談に乗って貰えば良いでしょう。
「リモオト」オンライン音楽教室ウェブサイト↓
まとめ
- 大人のピアノ未経験者が独学するには「楽器」「独学用教材」「時間」の準備が必要
- ピアノ独学のポイントは4つ。「正しい姿勢」「読譜力」「基礎練習」「目標設定」
- 大人のピアノ独学の注意点は3つ。「耳コピに頼らない」「手本となる演奏動画視聴」「アドバイザーを持つ」
大人のピアノ未経験者が独学を開始するにあたり、何から始めれば良いのか、独学のポイントとその注意点をまとめてお伝えしました。
それにしても良い時代になったものです。
わざわざ教室に通わなくても、自宅に居ながらにして大人がピアノを独学できるようになるなど、私が若い頃にはあり得ませんでした。
ネットを駆使すれば限りなく安価にピアノを学ぶことができるのは、大人の学習者にとって何よりですよね。
最後に一つだけアドバイスを。
大人のピアノ独学者は毎月の月謝を支払わずに済んでいる訳ですが、あまりにも「無料」にこだわりすぎると失敗します。
ピアノはいわば趣味であり、なんであれ趣味には多少なりともお金がかかるもの。
できるだけ安くピアノが弾けるようになる競争をしているのでない限り、たまには有料のサービスを上手に使って困りごとをサクッと解決しちゃいましょう。
有料サービスと賢く付き合えば時間の節約にもつながり、上達も早まること請け合いです。
ピアノ独学というあなたの旅が、楽しく充実したものになることを願っています!(^○^)
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