【ピアノ発表会】人気の定番曲 中級レベル10選を解説|小学校高学年〜中学生におすすめ!
ピアノ発表会の曲選び、中級レベル編です。
本記事では、知名度が高いピアノ曲の中から、特に小学校高学年〜中学生が発表会で弾くのにふさわしい定番曲をセレクトしました。
ぜひ、発表会の曲選びの参考にしてみて下さいね。
小学校中学年〜高学年の女の子にぴったりの初中級レベルの発表会定番曲のご紹介はこちらから↓
【ピアノ発表会】女の子に人気の初中級レベル定番曲10選を解説|小学校中学年〜高学年向き
小学校中学年〜高学年の男の子にピッタリの、ちょっとカッコいい曲のご案内はこちら↓
【ピアノ発表会】男の子向きのカッコいい曲 初中級レベル10選!小学校中学年〜高学年におすすめ
目次
【ピアノ発表会】中級レベル曲の難易度
管理人は、ピアノの「中級レベル」として、ざっくりと以下のテキスト、曲集などの学習者を想定しています。
- ブルグミュラー18の練習曲
- ツェルニー30番
- ソナチネアルバム
- J.S.バッハ「インベンション」
ピアノ曲の難易度レベルの基準を解説した記事はこちらから↓
ピアノ曲の「難易度」とは?レベル設定と基準について解説!入門から最上級まで
中級レベルとは、ピアノを習い始めて5年以上が経過し、かなり難しい曲が弾けるようになってくる時期。
ここまで来れば、ピアノ学習も一区切り。あなたはもはや、押しも押されぬ「ピアノが弾ける人」です(^^)v
音に厚みとボリューム感のある華やかな曲にも手が届くようになり、友達の前で演奏すれば一目も二目も置かれるように。
ピアノが楽しくてたまらないと感じているのでは?
「中級レベル」は、今までと比べると格段に弾ける曲が増えます。
選択肢は多岐にわたり、「誰もが知っているあの曲」にもOKが出るはず。真面目に練習すればショパンにだって手が届くことでしょう!
【ピアノ発表会】人気の中級レベル定番曲
中級レベルの定番曲一覧
小学校高学年〜中学生くらいのピアノ学習者にぴったりの、中級レベルのおすすめ定番曲一覧は以下の通りです。
あまたある曲から管理人が10曲を選び、比較的難易度が低いと思われる曲から順番に並べてみました。
- 大雷雨(ブルグミュラー)
- バウムクーヘン(湯山昭)
- かっこう(ダカン)
- 花の歌(ランゲ)
- エリーゼのために(ベートーヴェン)
- 真夜中の火祭り(平吉毅州)
- 乙女の祈り(バダジェフスカ)
- 波のアラベスク(三善晃)
- マズルカ Op.7-1(ショパン)
- ワルツ エチュード(ギロック)
小学校高学年〜中学生におすすめの理由
ところで、一覧表にある曲は、全てYouTubeでもおなじみの曲ばかり。
上位表示された動画を開いてみれば、どうみても5歳程度の幼児や小学校低学年の子が達者に弾いているのを見かけるはずです。
そこで「‥幼稚園児でも弾いてる曲じゃん。中学生にもなってエリーゼなんて恥ずかしい‥(泣)」なんて思わないで下さいね。
あれらの動画は、多くが全国規模のピアノコンクールの上位入賞者や、それに匹敵する腕自慢少年少女の演奏によるもの。
同じ土俵で比較するのはお勧めできません。
例えば、「エリーゼのために」はベートーヴェンが40歳の時の作品。若い女性に失恋したことがきっかけに作曲されたと伝わっています。
また「バウムクーヘン」は年輪を表現するお菓子。そこから転じて「長寿」や「繁栄」などを示唆しています。
‥「おじさんの失恋」や「長寿」。こんなの、幼児に表現できるわけないじゃないですか(笑)。
たとえ天才少年少女であっても5歳の子には「失恋」など理解不能です。彼らは別の部分で戦っているのです。
若い10代のあなたとしては、ぜひとも年齢にふさわしいやり方でこれらの曲にアプローチしてみて頂きたいと思います。
【ピアノ発表会】中級レベル定番曲解説
以下、各曲を簡単に紹介・解説します。なお、ブログ内別記事で詳しく解説している曲に関してはリンク先をご参照下さい。
比較的難易度の低い曲から高いと思われる曲の順番に並んでいます。
作品の日本語のタイトルとともに可能な限り原題を記載。また作曲者の氏名、不明な場合をのぞき生年と没年を記載しました。
なおピアノ曲の難易度は、テンポの設定や弾き方、演奏者の年齢、体格によってかなり違ってきますので注意が必要です。
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ピアノ曲の「難易度」とは?レベル設定と基準について解説!入門から最上級まで
大雷雨
- 曲名:大雷雨(L’Orage)
- 作曲者:ブルグミュラー(Burgmüller, 1804-1857)
- 難易度:中級A
- 収録:ブルグミュラー18の練習曲(18 Études de genre Op.109・各社)
- 演奏時間:約1分40秒
ブルグミュラーは25の練習曲があまりにも有名ですが、続くこの「18の練習曲」も魅力的な曲が並んでいます。
13番「大雷雨」は、ゲリラ豪雨のような嵐の始まりと終わりまでを音楽で描写した迫力ある曲。
いきなり雷鳴がとどろき、強風とともに激しい雨が降り注ぎ、われるような稲妻が走ります。
やがて陽がさしてきてあたりが明るくなり、雷雨が去って穏やかさが訪れるまでの様子をダイナミックに表現して下さい。
見開き2ページの短い曲のなかに、多くの速度表示、発想標語の指示があります。
全体的に振れ幅大きく、急激に天候が変化していく様子が伝わるように弾くとカッコ良いです。
冒頭ppですがagitato(激しく、切迫して)の指示が。つい強く弾きがちなので気を付けましょう。
20小節目、突然ニ短調からニ長調へと転調します。あたりが急に明るくなりつつもまだ雷鳴が聞こえるかのような不安定な様子が出せると良さそう。
最後の小節の2分休符までをしっかりと感じつつ締めくくって下さい。
バウムクーヘン
- 曲名:バウムクーヘン
- 作曲者:湯山昭
- 難易度:中級A
- 収録:ピアノ曲集「お菓子の世界」(全音楽譜出版社)
- 演奏時間:約2分
湯山昭氏の「お菓子の世界」は、シュークリームや柿の種、ポップコーンなど様々なお菓子をピアノ曲で表現した素敵な曲集。
子どもだけでなく大人も弾いて楽しめる、華やかで楽しい曲がそろっています。
中でも「バウムクーヘン」はピアノ発表会にピッタリ!詳しい解説記事はこちらからどうぞ↓
「バウムクーヘン」はピアノ発表会におすすめ!難易度比較と弾き方のコツを解説
先生が選んだピアノ発表会名曲集④にも収録されています。
かっこう
- 曲名:かっこう(Le coucou)
- 作曲者:ダカン(L.C. Daquin, 1694-1772)
- 難易度:中級A
- 収録:ピアノのためのバロック名曲集 上巻(全音楽譜出版社)
- 演奏時間:約2分
ダカンは、バロック時代のフランスの鍵盤楽器奏者の一人です。主に教会や修道院のオルガニストとして活動しました。
最終的に王室教会のオルガニストとしての地位を築き、オルガンとクラヴザン(バロック時代の鍵盤楽器)のための楽曲を遺しました。
ダカンと同時期のラモ、クープランなどとも共通のフランス・バロックの作風は、バッハに代表されるドイツ・バロックと比較して軽妙で洒脱(オシャレ)、軽やかなのが特徴です。
「かっこう」もまたその特徴通り。キラキラと華やかな、ロココの香りのする上品な曲です。
全曲中に散りばめられた、かっこうの鳴き声を模した音型はあくまでも軽やかに。装飾音は上の音から取るのが適当です。
この時代の繊細な鍵盤楽器の音を想像しつつ、どこまでも優雅に演奏して下さいね。
「先生が選んだピアノ名曲120選1・初級」にも収録されています。
「全音ピース」で1曲から購入することができます。
花の歌
- 曲名:花の歌(Blumenlied)
- 作曲者:ランゲ(G. Lange,1830-1889)
- 難易度:中級B
- 収録:先生が選んだピアノ発表会名曲集④(YAMAHA)
- 演奏時間:約4分30秒
19世紀ヨーロッパで流行した、サロン向きの小品という趣きの美しい曲。演奏効果が高く、発表会で好んで演奏される定番曲の一つです。
甘く優しい旋律が次々と繰り出され、まさに「花の歌」というタイトルにぴったり。
冒頭の左手の伴奏はやや弾きにくいです。ダンパーペダルとうまく連動させたいもの。
18小節目のパッセージにはrapid zeffirosoと指示があります。rapidは「急速に」、zeffirosoは「そよ風のように軽く」。
要は花々を揺らすそよ風のように素早く軽くということで、ここはしっかりと練習が必要です。
まさに発表会向きの華やかな曲ですが、ド派手な印象にはならないように。あくまでもロマンチックかつ優雅に弾きたいものです。
全音ピースで一曲から購入することもできます。
エリーゼのために
- 曲名:エリーゼのために( Für Elise)
- 作曲者:ベートーヴェン(L.v.Beethoven, 1770-1827)
- 難易度:中級B
- 収録:先生が選んだピアノ発表会名曲集④(YAMAHA)
- 演奏時間:約3分
あまりにも有名なベートーヴェンの名曲。この曲を目標にピアノを習い始める人は多いものです。
当ブログではいくつかの記事でこの曲を扱っています。ぜひご参照下さい。↓
ピアノ発表会で「エリーゼのために」を美しく弾くための7つの処方箋
「エリーゼのために」は、「先生が選んだピアノ名曲120選1」にも収録されています。
全音ピースで1曲から購入することもできます。
真夜中の火祭
- 曲名:真夜中の火祭
- 作曲者:平吉毅州(1936-1998)
- 難易度:中級B
- 収録:子どものためのピアノ曲集「虹のリズム」(カワイ出版)
- 演奏時間:約1分30秒
発表会定番となった平吉毅州の曲集「虹のリズム」の中でも、この「真夜中の火祭」は一、二を争う人気曲です。
勇壮で情熱的、ダイナミックな魅力に満ちたこの曲を発表会で演奏することになったなら、ぜひ情景をイメージして取り組んでみて下さい。
以下の記事で詳しく解説しています。↓
「真夜中の火祭」のイメージは?難易度の比較と弾き方のコツを解説|何年生で弾くのがおすすめ?
「先生が選んだピアノ発表会名曲集④」にも収録されています。
乙女の祈り
- 曲名:乙女の祈り(Modlitwa dziewicy)((仏) La prière d’une vierge )
- 作曲者:バダジェフスカ(T. Badarzewska, 1834-1861)
- 難易度:中級C
- 収録:先生が選んだピアノ発表会名曲集④(YAMAHA)
- 演奏時間:約3分30秒
バダジェフスカは、ポーランド出身の女性ピアニスト・作曲家です。
「乙女の祈り」は1851年にワルシャワで出版され、やがてパリの音楽雑誌に掲載されたことで一躍有名になりました。
わずか23歳(27歳説も)の若さで病没するまでに、35曲ほどの小品を遺したと伝わっています。
オクターブのアルペジオによる主題とその変奏が繰り返されるだけのシンプルな曲ですが、ロマンチックで演奏効果が高いために発表会で好んで演奏されます。
右手の華やかなアルペジオや装飾音は難しく聞こえますが、左手はほとんど同じことの繰り返しなので、譜読みは苦労せずにすみそう。
あとは指さえ動けばとても上手に聴こえる、ある意味お得な曲と申せましょう(^^)v
全音ピースで一曲から購入することができます。
波のアラベスク
- 曲名:波のアラベスク
- 作曲者:三善晃(1933-2013)
- 難易度:中級C
- 収録:こどものためのピアノ小品集「海の日記帳」(音楽之友社)
- 演奏時間:約1分40秒
日本を代表する作曲家三善晃氏による二作目のこどものための小品集。『好きな海のイメージを拾って書いた』と記されています。
三善氏の「こどものための小品」には難解な曲が多いのですがσ(^_^;)この「波のアラベスク」はメロディラインがわかりやすく、中間部での盛り上がりもゴージャスで、発表会やコンクール課題曲の常連となっています。
海の波の複雑な動きやうねり、しぶきのきらめきなどを表す、緻密に計算された響きの美しさはまるで繊細なガラス細工のよう。
鍵盤上に、音による華麗なアラベスク模様(アラビア風の装飾的な紋様)が描かれるさまをぜひ表現して下さい。
譜読みはなかなかに大変ですが、そこはこの美しい曲を演奏するための修行のようなもの。頑張りましょう(^^)v
44小節目から現れる右手オクターブの音形の下の音は左手で取るように運指の指示がありますが、これは手の小さい子が弾くことを想定しているものと思われます。
手が届くなら右手を使った方が2音のフレーズも繋がりやすく、管理人としてはこちらをおすすめしたいと考えます。
「先生が選んだピアノ名曲120選」にも収録されています。
マズルカOp.7-1
- 曲名:マズルカ 変ロ長調(Mazurka B-dur Op.7-1)
- 作曲者:ショパン(F. Chopin, 1810-1849)
- 難易度:中級C
- 収録:ショパン マズルカ集(各社)
- 演奏時間:約2分
ショパンは生涯に58曲のマズルカを作曲したと言われています。
マズルカとはポーランドに伝わる民族舞踊で、貴族的な雰囲気のポロネーズと比べるとどちらかというと庶民的な踊り。2拍目または3拍目にアクセントを持つ独特のリズムが特徴です。
マズルカの特徴やワルツとの違いについての記事はこちら↓
マズルカとはどんな舞曲?特徴とワルツとの違い|ショパンにとってマズルカの意味とは?
ショパンの祖国ポーランドとマズルカについての解説はこちらの記事に詳しいです↓
ポーランドはショパンのふるさと|どんな国?特徴と歴史・日本との関係をピアノ講師目線で解説!
マズルカOp.7-1はショパンが20歳前後で作曲され、22歳のときに出版されました。
ショパンの作品の中では比較的易しく、溌剌とした雰囲気の楽しい曲。マズルカらしい特徴的なアクセントを感じつつ、ワルツとの違いを表現して下さい。
ショパンの生涯の年表や主な作品の紹介はこちらからどうぞ↓
ショパンとはどんな作曲家?プロフィールと年表まとめ|ピアノの詩人の生涯とは
「先生が選んだピアノ発表会名曲集④」にも収録されています。
ワルツ エチュード
- 曲名:ワルツ エチュード(Valse Etude)
- 作曲者:ギロック(W. Gillock,1917-1993)
- 難易度:中級C
- 収録:子どものためのアルバム(ALBUM FOR CHILDREN)
- 演奏時間:約3分30秒
「ワルツ エチュード」は、みんなが大好きなギロックの作品中、難易度と演奏効果が最も高い曲のひとつ。
「In Romantic Style」とタイトル下に記されている通り、明らかにショパンのワルツをモデルとして作曲されています。
まるでショパンのワルツを弾いているかのような優雅さと歌心を感じさせるような演奏ができたら素敵です。
テンポの速いト長調部分では、アクセントの付いた音を少しだけ強調するつもりで弾くと適当です。やりすぎるとダサく(死語)なります。
「molt lirico(極めて叙情的に)」と表示された変ホ長調の中間部は、打って変わって情熱的に歌い上げるのがぴったり。
『叙情的』とは、感情や気持ちがじんわりとにじみ出るような雰囲気のこと。難しい部分ですがしっかりと呼吸を感じながら演奏して下さい。
brilliante(輝かしく)と指示されたコーダはとても華やかですが、オシャレな曲なのであくまでも上品に締めくくるのが合いそう。
最後の小節のフェルマータは、音がなくなったあとも十分に余白を感じるようにしましょう。
「先生が選んだピアノ発表会名曲集④」にも収録されています。
以下のサイトでは各曲の難易度検索ができます↓
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まとめ
最近、ピアノ演奏に対して自信がついてきたあなた。堂々と「僕(オレ・私)、ピアノ弾けるよ」と言えるようになってきましたよね。
人前での演奏にも緊張感とともに大きなやりがいを感じているはず。
そんなあなたが、晴れの舞台である発表会には「ぜひ憧れていたあの曲を弾きたい」「みんなが知っている有名な曲にチャレンジしたい」などの希望を持つのは自然なこと。
せっかくの機会です。ぜひ、先生と相談しながらチャレンジしてみて下さい!
今年のピアノ発表会が、あなたにとって素晴らしい思い出として記憶される日になることを心から願っています。
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